東北地方太平洋沖地震による影響などについて
【午前9時現在】
平成23年4月10日 東京電力株式会社 平成23年3月11日に発生いたしました三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震 により、当社の原子力発電所をはじめとした設備等が大きな被害を受けるなかで、 立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけし ておりますことに対し、心よりお詫び申しあげます。 当社設備への主な影響を以下の通りお知らせいたします。 ※下線部が新規事項 【原子力発電所】 ・福島第一原子力発電所 1〜3号機 地震により停止中 (4〜6号機は定期検査中) ※福島第一原子力発電所の半径20km圏内の住民の方の避難指示および、半径20 km以上、半径30km圏内の住民の方は屋内退避指示有り。 ※3月22日までに1〜6号機の外部電源を復旧。 ※1号機 ・3月12日午後3時36分頃、直下型の大きな揺れが発生し、1号機付近で大きな 音があり、白煙が発生。 ・同日午後8時20分に海水の注水を開始し、その後、中性子を吸収するホウ酸の 注入も実施。 ・3月23日午前2時30分頃、給水系から原子炉への海水注入を開始。その後、3 月25日午後3時37分より淡水注入を開始(海水からの切り替えを実施)。3月 29日午前8時32分、消防ポンプから仮設電動ポンプによる淡水注入に切り替え を実施。仮設電動ポンプの電源を仮設電源から外部電源の受電に切り替えるた め、4月3日午前10時42分から午前11時52分、一時的に消防ポンプによる注入 を実施。その後、仮設電動ポンプへ切り替えを実施し、淡水注入を実施中。 ・3月24日午前10時50分頃、原子炉建屋屋根部から白いもや状の湯気がでている ことを確認。 ・3月24日午前11時30分頃、中央制御室の照明が点灯。 ・3月24日午後5時頃からタービン建屋地下から復水器への排水を開始し、3月 29日午前7時30分頃、復水器が満水に近いことを確認したため排水を停止。復 水器に溜まった水を復水貯蔵タンクへ移送するため、3月31日午後0時頃より 4月2日午後3時26分まで、同タンクからサプレッションプール水サージタン クへ水を移送。 ・3月31日午後1時3分より、コンクリートポンプ車による放水を開始。同日午 後4時4分終了。 ・使用済燃料プールへのコンクリートポンプ車での放水位置を確認するため、4 月2日午後5時16分より同19分まで放水を実施。 ・4月2日、タービン建屋の一部の照明が点灯。 ・4月3日午後1時55分より、復水器から復水貯蔵タンクへの水の移送を開始。 ・原子炉格納容器内に水素ガスが蓄積している可能性があることから、酸素濃度 の上昇を防止する観点より、4月6日午後10時30分より、格納容器内への窒素 ガスの注入に関わる弁操作を開始。その後、4月7日午前1時31分より、格納 容器内への窒素ガスの注入を開始。 ※2号機 ・3月14日、原子炉隔離時冷却系が停止したことから、午後1時25分に、原子力 災害対策特別措置法第15条第1項の規定に基づく特定事象(原子炉冷却機能喪 失)が発生したと判断。 その後、同日午後5時17分に原子炉水位が燃料頂部まで到達したが、弁の操作 を行うことにより海水の注入を再開。 ・3月15日午前6時14分頃、2号機の圧力抑制室付近で異音が発生するとともに、 同室内の圧力が低下したことから、同室で何らかの異常が発生した可能性があ ると判断。原子炉への海水の注入を全力で取り組むが同作業に関わりのない協 力企業作業員および当社社員を一時的に安全な場所へ移動開始。 引き続き原子炉への海水注入を実施。 ・3月18日、外部送電線から予備電源変電設備までの受電を完了。また、当該設 備から建屋側へのケーブルの敷設を完了後、3月20日午後3時46分、負荷側の 電源盤での受電を開始。 ・3月20日午後3時5分頃から午後5時20分頃に、約40トンの海水を使用済燃料 プールへ注水(当社実施)。 ・3月21日午後6時20分頃、原子炉建屋屋根部から白いもや状の煙が出ているこ とを確認。