当社福島第一原子力発電所の事故状況及び事故進展の状況調査結果に係る事実関係資料等の提出に関する指示文書の受領について
平成23年12月17日
東京電力株式会社
昨日、当社は、経済産業省原子力安全・保安院より、「東京電力株式会社福島第
一原子力発電所の事故状況及び事故進展の状況調査結果に係る事実関係資料等の提
出について」の指示文書*を受領いたしました。
当社は、このたびの指示に基づき、福島第一原子力発電所の事故状況及び事故進
展の状況調査結果に係る事実関係資料等について、その内容を取りまとめ、同院へ
報告いたします。
以 上
*指示文書
「東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故状況及び事故進展の状況調査
結果に係る事実関係資料等の提出について(指示)」
(平成23・12・16原院第3号)
原子力安全・保安院(以下「当院」という。)では、東京電力株式会社福島第一
原子力発電所事故の技術的知見に関する意見聴取会(以下「意見聴取会」という。)
を設置し、今般の事故の教訓を踏まえ、専門家からの意見を聴取しつつ、施設、資
機材等に係る安全確保のために必要な事項について検討を行っています。
意見聴取会における検討に当たっては、東京電力株式会社福島第一原子力発電所
(以下「福島第一原子力発電所」という。)における事故状況及び事故進展の状況
について、現時点までに判明している事実関係を把握に反映することが必要です。
貴社からは、これまで、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律
(昭和32年法律第166号)第62条の3の規定に基づき、当該事故状況及び事故進展
の状況について、平成23年3月18日付け原管発官22第489号、同年9月9日付け原
管発官23第307号(以下「報告書」という。)及び同月28日付け原管発官23第348号
をもって経済産業大臣に対し、報告があったところですが、これらの報告において
は、福島第一原子力発電所第2号機(以下「第2号機」という。)及び第3号機
(以下「第3号機」という。)の原子炉圧力容器(以下「RPV」という。)及び
原子炉格納容器ドライウェル(以下「D/W」という。)の圧力挙動並びに福島第
一原子力発電所第1号機(以下「第1号機」という。)、第2号機、第3号機のベ
ント操作について、下記のとおり解明されていない点があることから、同年12月22
日までに、下記のとおり実施することを求めます。
記
1.報告書図8−13−3及び図8−13−13において、第2号機のD/W圧力変化に
ついて、約21時間後にD/Wに漏えいを仮定している。しかし、この仮定は、平
成23年3月15日0時頃にD/W圧力が上昇し、その後、約0.7メガパスカルにて一
定時間維持されていたという実機計測値と整合しない。また、報告書図8−13−
2及び図8−13−12における第2号機のRPV圧力変化についても、同月14日12
時頃までの圧力変化が解析値と実機計測値が整合しない。そのため、D/Wに漏
えいを仮定していることの妥当性並びにD/W圧力変化及びRPV圧力変化に係
る解析値と実機計測値が整合しない理由について、圧力抑制室(以下「S/C」
という。)の設置階に侵入した海水等がこれらの圧力変化に影響を与えた可能性
やS/Cに蒸気を排出する原子炉隔離時冷却系の動作状況に係る評価を含め、貴
社の見解及びその見解の根拠となる資料を示すこと。
2.報告書図9−13−2及び図9−13−13において、第3号機のRPV圧力変化に
ついて、高圧注入系(以下「HPCI」という。)の起動後、RPV圧力は徐々
に低下し、約1メガパスカルで推移したのち、さらに若干低下し、最終的にHP
CI停止に至っている。こうしたRPV圧力の挙動に対して、報告書表9−13−
2の事象イベントにおいては、HPCIの自動起動から停止に至るまでの間に、
原子炉水位を維持するための流量調整他特段のHPCIの操作実績に係る記載は
ない。このため、RPV圧力の挙動を踏まえたHPCIの作動時の運転状態及び
停止原因について、HPCIに係る流量調整等の手動操作の実績についての事実
関係及びこれを踏まえた貴社の見解を示すこと。
3.報告書図9−13−3及び図9−13−14において、第3号機のD/W圧力変化に
ついて、平成23年3月12日12時頃までは解析値に比べて実機計測値では圧力上昇
が速く進行しており、また、同日12時頃からは解析値が上昇している一方で、実
機計測値は減少しており両者は整合しない。このため、格納容器スプレイ又はS/
Cスプレイ等の手動操作の実績、D/W圧力変化に係る解析値と実機計測値が整
合しないことについての貴社の見解及びその根拠となる資料を示すこと。
4.報告書7.1.2、8.1.2及び9.1.2において、地震発生後のプラン
ト及び対応状況について、第1号機、第2号機及び第3号機のベント操作につい
ては、それぞれアクシデントマネジメント操作手順書等の確認を行った上で、原
子炉格納容器のベント手順の検討を行ったとされているが、この際の非常用ガス
処理系出口弁の全閉操作を含めた必要な隔離操作の実績及び隔離状態の確認に係
る事実関係並びにこれらと実際に運転員が遵守したベント手順との整合性に係る
貴社の見解及びその根拠となる資料を示すこと。
一覧へ