東北地方太平洋沖地震による影響などについて
【午前9時現在】
平成23年11月28日 東京電力株式会社 平成23年3月11日に発生いたしました三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震 により、当社の原子力発電所をはじめとした設備等が大きな被害を受けるなかで、 立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけし ておりますことに対し、心よりお詫び申しあげます。 福島第一原子力発電所の事故に関し、4月17日、事故の収束に向けた、当面の道 筋を取りまとめ、7月19日に進捗状況についてお示しし、ステップ1の目標「放射 線量が着実に減少傾向となっていること」が達成できていると考えております。ま た、その後の進捗状況については、11月17日にお示ししております。 原子炉および使用済燃料プールの安定的冷却状態を確立し、放射性物質の放出を 抑制することで、避難されている方々のご帰宅の実現および国民の皆さまが安心し て生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。 当社設備への主な影響について、以下の通りお知らせいたします。 ※下線部が新規事項。 【原子力発電所】 ・福島第一原子力発電所 1〜3号機 地震により停止中 (4〜6号機は定期検査中) ※2号機圧力抑制室ガス温度について、11月26日午後5時時点、52.7℃を示して いたが、同日午後11時、「オーバースケール」表示(デジタルレコーダ)にな っていることを確認。その後、11月27日午前5時時点は、102.6℃を示しており、 指示値が不安定であるが、同種の温度計2ヶ所および圧力抑制室プール水の温 度変化に有意な変化が見られなかったことから、計器の不具合の可能性も含め、 計器の点検を実施。その結果、温度検出器からの信号が安定していないことか ら、当該信号検出ラインで何らかの影響を受け、指示値がオーバースケールし ているものと推定。今後、当該計器の指示値を継続監視するとともに、類似箇 所を測定している計器にて監視を行う。 ※2号機原子炉格納容器(ドライウェル)内の温度(局部冷却設備である空調ユ ニットの戻りライン温度)は、11月27日午前5時時点で78.2℃を示していたが、 同日午前6時50分、約84℃にステップ状に上昇していることを確認した。一方、 原子炉圧力容器底部および圧力抑制室プール水の温度変化については、原子炉 格納容器(ドライウェル)内の温度変化と比べて小さく、有意な変動はないこ とを確認。 現在、原子炉への注水については、下記の通り減少させていることから、原子 炉格納容器内の温度が上昇することが考えられるが、ステップ状に上昇したの が、5ラインのうちの1つであり、他の4ラインには同様の変化が見られなか ったことから、計器の不具合の可能性も含め、計器の点検を実施。その結果、 故障等を示すデータは得られず、点検後の指示値は、点検前の指示値と変化な かったことから、当該信号検出ラインで何らかの影響を受け、指示温度が上昇 したものと推定。今後、当該計器の指示値を継続監視するとともに、類似箇所 を測定している計器にて監視を行う。 ・11月24日午後7時11分、炉心スプレイ系からの注水量を約7.2m3/hから約5.6m3/h に調整(給水系は約2.9m3/hで継続) ・11月26日(午前10時18分〜午前11時2分)、炉心スプレイ系からの注水量を 約5.5m3/hから約4.5m3/hに調整(給水系は約3.0m3/hで継続) ※11月28日より、5号機取水路ポンプ室底部に堆積した砂等の吸い込みによるポ ンプ性能低下の防止を目的とした清掃作業に伴い、5号機残留熱除去系(D) ポンプを停止し、原子炉の冷却を停止。5号機補機冷却海水系(C)ポンプを 停止し、使用済燃料プールの冷却を停止。各ポンプ停止時の5号機原子炉水温 度は25.7℃、使用済燃料プール水温度は20.4℃。なお、冷却停止予定時間は毎 日午前7時から午後5時で、1日あたりの停止期間における5号機原子炉水温 度の上昇は約17℃、使用済燃料プール水温度の上昇は約4℃の見込み(作業期 間は約1週間程度を予定)。 ・福島第二原子力発電所 1〜4号機 地震により停止中 ・柏崎刈羽原子力発電所 5、6号機は通常運転中 (1〜4、7号機は定期検査中) 【火力発電所】 ・電気の供給については、すべて復旧済み (ただし、設備損傷箇所については、適時対応中) 【水力発電所】 ・電気の供給については、すべて復旧済み (ただし、設備損傷箇所については、適時対応中) 【流通設備等への影響】 ・電気の供給については、すべて復旧済み (ただし、設備損傷箇所については、適時対応中) 【電力需給への影響】 今冬につきましては、定期検査に入る予定の柏崎刈羽原子力発電所5号機などの 減少要因があるものの、一方で、地震により被災した共同火力の一部運転開始など の増加要因を織り込んだ結果、5,490万kW(12月末)、5,460万kW(1月末)、5,370 万kW(2月末)の供給力を確保できる見通しとなりました。 なお、これは、昨年冬期の最大電力である5,150万kWに対して220〜340万kW程度 の供給予備力を確保できることになります。 今冬は安定供給を確保できる見通しですが、電源の計画外停止や急激な気温の変 化による需要増加の可能性もあることから、お客さまにおかれましては、無理のな い範囲での節電へのご協力をお願いいたします。 当社は、引き続き計画停電の「原則不実施」を継続するために、供給力を着実に 確保するとともに、電力設備の確実な運転・保守に努めてまいります。 以 上 添付資料 ・過去の実績(平成23年8月1日以降)(PDF 297KB) 参考資料(最終更新日時:平成23年8月19日午前9時) ・過去の実績(平成23年3月11日〜7月31日)(PDF 337KB) ※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績 ファイル】ページをご覧ください。