3月22日午前7時11分の時点で、ほとんど見えない状態まで減少。 ・3月22日午後4時頃から午後5時頃までに、約18トンの海水を使用済燃料プー ルへ注水(当社実施)。 ・3月26日午前10時10分より淡水(ホウ酸入り)注入を開始(海水からの切り替 えを実施)。3月27日午後6時31分、消防ポンプから仮設電動ポンプによる淡 水注入に切り替えを実施。仮設電動ポンプの電源を仮設電源から外部電源の受 電に切り替えるため、4月3日午前10時22分から午後0時6分、一時的に消防 ポンプによる注入を実施。その後、仮設電動ポンプへ切り替えを実施し、淡水 注入を実施中。 ・3月25日午前10時30分から、使用済燃料プールに燃料プール冷却材浄化系を用 いた海水の注入を開始。同日午後0時19分終了。3月29日午後4時30分より、 使用済燃料プールに燃料プール冷却材浄化系を用いた淡水の注入を開始(これ までは海水による注入であったが、今回より淡水による注入に切り替え)。同 日午後6時25分終了。3月30日午前9時25分、仮設電動ポンプによる淡水注入 を開始したものの、当該ポンプが不調であるため、消防ポンプへ切り替え。そ の後、ホースの一部に亀裂を確認したため、同日午後1時10分に注水中断。同 日午後7時5分に注水を再開し、午後11時50分に終了。 ・3月26日午後4時46分頃、中央制御室の照明が点灯。 ・タービン建屋地下の水を復水器に排水するため、3月29日午後4時45分頃より、 復水器から復水貯蔵タンクへの移送の準備として、同タンクの水をサプレッシ ョンプール水サージタンクへ移送。4月1日、午前11時50分終了。 ・4月1日午後2時56分、仮設の電動ポンプにより2号機の使用済燃料プールへ の水の注入を開始。同日午後5時5分終了。 ・4月2日午後5時10分より、復水器から復水貯蔵タンクへの水の移送を開始。 4月9日午後1時10分終了。 ・4月2日、タービン建屋の一部の照明が点灯。 ・4月4日午前11時5分、仮設の電動ポンプにより2号機の使用済燃料プールへ の水の注入を開始。同日午後1時37分終了。 ・4月7日午後1時29分、仮設の電動ポンプにより2号機の使用済燃料プールへ の水の注入を開始。同日午後2時34分終了。 ※3号機 ・原子炉への注水を継続中。(3月13日にホウ酸注入済み)3月14日午前6時50分、原子炉格納容器の圧力が530キロパスカルまで上昇したことから、同日午前7時44分、原子力災害対策特別措置法第15条第1項の規定に基づく特定事象(格納容器圧力異常)が発生したと判断。その後、格納容器圧力は、緩やかに低下(同日午前9時5分現在、490キロパスカル)。*3号機について「3月14日に原子炉格納容器圧力上昇により、原子力災害対 策特別措置法第15条第1項の規定に基づく特定事象(格納容器圧力異常)が 発生したと判断」と記載しておりましたが、圧力の計算が間違っており、上 記特定事象に該当するものではなかったことから、当該記載を削除いたしま す。 ・3月14日午前11時1分頃、3号機付近で大きな音があり、白煙が発生。これに より、当社社員4名、協力企業作業員等3名が負傷(いずれも意識あり)した が、救急車を要請し、すでに病院へ搬送。 ・使用済燃料プールの水温上昇に伴い、自衛隊へご協力を要請し、3月16日にヘ リコプターによる原子炉建屋上部への放水を実施する検討をしていたが、同日 中の作業を中止。 ・3月17日午前6時15分より、圧力抑制室の圧力の指示値が、一時的に上昇して いることから、安全に万全を期すため、3月20日、原子炉格納容器内の圧力を 降下させる措置(放射性物質を含む空気の一部外部への放出)を行う準備を進 めていたが、現時点で直ちに放出を必要とする状況ではないため、圧力の状態 などを継続監視中。 ・3月17日、使用済燃料プールの冷却のため、自衛隊へご協力を要請し、ヘリコ プターによる放水を実施。 ・3月17日午後7時過ぎ頃、警察や自衛隊にご協力を要請し、放水車による放水 を開始。午後8時9分、放水終了。 ・3月18日午後2時前、自衛隊、アメリカ軍にご協力いただき、消防車による放 水を開始し、午後2時45分に終了。 ・3月19日午前0時30頃、消防にご協力いただき、ハイパーレスキューによる放 水を開始し、午前1時10分頃に終了。また、同日午後2時10分頃、ハイパーレ スキューによる放水を開始し、3月20日午前3時40分頃に終了。 ・3月20日午後9時30分頃、消防にご協力いただき、ハイパーレスキューによる 放水を開始し、3月21日午前3時58分頃に終了。 ・3月21日午後3時55分頃、原子炉建屋屋上南東側からやや灰色がかった煙が発 生し、午後4時21分頃、消防へ情報提供済み。原子炉圧力容器、原子炉格納容 器のパラメータ、周辺環境モニタリング値に大きな変動はみられないが、念の ため付近にいる作業員を屋内へ退避。3月22日、煙は白みがかった煙に変化し、 終息に向かっている。 ・3月22日午後3時10分頃、消防にご協力いただき、ハイパーレスキューによる 放水を開始し、同日午後4時頃に終了。 ・3月22日午後10時45分頃、3号機中央操作室の照明が復旧。 ・3月23日午前11時頃から、使用済燃料プールに海水の注入を開始し、午後1時 20分頃に終了。 ・3月23日午後4時20分頃、原子炉建屋から黒色がかった煙が発生していること を、当社社員が確認。午後4時25分頃、消防へ情報提供済み。原子炉圧力容器、 原子炉格納容器のパラメータ、周辺環境モニタリング値に大きな変動はみられ ないが、念のため付近にいる作業員を屋内へ退避。その後同日午後11時30分頃 および24日午前4時50分頃に、当社社員が煙の発生が止まっていることを確認。 作業員の待避も解除。 ・3月24日午前5時35分頃から、使用済燃料プールに燃料プール冷却材浄化系を 用いた海水の注入を開始。同日午後4時5分頃終了。 ・3月25日午後1時28分から、消防にご協力いただき、ハイパーレスキューによ る放水を開始。同日午後4時に終了。 ・3月25日午後6時2分より原子炉への淡水注入を開始(海水からの切り替えを 実施)。3月28日午後8時30分、消防ポンプから仮設電動ポンプによる淡水注 入に切り替えを実施。仮設電動ポンプの電源を仮設電源から外部電源の受電に 切り替えるため、4月3日午前10時3分から午後0時16分、一時的に消防ポン プによる注入を実施。その後、仮設電動ポンプへ切り替えを実施し、淡水注入 を実施中。 ・3月27日午後0時34分頃より、コンクリートポンプ車による放水を開始。同日 午後2時36分頃に放水終了。 ・3月29日午後2時17分頃より、コンクリートポンプ車による淡水の放水を開始 (これまでは海水による放水であったが、今回より淡水による放水に切り替え)。 同日午後6時18分に放水終了。 ・タービン建屋地下の水を復水器に排水するため、3月28日午後5時40分頃より、 復水器から復水貯蔵タンクへの移送の準備として、同タンクの水をサプレッシ ョンプール水サージタンクへ移送し、3月31日午前8時40分頃終了。 ・3月31日午後4時30分より、コンクリートポンプ車による放水を開始。同日午 後7時33分に放水終了。 ・4月2日午前9時52分からコンクリートポンプ車による放水を開始。同日午後 0時54分に放水完了。 ・4月2日、タービン建屋の一部の照明が点灯。 ・4月4日午後5時3分から、コンクリートポンプ車による放水を開始。同日午 後7時19分に放水終了。 ・4月7日午前6時53分から、コンクリートポンプ車による放水を開始。同日午 前8時53分に放水終了。 ・4月8日午後5時6分から、コンクリートポンプ車による放水開始。同日午後 8時に放水終了。 ※4号機 ・3月15日午前6時頃、発電所内で大きな音が発生し、その後、4号機原子炉建 屋5階屋根付近に損傷を確認。同日9時38分頃、原子炉建屋4階北西部付近に 出火を確認したものの、午前11時頃、当社社員が自然に火の消えていることを 確認。 ・3月16日午前5時45分頃、原子炉建屋北西部付近から炎が上がっていることを 確認。直ちに消防署、地元自治体へ通報するとともに、関係各所へ連絡し、消 火活動実施。