定期検査中の福島第二原子力発電所4号機の発電開始について
平成23年1月27日
東京電力株式会社
当社福島第二原子力発電所4号機(沸騰水型、定格出力110万キロワット)は、
平成22年11月9日から、第17回定期検査を実施してまいりましたが、平成23年1
月27日午前10時1分、発電を開始いたしましたのでお知らせいたします。
今後、出力を定格出力まで上昇させ、調整運転を続けたのち、2月下旬に経済
産業省の総合負荷性能検査を受け、定期検査を終了する予定です。
今回実施した主な工事は以下のとおりです。
(定期検査中に実施した主な工事)
1.燃料集合体の取替え
燃料集合体764体中172体を取り替えました。
2.非常用ディーゼル発電機整流器盤他取替工事
非常用ディーゼル発電機(A)(B)の整流器盤*1を取り替えました。
また、高圧炉心スプレイ系非常用ディーゼル発電機の整流器盤と自動電圧調
整器盤*2を取り替えました。
3.炉心シュラウド溶接部予防保全工事
炉心シュラウド中間部リングと中間胴上部の内側の溶接部、中間胴上部と
下部の内側の溶接部に対して、高圧水を水中でノズルから噴射するウォータ
ー・ジェット・ピーニング*3で圧力を加え、残留応力を改善しました。
4.耐震裕度向上工事
耐震裕度の向上を図るため、排気筒支持鉄塔に対する衝撃や地震の揺れを
吸収する油の粘性を利用した制震装置(オイルダンパー)の設置、並びに主
要配管にサポートの設置・追加を行いました。
以 上
*1 整流器盤
交流電力を直流電力に変換するための機器(整流器)を収納した制御盤。
*2 自動電圧調整器盤
発電機の電圧を一定に制御するための機器(調整器)を収納した制御盤。
*3 ウォーター・ジェット・ピーニング
溶接部表面に高圧水をあてることによって、表面の残留応力改善を図る
方法。
高圧水を水中でノズルから噴射することにより気泡が発生し、この気泡
が崩壊したときに生じる衝撃圧力を利用して、材料表面の残留応力を引張
応力から圧縮応力に改善し、ひびを起こしにくくするもの。
<参考>当社原子力発電所の現況
福島第一・1号機( 46万キロワット) 運転中
2号機( 78万4千キロワット) 運転中
3号機( 78万4千キロワット) 運転中
4号機( 78万4千キロワット) 定期検査中
5号機( 78万4千キロワット) 定期検査中
6号機(110万キロワット) 定期検査中
福島第二・1号機(110万キロワット) 運転中
2号機(110万キロワット) 運転中
3号機(110万キロワット) 運転中
4号機(110万キロワット) 1月27日から発電開始
柏崎刈羽・1号機(110万キロワット) 運転中
2号機(110万キロワット) 定期検査中
3号機(110万キロワット) 定期検査中
4号機(110万キロワット) 定期検査中
5号機(110万キロワット) 調整運転中*
6号機(135万6千キロワット) 1月26日から発電開始
7号機(135万6千キロワット) 運転中
これにより、運転中のプラントは、11基、合計1134万キロワット、停止中のプ
ラントは、6基、合計596万8千キロワットとなります。
*柏崎刈羽原子力発電所5号機については、新潟県中越沖地震後の点検、復旧作
業を実施しておりましたが、平成22年11月17日からプラント全体の機能試験を
開始し、平成23年1月24日に評価報告書を経済産業省原子力安全・保安院へ提
出しており、現在調整運転中です。
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