当社柏崎刈羽原子力発電所における点検計画に関する調査状況について
平成22年12月21日
東京電力株式会社
当社柏崎刈羽原子力発電所は、平成22年11月30日より、経済産業省原子力安全・
保安院による原子炉施設保安規定*1の遵守状況を定期的に確認するための保安検
査を受けておりました。この保安検査にて同発電所2、3、7号機の保守管理の実
施状況を確認している中で、定期事業者検査*2の対象となる重要な設備は問題な
いものの、平成18年度に実施した同発電所2、3号機の自主点検*3の対象のうち、
35機器において、当社が定める点検周期を超えて点検計画を見直した際の保守管理
に不備があるとの指摘を受けました。
今回の指摘を踏まえて、同発電所において現在運転中のプラントである1、5、
7号機について速やかに当社が定める点検周期超過の有無を調査したところ、現時
点で点検周期内に点検を行っていなかった、または今回の定期検査で点検を実施す
れば点検周期を超えないものの、点検計画に反映されていなかった機器が合計40機
器(1号機:37機器、5号機:3機器、7号機:無し)確認されました。
確認された機器のうち、5号機の自主点検対象の1機器(タービン駆動原子炉給
水ポンプの蒸気加減弁の一部の設備であるサーボ弁)については、健全性確認によ
り安全上の問題がないことを確認しておりますが、5号機は中越沖地震後のプラン
ト全体の機能試験を実施中であり、当該弁はプラントの安定運転にとって重要な設
備であることから、明日午前0時頃より発電機出力を約50万キロワットまで降下さ
せ、約4日間かけて点検を行う予定です。
点検が終了したのち、発電機出力を定格熱出力まで復帰させてまいります。
当社では、点検周期を超えて点検計画を見直した場合には、事前に対象機器の健
全性評価を実施し、その結果を記録として残すことについて社内手続きで定めてお
りますが、今回の事案では、その運用が十分に徹底されていなかったことなどから、
今後確実に対応していくために、あらためて発電所内に周知・徹底するとともに、
業務プロセスの適切な管理に努めてまいります。
本件について、当社は本日、これまでの調査状況をとりまとめ、経済産業省原子
力安全・保安院へ報告いたしました。また、本件を踏まえ、同院から柏崎刈羽原子
力発電所の全ての号機において、点検計画の記載誤りがないか、また、点検周期を
超過した機器がないかを調査すること、福島第一原子力発電所および福島第二原子
力発電所についても同様の事象がないか確認すること、当該事象の原因の究明を行
い再発防止対策を策定することを求める旨の指示文書*4を受領しております。
当社といたしましては、このたびの指示に基づき、各原子力発電所における調査
および確認を行うとともに、その結果についてはとりまとまり次第、同院へ報告い
たします。
以 上
添付資料:柏崎刈羽原子力発電所における点検計画に関する調査状況(PDF 13.2KB)
*1 原子炉施設保安規定
原子炉等規制法第37条第1項の規定に基づき、原子炉設置者が原子力発電
所の安全運転を行ううえで遵守すべき基本的事項(運転管理・燃料管理・放
射線管理・緊急時の処置など)を定めたもので、国の認可を受けている。
*2 定期事業者検査
電気事業法第55条第1項に基づき、事業者が、特定電気工作物に対して、
技術基準(発電用原子力発電設備の技術基準に定める省令)に適合すること
を確認し、その結果を記録し保存するもの。
*3 自主点検
定期事業者検査など法令に基づき実施する検査以外で、事業者が自らが自
主保安の観点から、予防保全や不具合状況等を考慮して対象機器や実施頻度
を定めて実施するもの。
*4 指示文書
「柏崎刈羽原子力発電所の点検周期を超過した機器に係る調査結果に対す
る対応について(指示)」
(22原企課第139号)
原子力安全・保安院(以下「保安院」という。)は、柏崎刈羽原子力発電
所に対する平成22年度第3回保安検査において、点検周期を超過していた機
器が確認されたことに伴い、点検長期計画において、現時点で点検周期を超
過している機器がないか調査を指示しました。これを受けて、本日、貴社よ
り、柏崎刈羽原子力発電所第1号機及び第5号機において、点検長期計画の
記載誤り等により、点検周期を超過した機器がある旨の報告を受けました。
保安院は、提出された報告を踏まえ、貴社に対し、下記の事項を平成23年
2月28日までに報告することを指示します。
記
1.柏崎刈羽原子力発電所の全ての号機について、点検長期計画の記載誤
りがないか、また、点検周期を超過した機器がないかを調査すること
2.福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所についても、同様の
事象がないか確認すること
3.上記1.の調査結果を踏まえ、点検周期を超過する事態が生じた原因
の究明を行い、再発防止対策を策定すること
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