プレスリリース 2011年

福島第一原子力発電所2号機 原子炉建屋内の作業環境改善に関する報告徴収の受領について

                             平成23年6月8日
                             東京電力株式会社

 当社は、福島第一原子力発電所において原子炉および使用済燃料プールの安定的
冷却状態を確立し、放射性物質の放出を抑制することに向け全力で取り組んでいる
ところですが、2号機では、使用済燃料プール循環冷却システムを稼働させ使用済
み燃料プールを冷却することにより、燃料プールからの蒸気発生を大幅に削減し、
建屋内から放出される放射性物質の濃度を低減しております。
 また、2号機の原子炉については、各種パラメーターの変動状況を見極めながら
注水量を調整するなど、原子炉の安定化を目指し取り組んでいるところですが、今
後、こうした取り組みを確実なものとするため、原子炉水位計の取り付けや校正の
ほか、原子炉をさらに安定的な冷却状態とする循環型冷却システムや原子炉格納容
器への窒素封入用配管を設置する必要があり、このような諸作業にあたっては、原
子炉建屋内に作業員が入域できるよう作業環境を改善していく必要があります。
 これまでに、その準備として、2号機原子炉建屋内の放射線量、放射性物質濃度、
湿度等の測定を行っており、6月4日の採取データによる評価結果では、建屋内の
放射性物質の濃度が総濃度1.6×10-1ベクレル/cm3、湿度が99.9%となっており
ます。
 放射性物質の濃度としては、先行して実施した1号機原子炉建屋内の環境改善に
おいて、局所排風機による環境改善の目標としていた水準(4.8ベクレル/cm3の20
分の1程度)と同程度ではありますが、2号機においてもフィルタ付き局所排風機
を設置して数日間建屋内の空気を循環させ、一層の濃度低減を試みることといたし
ます。
 その後、作業員が建屋内に入域し、必要な工事を行うため、原子炉建屋の二重扉
を開放しますが、開放にあたっては、建屋内の放射性物質濃度を測定し、外部への
影響が十分に低いことを確認した上で着手いたします。
 なお、建屋内の湿度については、二重扉を開放した際に建屋が換気されることに
より、改善が図れるものと評価しております。
 今後、実際に原子炉建屋の二重扉を開放する際には、事前にお知らせするととも
に、モニタリングポストの値を慎重に監視し、その指示値も公表してまいります。
                     (平成23年6月8日お知らせ済み)

 本件について、本日、経済産業大臣より、福島第一原子力発電所の作業環境改善
に関して、その作業内容、外部への放射性物質による影響評価および工事等におけ
る作業員の被ばく管理方法についての報告徴収の指示*を受けました。

                                  以 上

* 福島第一原子力発電所第2号機原子炉建屋内の作業環境改善に係る報告の徴収
 について
                         (平成23・06・06原第3号)

 当省は、貴社が実施する核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律
(昭和32年法律第166号)第64条第1項の応急の措置の妥当性を検証するため、同
法第67条第1項の規定に基づき、貴社に対し、下記の事項について平成23年6月15
日までに報告するよう命じる。
 この処分について不服がある場合には、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)
第6条の規定に基づき、この処分があったことを知った日の翌日から起算して60日
以内に、書面により経済産業大臣に対して異議申立てをすることができる。ただし、
処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内であっても、処分の日の
翌日から起算して1年を経過すると、処分の異議申立てをすることができなくなる。
 この処分の取消しの訴えは、行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)の規定に
より、上記の異議申立てに対する決定を経た後に、当該異議申立てに対する決定が
あったことを知った日の翌日から起算して6か月以内に、国(代表者法務大臣)を
被告として提起することができる。ただし、当該異議申立てに対する決定があった
ことを知った日の翌日から起算して6か月以内であっても、当該異議申立てに対す
る決定の日の翌日から起算して1年を経過したときは、処分の取消しの訴えを提起
することができなくなる。
 なお、次の(1)から(3)までのいずれかに該当するときは、当該異議申立て
に対する決定を経ないで、この処分の取消しの訴えを提起することができる。(1)
異議申立てがあった日の翌日から起算して3か月を経過しても決定がないとき。
(2)処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる著しい損害を避けるため緊急
の必要があるとき。(3)その他決定を経ないことにつき正当な理由があるとき。

                 記

 福島第一原子力発電所第2号機原子炉建屋内の作業環境改善に係る次に掲げる事
項

1.福島第一原子力発電所第2号機原子炉建屋の換気に係る作業内容、作業計画及
  びその必要性について、代替手段の有無を踏まえた評価結果

2.福島第一原子力発電所第2号機原子炉建屋の換気に係る作業に伴う放射性物質
  の放出量及び拡散予測を含む同発電所の周辺環境への環境評価結果

3.2.の作業を実施した場合の放射性物質放出に伴う同発電所の周辺環境への影
  響を適切に評価するためのモニタリング方法

4.福島第一原子力発電所第2号機原子炉建屋の換気後に実施される工事等におけ
  る作業員の被ばく管理方法

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