同日午前6時15分頃、当社社員が、現場で火が見えないことを確 認。 ・3月20日午前8時21分頃、自衛隊にご協力いただき、消防車による放水を開始、 同日午前9時40分頃に終了。また、同日午後6時45分頃から、自衛隊の消防車 による放水を開始し、同日午後7時45分頃に終了。 ・3月21日午前6時30分頃、自衛隊、アメリカ軍にご協力いただき、消防車によ る放水を開始。同日午前8時40分頃に終了。 ・3月21日、仮設電源盤から建屋側へのケーブルの敷設完了。 ・3月22日午後5時20分頃、コンクリートポンプ車による放水を開始。同日午後 8時30分頃に終了。 ・3月23日午前10時頃から、コンクリートポンプ車による放水を開始。同日午後 1時頃終了。 ・3月24日午後2時35分頃から、コンクリートポンプ車による放水を開始。同日 午後5時30分頃終了。 ・3月25日午前6時5分から、使用済燃料プールに燃料プール冷却材浄化系を用 いた海水の注入を開始。同日午前10時20分終了。 ・3月25日午後7時5分から、コンクリートポンプ車による放水を開始。同日午 後10時7分終了。 ・3月27日午後4時55分から、コンクリートポンプ車による放水を開始。同日午 後7時25分終了。 ・3月29日午前11時50分、4号機中央制御室の照明が復旧。 ・3月30日午後2時4分、コンクリートポンプ車による4号機への放水を開始。 同日午後6時33分終了。 ・3月31日、タービン建屋の一部の照明が点灯。 ・4月1日午前8時28分からコンクリートポンプ車による放水開始。同日午後2 時14分終了。 ・4月3日午後5時14分からコンクリートポンプ車による放水開始。同日午後10 時16分終了。 ・4月5日午後5時35分からコンクリートポンプ車による放水開始。同日午後6 時22分終了。 ・4月7日午後6時23分からコンクリートポンプ車による放水開始。同日午後7 時40分終了。 ・4月9日午後5時7分からコンクリートポンプ車による放水開始。同日午後7 時24分終了。 ※5号機、6号機 ・3月19日午前5時、5号機の残留熱除去系ポンプ(C)を起動し、使用済燃料 プールの冷却を開始。また、同日午後10時14分、6号機の残留熱除去系ポンプ (B)を起動し、使用済燃料プールの冷却を開始。 ・5号機については、3月20日午後2時30分から原子炉冷温停止中。また、6号 機については、同日午後7時27分から原子炉冷温停止中。 ・5、6号機について、水素ガスの滞留防止を目的として、原子炉建屋屋根部の 各3箇所で穴あけを実施。 ・3月23日午後5時24分頃、5号機の仮設の残留熱除去海水系の仮設ポンプの電 源を切り替えた際、自動停止。その後3月24日午後4時14分に起動し、午後4 時35分に運転を開始。 ※3月18日、使用済燃料共用プールの使用済燃料の保管状況については、水位が 確保されていることを確認。3月21日午前10時37分から、当該プールへの注水 を開始し、同日午後3時30分頃に終了。燃料プール冷却ポンプを3月24日午後 6時5分に起動し、同プールの冷却を開始。 *使用済燃料共用プール 各号機の使用済燃料プールで一時貯蔵、管理してい た使用済燃料を、発電所内の独立した建屋に設置さ れる各号機共用のプールへ移送して貯蔵・管理する もの ※3月17日、乾式キャスク建屋のパトロールを実施し、外観目視点検の結果、乾 式キャスクに異常が無いことを確認。今後詳細に点検予定。 *乾式キャスク 使用済燃料を乾式の貯蔵キャスクにおさめて、キャスク保管 庫に貯蔵する方法。福島第一原子力発電所では1995年8月に 運用開始。 ※3月21日、23〜4月8日、発電所放水口付近の海水から放射性物質を検出。よ う素-131、セシウム-134、セシウム-137の3核種については確定値としてお知 らせし、その他の核種については、4月1日の原子力安全・保安院による厳重 注意を受けて策定した再発防止に係る方針に基づき、今後再評価を実施。 ※3月20日、21日、23〜4月8日に採取した発電所敷地内の空気中から放射性物 質を検出。