当社福島第一原子力発電所の緊急作業における放射線業務従事者の線量限度を超える被ばくに係る経済産業省原子力安全・保安院からの指示文書受領について
平成23年7月13日
東京電力株式会社
当社は、平成23年7月13日、経済産業省原子力安全・保安院より、「東京電力株
式会社福島第一原子力発電所の緊急作業における放射線業務従事者の線量限度を超
える被ばくに係る改善指示について(指示)」*の指示文書を受領いたしました。
この指示文書に基づき、緊急作業における放射線業務従事者の放射線管理を適切
に行う上での指示事項を遵守するとともに、その実施状況と、緊急時作業における
放射線業務従事者の線量限度を超える被ばくに係る原因の究明および再発防止対策
について内容を取りまとめ、平成23年8月12日までに同院へ報告いたします。
以 上
* 東京電力株式会社福島第一原子力発電所の緊急作業における放射線業務従事者
の線量限度を超える被ばくに係る改善指示について(指示)
(平成23・07・12原院第6号)
平成23年6月10日に貴社から実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則(昭
和53年通商産業省令第77号)第9条第2項に基づき、平成23年東北地方太平洋沖地
震の特にやむを得ない緊急の場合に係る実用発電用原子炉の設置、運転等に関する
規則の規定に基づく線量限度等を定める告示(平成23年経済産業省告示第40号)に
規定する緊急作業における放射線業務従事者の線量限度を超えて作業を行っていた
者がいた旨の報告を受けました。これを受けて、原子力安全・保安院(以下「当院」
という。)は、「東京電力株式会社福島第一原子力発電所の緊急時作業における放
射線業務従事者の線量限度を超える被ばくに係る原因の究明及び再発防止対策の策
定について(指示)」(平成23年6月10日付け平成23・06・10原院第1号)を指示
しました。
これに対して、平成23年6月17日付け原管発官23第153号をもって貴社から「福
島第一原子力発電所における緊急時作業に従事した放射線業務従事者の線量限度を
超える被ばくに係る原因究明及び再発防止対策の策定について」の報告があり、当
院は、当該報告について評価を行いました。
評価の結果、緊急作業における放射線業務従事者の放射線管理を適切に行う上で、
改善すべき事項が見いだされたので、貴社福島第一原子力発電所において、保安措
置を適切に実施し、保安規定を遵守させるため、当院は、貴社に対し、下記の対策
を講じ、平成23年8月12日までに改善状況を当院に報告することを求めます。
なお、当該報告で原因の究明を行った2名に加えて、その他の線量限度を超えた
者に対しても、線量限度を超える被ばくに係る原因の究明及び再発防止対策の策定
を行い、併せて当院に報告することを求めます。
記
1.線量限度を遵守するため、被ばく管理を行う者を十分に増強し、貴社福島第一
原子力発電所において作業に当たる貴社社員の実効線量の測定及び協力企業社員
の実効線量の入手を迅速に行い、被ばく線量を的確に把握できる管理体制を構築
すること。
2.放射性物質濃度が高い区域において作業を行う際は、事前にこれまでの内部被
ばく線量を推定して作業内容を決定し、作業時に受けた線量については、ホール
ボディカウンター等により確認する手順の確立を行うこと。
3.放射性物質濃度が高い区域においても内部被ばくの原因となるような汚染評価
が適切にできるよう、スクリーニングの評価手順を定め、実施すること。
4.線量管理については、内部被ばく線量(暫定評価)と外部被ばく線量を速やか
に合計値として管理できるよう管理体制の構築及び被ばく線量を測定する機材の
確保を行うとともに、最終的な内部被ばく線量の確定については、過小又は過大
評価することなく、専門の医療機関等の協力を得つつ、適切に評価を行うこと。
5.放射性物質濃度の上昇等の不測の事態に適切に対応するための資機材(放射性
ヨウ素対策チャコールフィルタ付き全面マスク、安定ヨウ素剤、高線量対応防護
服等)について速やかな使用指示がなされるよう手順書を作成し、教育、訓練等
を行うこと。
6.放射性ヨウ素対策チャコールフィルタ付き全面マスクについては、作業員の装
着性及び作業性を十分考慮する検討を行い、速やかに導入すること。
7.現在、飲食が可能な区域及び今後、管理区域の設定基準を下回る区域において
も、放射性物質濃度の再上昇等の不測の事態が生じるなど、内部被ばくが生じる
おそれがあるときには、飲食を禁じること。
8.「福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所の放射線管理に対する評価
結果について(指示)」(平成23年5月25日付け平成23・05・25原院第1号)に
おいて、貴社に対して指示を行った内容を徹底すること。
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