当社福島第一原子力発電所における核種分析結果の厳重注意に対する対応について(続報1)
平成23年4月20日
東京電力株式会社
当社は、福島第一原子力発電所における核種分析結果について、平成23年4月1
日、原子力安全・保安院より厳重注意を受け、4月4日、再発防止に係る方針等を
とりまとめて報告いたしました。
これを受けて、3月30日までに採取したタービン建屋内の溜まり水、トレンチ内
の水、タービン建屋付近のサブドレン水(地下水)、および集中環境施設プロセス
主建屋で確認された溜まり水に関する核種分析結果について、再発防止に係る方針
に基づき確認作業を行いましたので、とりまとめた再評価結果をお知らせします。
再発防止に係る方針に基づく具体的な対策は以下の通りであり、この対策に基づ
き、このたび、再評価を実施しました。
<再発防止対策>
1.専門家のご意見を踏まえた核種分析結果の評価の実施
このたびの核種同定の考え方については、第三者機関の専門家にご確認を
いただき、専門家のご意見等を反映したもので評価を実施しました。
2.クロスチェック方法の検討
分析機器の核種ライブラリが妥当であることをメーカの専門家にご確認い
ただきました。更に、第三者機関の専門家が核種分析の評価に用いているプ
ログラムの考え方が適切であることをご確認いただきました。
3.他の電力会社等の応援体制による更なる確認精度の向上
他の電力会社ならびに第三者機関にデータ確認および妥当性確認のための
応援を要請し、核種分析結果の確認精度の向上を図りました。
4.速報版と確報版の作成
正確性と迅速性の両立を図るべく、本評価による核種分析結果の公表を速
報版(主要核種3核種の放射能濃度の確定、核種分析結果としては参考値と
して公表)と確報版(主要核種およびその他核種の放射能濃度の確定、公表)
の2段階としました。
今後、これまでに採取した発電所敷地内の大気、発電所付近の海水の核種分析結
果についても、以上の再発防止対策に基づき再評価を行い、結果をとりまとめてお
示しすることとしております。
以 上
<参 考>
当社福島第一原子力発電所において、放射性物質の放出経路ならびに放出量の調
査の一環として、発電所敷地内の大気や発電所付近の海水、タービン建屋内の溜ま
り水等の核種分析を実施し、その結果をお知らせしているところですが、3月30日
に採取したトレンチの溜まり水およびタービン建屋付近の地下水の核種分析につい
て、テルル-129(半減期:約70分)の評価結果に疑義があることが判明いたしまし
た。
本件を受け、当社は原子力安全・保安院より口頭にて厳重注意を受けました。
当社は、今回の原子力安全・保安院からの厳重注意を真摯に受け止め、核種分析
の評価を適切に実施すべく、再発防止に係る方針等を取りまとめて報告しておりま
す。
核種分析の評価結果に誤りが発生した原因、再発防止に係る方針については、以
下の通りです。
(原因)
・ヨウ素-134とコバルト-56のメインピークが検出されていないのにもかかわら
ず、サブピークにてそれぞれの核種が検出されたものと判断しました。
・ゲルマニウム半導体付核種分析装置の評価条件において、テルル-129mとテル
ル-129が親娘核種であるとした情報(ライブラリー)が登録されておらず、親
核種からの生成を考慮した計算ができておりませんでした。
(再発防止に係る方針)
○第三者の専門家のご意見を伺いながら、解析作業等を実施
・メーカなどの専門家を交えて、現状の解析方法(分析機器の特徴を踏まえた
検出精度等)について、確認を行います。
○他の電力会社等の応援体制の更なる整備
・データの確認を確実に実施していくにあたっては、現在実施している他の電
力会社等の応援体制について更なる整備を検討してまいります。
これまでに採取した発電所敷地内の大気、発電所付近の海水、タービン建屋内の
溜まり水、トレンチ内の水、タービン建屋付近の地下水に関する核種分析結果につ
いては、この方針に基づき確認作業を行うこととしており、準備が整い次第、精査
結果をお示しすることとしております。
(平成23年4月4日お知らせ済み)
添付資料
・タービン建屋地下階の溜まり水の核種分析結果(PDF 60.7KB)
・トレンチ内溜まり水の核種分析結果(PDF 55.0KB)
・サブドレン水の核種分析結果(PDF 53.2KB)
・集中環境施設プロセス主建屋水の核種分析結果(PDF 41.1KB)
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