よう素-131、セシウム-134、セシウム-137の3核種については確定 値としてお知らせし、その他の核種については、4月1日の原子力安全・保安 院による厳重注意を受けて策定した再発防止に係る方針に基づき、今後再評価 を実施。 ※3月21日、22日、25日、28日に採取した発電所敷地内の土壌からプルトニウム を検出。今回検出されたプルトニウムは、通常の環境土壌中の濃度レベルであ り、人体に問題となるものではない。念のため、発電所構内およびその周辺の 環境モニタリングを強化。 また、3月21日、22日、25日、28日に採取した発電所敷地内の土壌からヨウ素、 セシウム、テルル、バリウム、ニオブ、ルテニウム、モリブデン、テクネチウ ム、ランタン、ベリリウム、銀を検出。 ※1〜4号機タービン建屋内に溜まり水があり、放射性物質が含まれていること を確認。 今後、当該溜まり水を処理するため、その準備として水質分析を行う予定。水 質分析は福島第二原子力発電所で実施するとともに、他の原子力事業者(日本 原子力研究開発機構、日本原燃株式会社)にご協力いただく予定。 ※3月27日午後3時30分頃、1〜3号機タービン建屋外のトレンチの立坑に水が 溜まっていることを確認。水表面の線量については、1号機が0.4mSv/h、2号 機が1,000 mSv/h以上。なお、3号機の線量を確認できず。立坑内の水を引き 続き監視中。 3月29日、1号機のトレンチ内で確認された水についてサンプリングを実施し、 核種分析を行った結果、ニオブ、テクネチウム、ルテニウム、銀、テルル、ヨ ウ素、セシウム、ランタンを検出。3月30日、2、3号機のトレンチ内で確認 された水についてサンプリングを実施し、核種分析を実施。それらも含めた評 価結果について、現在確認中。 ※4月2日午前9時30分頃、2号機取水口付近の電源ケーブルを収納する立坑( コンクリート製)内に水が溜まっており、空間線量で1,000 mSv/hを超えている こと、その水が立坑側面の亀裂(約20cm)より海に流出していることを確認。 2号機のトレンチと当該立坑につながるトレンチには接続箇所があり、2号機 タービン建屋の溜まり水が、当該接続箇所を経由し、立坑亀裂部分から海へ流 出した可能性を考え、生コンクリートを立坑に二回にわたり注入したが、海へ の水漏れの量に変化なし。新しい止水方法について検討し、高分子ポリマー等 を活用した止水作業を開始。4月4日、立坑からトレーサーを投入し、水の流 れの調査を実施したが、流出量の減少、流出水の色の変化は確認されず。図面 のチェック、ルートの確認を行うと共に、現場の状況を詳細に確認し、当該当 該ピットからの漏えいではなく、ピット上流の管路とダクトのつなぎ目等から 管路の下にある砕石層(砂利の層)に高濃度の水が漏出し、それらを伝って海 へ放出されている可能性についても検討。砕石層からの水の漏えいへの対策と して、管路周辺の地盤自体に止水対策を行うこととし、止水の専門家の手配を 行うと共に、必要な資機材の調達を進め、4月5日、水ガラス系の薬液注入を 実施。立坑周辺に2カ所の穴を開けてトレーサーを投入したところ、4月5日 午後2時15分、トレーサーが立坑周辺の隙間を通じて海へ流出していることを 確認。このため、4月5日午後3時7分より立坑周辺の穴から凝固剤の注入を 開始し、4月6日午前5時38分頃、ピット側面のコンクリート部分からの流出 が止まったことを確認。また、2号機タービン建屋の水位については、上昇し ていないことを確認。同日、流出箇所に対して、ゴム板と治具による止水対策 を実施し、引き続き漏えいの有無を監視中。 一方、4月5日午後3時より、発電所南側の専用港内からの汚染水の流出を防 ぐため、防波堤周辺で大型土のうの積み込みによる止水工事を開始。また、海 域への流出低減対策として、漏出防止フェンスの設置等を準備中。 立坑内の水および近傍の海水サンプリングを実施し、ヨウ素、セシウムを検出。 今後、その他の核種についても再評価を実施予定。 また、4月2日より、福島第一、第二発電所沖合約15km地点における海水サ ンプリングも開始し(4月5日より、新たに3箇所を追加)、今後、総合的に 評価予定。 ※3月31日午前9時20分頃より、1号機立坑内から集中環境施設の貯槽への移送 を開始。同日午前11時25分頃終了。 ※集中環境施設プロセス主建屋で水たまりを確認したことから、分析を行った結 果、3月29日に管理区域内で総量約1.2×101Bq/cm3、非管理区域で総量2.2×101 Bq/cm3の放射能を検出。4月2日より、建物内の溜まり水の排水を目的として、 集中環境施設の建屋内に溜まった水を4号機のタービン建屋へ移送を開始。 4月3日より3号機のトレンチの水位が約15cm上昇しており、経路は不明で あるが、4号機のタービン建屋内の水が3号機のトレンチに流れている可能性 も否定できないことから、念のため、4月4日午前9時22分、4号機のタービ ン建屋内への移送を停止。なお、3号機のトレンチの水位は、移送停止時の水 位から大きな変化はなく安定して推移。 ※タービン建屋内には、多量の放射性廃液が存在し、特に2号機の廃液は極めて 高いレベルの放射性廃液であるが、これを安定した状態で保管するには、集中 廃棄物処理施設に移送することが必要と判断。しかし、同施設内には、現状、 1万トンの低レベル放射性廃液が既に保管されており、新たな液体を受け入れ るには、現在保管されている低レベルの廃液を排出する必要があり。 また、5号機ならびに6号機では、サブドレンピットに低レベルの地下水が溜 まり、建屋の内部に地下水の一部が浸入してきており、原子炉の安全確保上重 要な設備を水没させる恐れあり。 よって、極めて高い放射性廃液をしっかりと管理貯蔵するため、集中廃棄物処 理施設内に溜まっている低レベルの滞留水(約1万トン)と、5号機および6 号機のサブドレンピットに保管されている低レベルの地下水(延べ1,500トン) を、原子炉等規制法第64条1項に基づく措置として、準備が整い次第、海洋に 放出することを決定。 4月4日午後7時3分に、集中廃棄物処理施設内に留まっていた低レベル滞留 水について、放水口の南側の海洋への放出を実施中。 また、同日午後9時に、5号機および6号機のサブドレンピットに留まってい た低レベルの地下水についても、5、6号機放水口より海洋への放出を開始。 その後、4月9日午後6時52分に放出を終了。放水量は約1,320トン。 (この低レベル滞留水等の海洋放出にともなう影響として、近隣の魚類や海藻 などを毎日食べ続けると評価した場合、成人の実効線量は、年間約0.6ミリ シーベルトと評価。これは、一般公衆が自然界から受ける年間線量(2.4ミ リシーベルト)の4分の1。) ※4月7日、タービン建屋内の溜まり水の集中廃棄物処理施設への排水準備のた め、2〜4号機タービン建屋の外壁に孔あけを実施。集中廃棄物処理施設の建 屋内の健全性確認を実施中。 ※3月31日午後3時42分頃、原子炉等の冷却に使用する淡水を積載した米軍のは しけ船1隻(1号船)が、海上自衛隊の艦船にえい航され、発電所専用港に接 岸。4月1日午後3時58分頃、ろ過水タンクへの補給を開始し、同日午後4時 25分終了。4月2日は午前10時20分頃から、ろ過水タンクへの淡水の注水を再 開し、午後4時40分に当日分の作業を終了。 4月2日午前9時10分頃、原子炉等の冷却に使用する淡水を積載した米軍のは しけ船1隻(2号船)が、海上自衛隊の艦船にえい航され、発電所専用港に接 岸。4月3日午前9時52分、米軍のはしけ船(2号船)からはしけ船(1号船) へ淡水の移送を開始。同日午前11時15分終了。 ※4月1日午前11時35分頃、米軍はしけ船のホース手直し作業のため、岸から船 に乗り込む際、作業員1名が海へ落下。すぐに周囲の作業員に救助され、けが および外部汚染はなかったものの、念のため、ホールボディカウンタによる内 部取り込みの確認を実施中。 ※4月9日午前9時19分、水処理建屋において全面マスクを着用してケーブル処 理を行っていた協力企業作業員1名が気分を悪くし、建屋外にある蓋のずれた マンホールに足を踏み入れて負傷し、病院へ搬送。