プレスリリース 2011年

当社福島第一原子力発電所の1号機における燃料域上部まで原子炉格納容器を水で満たす措置の実施に関する指示文書の受領について

                             平成23年5月5日
                             東京電力株式会社

 当社は、平成23年4月30日、経済産業省原子力安全・保安院より、福島第一原子
力発電所第1号機における燃料域上部まで原子炉格納容器を水で満たす措置の実施
に係る報告の徴収に関する指示文書*1を受領したことから、福島第一原子力発電
所1号機における燃料域上部まで原子炉格納容器を水で満たす措置の実施に関して、
原子炉の安定的な冷却への効果があること、および安全性の評価について問題ない
旨を取りまとめ、平成23年5月5日、同院へ報告いたしました。
                (平成23年4月30日5月5日お知らせ済み)

 平成23年5月5日、同院より、当社福島第一原子力発電所の1号機における燃料
域上部まで原子炉格納容器を水で満たす措置の実施に関する指示文書*2を受領し
ましたので、お知らせいたします。

 当社といたしましては、福島第一原子力発電所1号機における燃料域上部まで原
子炉格納容器を水で満たす措置の実施において、同院から出されました実施に当た
っての指示事項を遵守し、安全性を十分に確保した上で確実に実施してまいります。

                                  以 上

*1 報告の徴収に関する指示文書
  福島第一原子力発電所第1号機における燃料域上部まで原子炉格納容器を水で
  満たす措置の実施に係る報告の徴収について
                        (平成23・04・30原第1号)

  当省は、貴社が実施する応急の措置の妥当性を検証するため、核原料物質、核
 燃料物質及び原子炉の規則に関する法律(昭和32年法律第166号)第67条第1項
 の規定に基づき、貴社に対し、下記の事項について速やかに報告するよう指示す
 る。
  この処分について不服がある場合には、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)
 第6条の規定に基づき、この処分があったことを知った日の翌日から起算して60
 日以内に、書面により経済産業大臣に対して異議申立てをすることができる。た
 だし、処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内であっても、処
 分の日の翌日から起算して1年を経過すると、処分の異議申立てをすることがで
 きなくなる。
  この処分の取消しの訴えは、行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)の規定
 により、上記の異議申立てに対する決定を経た後に、当該異議申立てに対する決
 定があったことを知った日の翌日から起算して6か月以内に、国(代表者法務大
 臣)を被告として提起することができる。ただし、当該異議申立てに対する決定
 があったことを知った日の翌日から起算して6か月以内であっても、当該異議申
 立てに対する決定の日の翌日から起算して1年を経過したときは、処分の取消し
 の訴えを提起することができなくなる。
  なお、次の(1)から(3)までのいずれかに該当するときは、当該異議申立てに対す
 る決定を経ないで、この処分の取消しの訴えを提起することができる。(1)異議申
 立てがあった日の翌日から起算して3か月を経過しても決定がないとき。(2)処分、
 処分の執行又は手続の続行により生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があ
 るとき。(3)その他決定を経ないことにつき正当な理由があるとき。

                  記

  貴社福島第一原子力発電所第1号機における燃料域上部まで原子炉格納容器を
 水で満たす措置の実施に関して、それによる原子炉の安定的な冷却への効果及び
 次に掲げる安全性の評価について報告すること。

 (1)原子炉格納容器内の水位上昇に伴う原子炉建屋及び原子炉格納容器に対す
    る構造強度への影響及び耐震性
    ・原子炉格納容器内の水位上昇に伴う、原子炉建屋並びにドライウェル、
     サプレッションチェンバー等を始めとする原子炉格納容器の構造及び設
     備の構造強度への影響評価結果
    ・原子炉建屋並びに原子炉格納容器の構造及び設備が設計用地震力に十分
     耐えられるかに関する評価結果
 (2)水位上昇により原子炉格納容器内の圧力が高まることによる影響
    ・原子炉格納容器内の水位上昇に伴う、原子炉格納容器内の圧力の上昇の
     見通し
    ・上記見通しを踏まえた、原子炉格納容器内の圧力低減措置の必要性の検
     証結果
 (3)タービン建屋漏えい水の増加による影響
    ・1号機タービン建屋から漏えいしている又は今後漏えいする可能性があ
     る水量の見通し及びその外部への漏えいの可能性
 (4)その他燃料域上部まで原子炉格納容器を水で満たす措置の実施に係る安全
    性の評価に当たって必要な事項

*2 実施に関する指示文書
  福島第一原子力発電所第1号機における燃料域上部まで原子炉格納容器を水で
  満たす措置の実施について(指示)
                       (平成23・05・05原院第1号)

 平成23年4月30日付け平成23・04・30原第1号をもって、貴社に対して、核原料
物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)第67条
第1項の規定により、福島第一原子力発電所第1号機における燃料域上部まで原子
炉格納容器を水で満たす措置の実施に係る報告を求めたところです。
 本日、貴社より同措置の実施について報告があり、その内容を確認した結果、原
子力安全・保安院としては、その内容は、危険時の措置としてやむを得ない妥当な
ものであると評価しました。
 同措置の実施に当たっては、安全性を十分に確保する必要があることから、貴社
に対して、下記の事項の確実な実施を求めることとします。

                  記

1.原子炉格納容器内の水位及び原子炉格納容器からの水の漏えいについて、十分
 な監視を行うとともに、注入量の抑制等あらかじめ定めている対応策を適切に実
 施すること。

2.評価基準値に対する余裕の少ないサプレッションチェンバーの支柱について、
 今後も余震の発生が継続すると想定されることから、作業環境の改善を図った上
 で耐震補強を行うことについて検討すること。

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