当社原子力発電所における供用期間中検査計画の管理状況に関する調査結果報告書の経済産業省原子力安全・保安院への提出について
平成22年12月15日
東京電力株式会社
他社の原子力発電所において、定期検査および定期事業者検査の一環として実施
している供用期間中検査*1でポンプおよび弁の一部の溶接箇所が検査計画に含ま
れていなかった事象を踏まえ、当社は、平成22年7月22日、経済産業省原子力安全
・保安院より、同様の事象がないか調査を行うよう指示を受けました。
この指示にもとづき調査を行った結果、当社においては、国の要求する検査間隔
等を逸脱するような事例は確認されなかったものの、合計14台のポンプおよび弁に
ついて、供用期間中検査の計画に反映されていない溶接箇所があることを確認し、
9月15日に同院へ報告いたしました。
本件について、同院より原因究明と再発防止対策の報告を求める旨の指示をいた
だいておりましたが、その後、平成22年11月15日に同院より、あらためて再発防止
対策について指示文書*2を受領いたしました。
(平成22年9月15日、11月15日お知らせ済み)
当社は、これまでの調査結果および再発防止対策について最終報告書としてとり
まとめ、本日、同院へ提出いたしましたのでお知らせいたします。
以 上
○添付資料
・ポンプおよび弁の溶接継手についての供用期間中検査計画の管理状況調査について
(概要)(PDF 140KB)
・ポンプおよび弁の溶接継手についての供用期間中検査計画の管理状況調査について
(最終)(PDF 296KB)
*1 供用期間中検査
原子力発電所の運転(供用)開始後に、機器、配管などの健全性を確認す
るため、機器ごとに検査方法・検査範囲・検査期間を計画的に定めて実施す
る非破壊検査および漏えい検査等。
*2 指示文書
「供用期間中検査の適切な実施について(指示)」
(22原企課第122号)
原子力安全・保安院(以下「当院」という。)は、平成22年7月に日本原子
力発電株式会社から同社の敦賀発電所1号機において供用期間中検査の計画に
反映されていない溶接箇所があることが判明した旨の報告を受けました。これ
を受けて、当院は他の原子炉を設置する電気事業者(以下「電気事業者」とい
う。)に対し、同様の事案について確認するよう指示を行い、その結果、貴社
より同様の溶接箇所がある旨の報告を受けました。
当院が、提出された報告内容を検討した結果、共通的な要因として、(1)
電気事業者と調達先である製造事業者との間で溶接箇所の有無に係る設計情報
が十分共有されていなかったものがあったこと、(2)供用期間中検査を規定
する社団法人日本機械学会の維持規格の改訂に対して、その改訂内容を供用期
間中検査の計画に反映できていなかったものがあったこと、(3)現場の溶接
箇所の確認が十分でなかったものがあったことが明らかになりました。
貴社において供用期間中検査が適切に実施されていなかったことは遺憾であ
り、注意します。また、既に貴社に対して、原因究明と再発防止対策の報告を
指示しているところですが、下記の事項を含めて再発防止対策を検討し、平成
22年12月15日までに報告するよう指示します。
記
1.電気事業者と調達先である製造事業者との間で溶接箇所に係る設計情報を
十分共有し、供用期間中検査の計画に確実に反映できる体制を構築すること
2.供用期間中検査を規定する社団法人日本機械学会の維持規格の改訂が行わ
れた場合には、その改訂内容を電気事業者内の関係部署において共有し、改
訂内容が供用期間中検査の計画に確実に反映させる体制を構築すること
3.供用期間中検査の計画にある検査対象箇所と現場の設備における溶接箇所
との不整合が生じないよう確認体制を構築すること
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