当社福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所における津波の調査結果に係る報告書の経済産業省原子力安全・保安院への提出について
平成23年7月8日
東京電力株式会社
平成23年3月11日午後2時46分頃に発生した東北地方太平洋沖地震により、当社
福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所に到達した津波の調査結果として、
それぞれの浸水高や浸水域等についてお示しするとともに、福島第一原子力発電所
への津波の影響は、福島第二原子力発電所のものに比べ、大きかったことについて
経済産業省原子力安全・保安院にご報告しております。
(平成23年4月9日お知らせ済み)
また本報告に対し、同院より、福島第一原子力発電所および福島第二原子力発電
所における津波の詳細な分析および評価を求める旨の指示文書*を受領しておりま
した。
(平成23年4月13日お知らせ済み)
その後、当社は、この指示文書に基づき、福島第一原子力発電所および福島第二
原子力発電所に到達した津波について、敷地内外における津波調査、津波の特徴お
よび発電所への浸水による影響の分析等を実施いたしました。
両発電所の検潮所設置位置における津波の高さは、津波の調査結果および数値シ
ミュレーション結果から、福島第一原子力発電所が約13m、福島第二原子力発電所
が約9mと推定いたしました。
この差異の要因については、宮城県沖および福島県沖に想定されるすべり量の大
きい領域からの津波のピークの重なり度合いが異なることによる影響と考えており
ます。
また、この津波による両発電所の原子炉建屋、タービン建屋等の主要建屋および
耐震安全上重要な設備への影響についてとりまとめました。
これらの内容について、本日、同院へ報告いたしましたのでお知らせいたします。
以 上
添付資料:
福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所における平成23年東北地方太平
洋沖地震により発生した津波の調査結果に係る報告(その2)【概要版】
(PDF 1.60MB)
*指示文書
「福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所における平成23年東北地方
太平洋沖地震により発生した津波の調査結果を踏まえた対応について(指示)」
平成23・04・11原院第1号
平成23年4月13日
本年4月9日、貴社から、福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所にお
いて平成23年東北地方太平洋沖地震(以下「今回の地震」という。)により発生し
た津波の調査結果に係る報告が提出されました。
当該報告によると、両発電所内における津波痕跡調査から、福島第一原子力発電
所においては、原子炉建屋、タービン建屋等の主要建屋が設置されている区域のほ
ぼ全域が浸水高14メートルから15メートル程度、福島第二原子力発電所においては、
敷地の東側では浸水高6.5メートルから7メートル程度、同南側では浸水高14メー
トルから15メートル程度であったと推定されています。
原子力安全・保安院(以下「当院」という。)としては、今回の津波に係る貴社
の上記調査結果を踏まえ、両発電所における津波の再現計算等により津波の詳細な
分析及び評価を行うことが必要と判断しました。
このため、当院は、貴社に対して下記の事項について分析及び評価を行い、平成
23年7月8日までに報告することを求めます。
なお、下記の事項を実施するために必要な調査・検討に際しては、放射線による
作業員への影響等について十分留意して実施される必要があります。
記
1.敷地内外の詳細な津波痕跡データ等の整理
今回の地震による津波の特徴及び両発電所への影響の分析を行うため、津波痕
跡データ等を可能な限り正確に記録及び整理すること。具体的な内容としては、
以下のとおりとする。
・津波高さ及び浸水域の推定精度の向上
・敷地前面の海底変動
・敷地の地盤変動(地盤沈下)
・漂流物の状況(大きさ、重量、移動量等)
・建屋、土木構造物等の被害状況(水の侵入を含む。)
2.津波の特徴及び両発電所への影響の分析
津波の再現計算を実施するとともに、その結果を踏まえ、今回の地震による津
波の特徴及び両発電所への影響を分析すること。具体的な内容としては、以下の
とおりとする。
・津波の到来方向並びに敷地内における浸水経路及び浸水過程に関する分析
・敷地を遡上した津波が施設に与えた影響(押し波及び引き波による影響並びに
漂流物による影響等)の分析
・原子炉建屋、タービン建屋等の主要建屋へ水が侵入した場合の経路及び耐震安
全上重要な設備への影響の分析
一覧へ