プレスリリース 2011年

福島第一原子力発電所1号機 原子炉建屋内の作業環境改善と二重扉の開放について

                            平成23年5月8日
                            東京電力株式会社

 当社福島第一原子力発電所1号機の原子炉建屋では、原子炉水位計の取り付け
や校正のほか、原子炉をさらに安定的な冷却状態とする循環型冷却システムを設
置するため、建屋内に作業員が入域できるよう作業環境を改善していく必要があ
ります。
 このため、フィルタ付き局所排風機を設置して、数日間建屋内の空気を循環
させ、フィルタにより放射性物質を取り除き、建屋内の放射性物質の濃度を低減
します。その後、作業員が建屋内に入域し、必要な工事を行うため、原子炉建屋
の二重扉を開放しますが、開放にあたっては、建屋内の放射性物質の濃度を測定
し、外部への影響が十分低いことを確認した上で着手いたします。
 今後、実際に原子炉建屋の二重扉を開放する際には、事前にお知らせするとと
もに、モニタリングポストの値を慎重に監視し、その指示値も公表してまいりま
す。
 本件について、5月2日、経済産業大臣より、福島第一原子力発電所の作業環
境改善に関して、その作業内容、外部への放射性物質による影響評価についての
報告徴収の指示を受け、5月3日、この指示に基づきその内容をとりまとめ、経
済産業大臣に報告いたしました。
                 (平成23年5月1日4日お知らせ済み)

 その後、局所排風機およびダクトの設置作業を5月5日までに終了するととも
に、同日よりフィルタ付き局所排風機を運転し、原子炉建屋内の空気を循環させ
て、放射性物質を取り除くことにより、原子炉建屋内の放射性物質の濃度を低減
せる作業を行いました。

 その結果、4月26日の採取データにより総濃度4.8ベクレル/cmと評価した原
子炉建屋内の放射性物質の濃度は、5月7日午後3時15分の採取データによる評
価の結果では、総濃度1.97×10-2ベクレル/cmとなっており、十分な低減が確
認されたことから、本日午後8時頃より原子炉建屋の二重扉の開放(建屋内の雰
囲気に急激な影響を与えないよう、二重扉に設置している局所排風機のダクトの
取り外し)をし、明日午前4時頃より、局所排風機の設置に使用したシートなど
を撤去した後に、作業員が原子炉建屋内に立ち入り、今後の工事のための線量測
定等の作業を開始することといたしました。

 発電所の敷地境界には空気中の放射線を監視するモニタリングポストを設置し
ておりますが、今回の二重扉の開放によるモニタリングポストの指示値(至近の
水準は、数十マイクロシーベルト/時程度)への影響を評価した結果、指示値が
変動しないレベルであることを確認しております。

                                 以 上

・別紙:1号機原子炉建屋 局所排風機運転後の影響評価(PDF 14.1KB)
・添付:1号機原子炉建屋換気時の影響評価結果(PDF 18.6KB)

*フィルタ付き局所排風機
 作業エリアなどの空気をファンを用いて取り込み、フィルタを通して空気中に
含まれる不純物を除去することにより空気を浄化する装置。



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