診察の結果、「右膝挫傷、 右膝内側側副靱帯損傷疑い」と診断、身体汚染はないことを確認。 ※4月1日午後3時より、共用プール山側の約500m2の範囲に、地面の放射性物 質の飛散を防ぐ飛散防止剤を試験的に散布。同日午後4時5分に終了。また、 4月5日、6日にそれぞれ、共用プール山側の約600m2の範囲に、地面の放射 性物質の飛散を防ぐ飛散防止剤を試験的に散布。4月8日、共用プール山側の 約680m2の範囲に、飛散防止剤を試験的に散布。 ※発電所敷地周辺に設置している本設モニタリングポスト(No1〜8)が復旧 したため、その測定値を定期的に監視するとともに、公表。 ※今後、安全の確保に全力を尽くしてまいるとともに、引き続き周辺環境のモニ タリングを継続・監視してまいります。 福島第二原子力発電所 1〜4 号機 地震により停止中 ※福島第二原子力発電所の半径10km以内の地域住民に対して、国より避難指示 あり。 ※原子炉冷温停止に向けて、原子炉冷却機能を復旧して原子炉を冷却し、1号機 については3月14日午後5時から、2号機については同日午後6時から、3号 機については3月12日午後0時15分から、4号機については3月15日午前7時 15分から原子炉冷温停止中。 ※3月30日午後2時30分、1号機の原子炉を冷却する残留熱除去系(B)の電源 が外部電源に加え、非常用電源からも受電が可能となったことにより、全号機 において、残留熱除去系(B)のバックアップ電源(非常用電源)を確保。 ※1号機 ・非常用補機冷却系*の温度が上昇傾向にあるため、3月15日午後3時20分残留 熱除去系(B)を停止して調査。非常用補機冷却系のポンプの電源に故障が確 認されたため、電源を交換し、3月15日午後4時25分に当該ポンプおよび残留 熱除去系(B)を再起動。 ※4号機 ・非常用補機冷却系*のポンプ出口圧力が低下。調査のため、3月15日午後8時 5分に残留熱除去系(B)を停止。非常用補機冷却系のポンプ電源設備が故障 していたため、当該設備を交換し、3月15日午後9時25分、当該ポンプおよび 残留熱除去系(B)を再起動。 * 非常用補機冷却系・・・ポンプ軸受、熱交換機等の冷却用に海水と熱交換 した冷却水(純水)が循環している非常用の系統 ・柏崎刈羽原子力発電所 1、5、6、7号機は通常運転中 (2〜4号機は定期検査中) 【火力発電所】 ・広野火力発電所 2、4号機 地震により停止中 ・常陸那珂火力発電所 1号機 地震により停止中 ・鹿島火力発電所 6号機 地震により停止中 【水力発電所】 ・電気の供給については、すべて復旧済み (ただし、設備損傷箇所については、適時対応中) 【流通設備等への影響】 ・電気の供給については、すべて復旧済み (ただし、設備損傷箇所については、適時対応中) 【計画停電の原則不実施と節電のお願いについて】 東北地方太平洋沖地震により原子力発電所、火力発電所の多くが被害を受け停 止したことから、現在、供給力の復旧・確保に全力で取り組んでおりますが、お 客さま各位の節電へのご関心、ご協力が広範囲にわたって浸透してきた結果、需 給バランスは著しく改善を見せております。 こうした状況を踏まえた当面の需給見通しに基づき、基調として需給バランス が維持されることから、当社は、計画停電を「原則不実施」とすることといたし ました。 なお、突発的な気象の変化等により電力需要が急増する可能性、あるいは、復 旧する発電所をはじめとした設備トラブルの発生も考えられることから、お客さ まにおかれましては、引き続き節電への取組みを継続していただきますよう、お 願いいたします。万が一、需給逼迫が予想される場合には、予めお知らせした上 で、やむを得ず計画停電を実施することもあり得ますので、何卒ご理解、ご協力 のほどよろしくお願いいたします。 また、当社といたしましては、計画停電の「原則不実施」を、夏期においても 継続することを目指してまいります。 以 上 ※実績の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファ イル】ページをご覧ください。