当社福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所における津波の調査結果を踏まえた指示文書の受領について
平成23年4月13日
東京電力株式会社
平成23年3月11日午後2時46分頃に発生した東北地方太平洋沖地震により、当社
福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所に到達した津波の調査結果の概要は
以下の通りです。
福島第一原子力発電所では、主要建屋設置エリアの海側面において、浸水高O.P.
約+14〜15m(浸水深 約4〜5m)の浸水がほぼ全域で生じているのに対し、福
島第二原子力発電所では、海側エリアにおいて、浸水高O.P.約+6.5〜7mの浸水
が生じましたが、主要建屋設置エリアにおいては、1、2号機の建屋周辺および3
号機の建屋南側のみ浸水しました。
以上から福島第一原子力発電所への津波の影響は、福島第二原子力発電所のもの
に比べ、大きかったことが確認されました。
今後、発電所敷地内および敷地周辺の浸水高等について詳細を把握するとともに、
建屋への海水の浸入、設備への影響について詳細に調査する予定です。
(平成23年4月9日お知らせ済み)
本調査結果については、平成23年4月9日、経済産業省原子力安全・保安院へ報
告しておりましたが、本日、同院より、福島第一原子力発電所および福島第二原子
力発電所における津波の詳細な分析および評価を求める旨の指示文書*を受領いた
しました。
当社といたしましては、この指示文書に基づき、福島第一原子力発電所および福
島第二原子力発電所における敷地内外の詳細な津波痕跡データ等の整理ならびに津
波の特徴と両発電所への影響の分析を行い、同院へ報告いたします。
以 上
* 指示文書
「福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所における平成23年東北地方
太平洋沖地震により発生した津波の調査結果を踏まえた対応について(指示)」
平成23・04・11原院第1号
平成23年4月13日
本年4月9日、貴社から、福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所にお
いて平成23年東北地方太平洋沖地震(以下「今回の地震」という。)により発生し
た津波の調査結果に係る報告が提出されました。
当該報告によると、両発電所内における津波痕跡調査から、福島第一原子力発電
所においては、原子炉建屋、タービン建屋等の主要建屋が設置されている区域のほ
ぼ全域が浸水高14メートルから15メートル程度、福島第二原子力発電所においては、
敷地の東側では浸水高6.5メートルから7メートル程度、同南側では浸水高14メー
トルから15メートル程度であったと推定されています。
原子力安全・保安院(以下「当院」という。)としては、今回の津波に係る貴社
の上記調査結果を踏まえ、両発電所における津波の再現計算等により津波の詳細な
分析及び評価を行うことが必要と判断しました。
このため、当院は、貴社に対して下記の事項について分析及び評価を行い、平成
23年7月8日までに報告することを求めます。
なお、下記の事項を実施するために必要な調査・検討に際しては、放射線による
作業員への影響等について十分留意して実施される必要があります。
記
1.敷地内外の詳細な津波痕跡データ等の整理
今回の地震による津波の特徴及び両発電所への影響の分析を行うため、津波痕
跡データ等を可能な限り正確に記録及び整理すること。具体的な内容としては、
以下のとおりとする。
・津波高さ及び浸水域の推定精度の向上
・敷地前面の海底変動
・敷地の地盤変動(地盤沈下)
・漂流物の状況(大きさ、重量、移動量等)
・建屋、土木構造物等の被害状況(水の侵入を含む。)
2.津波の特徴及び両発電所への影響の分析
津波の再現計算を実施するとともに、その結果を踏まえ、今回の地震による津
波の特徴及び両発電所への影響を分析すること。具体的な内容としては、以下の
とおりとする。
・津波の到来方向並びに敷地内における浸水経路及び浸水過程に関する分析
・敷地を遡上した津波が施設に与えた影響(押し波及び引き波による影響並びに
漂流物による影響等)の分析
・原子炉建屋、タービン建屋等の主要建屋へ水が侵入した場合の経路及び耐震安
全上重要な設備への影響の分析
【用語の解説】
・浸水高
建物や設備に残された変色部や漂着物等の痕跡の、基準面からの高さ
(下図参照)
・浸水深
建物や設備に残された変色部や漂着物等の痕跡の、地表面からの高さ
(下図参照)
・浸水域
津波によって浸水した範囲(下図参照)
・O.P.(小名浜港工事基準面)
T.P.(東京湾平均海面)の下方0.727mにある基準面
|
図 用語の定義
一覧へ