プレスリリース 2011年

湯ノ岳断層を対象としたボーリング調査およびトレンチ調査の実施について

                             平成23年9月28日
                             東京電力株式会社

 当社は、平成23年4月28日、経済産業省原子力安全・保安院(以下、同院)より
指示文書*1を受領したことから、東北地方太平洋沖地震の発生に伴って大きな地殻
変動が観測されたことを踏まえ、原子力発電所の耐震設計上考慮する必要がある断
層に該当する可能性の検討に当たって必要な情報として、既設発電所周辺において、
耐震設計上考慮していない断層等に関する情報を整理し、5月31日、同院へ報告い
たしました。
                (平成23年4月29日5月31日お知らせ済み)

 その後、平成23年6月6日、同院より、同案件に関して追加の指示文書*2を受領
し(平成23年6月6日お知らせ済み)、当社が耐震設計上考慮しないと評価してい
る断層等について、同年3月11日以降に発生した地震に伴って生じた地殻変動量お
よび地震の発生状況の調査を実施するとともに、地震活動が活発化した地域におい
て地表踏査等を実施し、耐震設計上考慮すべき断層に該当する可能性が否定できな
いものについて取りまとめ、基準地震動への影響について検討し、その結果を8月
30日、同院へ報告いたしました。
                     (平成23年8月30日お知らせ済み)

 当社は報告に伴う調査の中で、4月11日に発生した福島県浜通りの地震(M7.0)
において、当社が耐震設計上考慮する活断層と評価していない湯ノ岳断層沿いに正
断層型の地震断層が出現していることを確認したことから、湯ノ岳断層のこれまで
の活動変遷を調査し、地震断層が出現した原因やメカニズムについて検討するため
に、ボーリング調査およびトレンチ調査を9月29日から開始することといたしまし
たのでお知らせいたします。

                                  以 上

添付資料:湯ノ岳断層に関する断層調査の概要について(PDF 79.1KB)

*1 指示文書
 平成23年東北地方太平洋沖地震を踏まえた新耐震指針に照らした既設発電用原子
 炉施設等の耐震安全性の評価結果の報告に係る原子力安全・保安院における検討
 に際しての意見の追加への対応について(指示)
                         平成23・04・28原院第4号
                             平成23年4月28日

 本日、原子力安全委員会において、「新耐震指針に照らした既設発電用原子炉施
設等の耐震安全性の評価結果の報告に係る原子力安全・保安院における検討に際し
ての意見の追加」が決定され、原子力安全・保安院(以下「当院」という。)に対
して通知されました。

 当該決定によると、原子力安全委員会は、従来、地震活動のほとんど観測されて
いなかった場所においても、今回の地震により誘発されたと考えられる地震活動が
活発になり、また、4月11日に福島県浜通りで発生した地震のように、正断層型の
地震活動も発生しているとの理解のもとに、当院が現在実施している、新耐震指針
に照らした既設発電用原子炉施設等の耐震安全性評価(以下「耐震バックチェック」
という。)を進めるに当たって下記の意見を示しており、当院に検討を求めていま
す。

・東北地方太平洋沖地震の発生に伴って、大きな地殻変動が観測され、広域にわた
 って応力場に影響を受けた。この状況を踏まえて、既に原子炉設置者等が調査を
 行っている断層、変位地形、リニアメント等について、耐震設計上考慮する活断
 層に該当する可能性を検討すること。
・東北地方太平洋沖地震の発生に伴って、敷地周辺で、従来、地震活動が活発でな
 かった場所における地震の発生が確認されている場合、あるいは耐震設計上考慮
 する活断層でない断層近傍に地震が発生している場合には、その地震の評価を行
 うこと。
・上記の検討を踏まえて、敷地に影響を与えると考えられる断層がある場合、地震
 動評価を行うこと。

 これを受けて、当院は、貴社に対して、まずは下記の事項について、平成23年5
月31日までに報告するよう求めます。

 東北地方太平洋沖地震の発生に伴って、大きな地殻変動が観測されたことを踏ま
え、既に貴社において実施した地質調査や、各種の文献調査等の中から抽出した断
層、変位地形、リニアメント等に係る情報であって、原子力発電所の耐震設計上考
慮する必要がある断層に該当する可能性の検討に当たって必要な情報

*2 追加の指示文書
 平成23年東北地方太平洋沖地震を踏まえた新耐震指針に照らした既設発電用原子
 炉施設等の耐震安全性の評価結果の報告に係る原子力安全・保安院における検討
 に際しての意見の追加への対応について(追加指示)
                       (平成23・06・03原院第1号)

 原子力安全・保安院(以下「当院」という。)は、「平成23年東北地方太平洋沖
地震を踏まえた新耐震指針に照らした既設発電用原子炉施設等の耐震安全性の評価
結果の報告に係る原子力安全・保安院における検討に際しての意見の追加への対応
について(指示)」(平成23年4月28日付け平成23・04・28原院第4号)において、
既設発電用原子炉施設等の耐震設計上考慮する必要がある断層(以下「考慮すべき
断層」という。)に該当する可能性の検討に当たって必要な情報の報告を求めまし
た。これにより、同年5月31日、当院に、各原子力事業者から、求めた報告が提出
されました。
 当該報告では、原子力事業者から報告のあった耐震設計上考慮しないと評価して
いる断層等のうち、同年3月11日以降に発生した地震によって、実際に地表に断層
が出現した事例が1件ありました。
 これを受け、当院としては、断層等の活動の可能性についての再評価の検討に活
用するため、原子力事業者が既往調査から耐震設計上考慮しないと評価している断
層等が考慮すべき断層に該当する可能性について一層の検討を行い、更なる情報の
収集を行う必要があると考えます。このため、原子力事業者が耐震設計上考慮しな
いと評価している各々の断層等に応じて必要な距離の範囲内において、同年3月11
日以降に発生した地震に伴って生じた地殻変動量及び地震の発生状況の調査を実施
し、考慮すべき断層に該当する可能性が否定できない場合は、地表踏査等を行い、
その結果を同年8月31日までに当院に報告することを求めます。




	

	



			
			
		

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