プレスリリース 2009年

貝処理装置で貝殻を分離した残渣(貝肉、汚泥等)からの微量な人工放射性物質の検出について

                             平成21年2月27日
                             東京電力株式会社
                           柏崎刈羽原子力発電所


 当所では、貝処理装置で処理した後の貝殻およびその残渣(貝肉、汚泥等)につ
いて、データ蓄積のために定期的に放射能測定*1を実施しておりますが、本日午
後5時45分、残渣(貝肉、汚泥等)の一部から微量の人工放射性物質であるコバル
ト60*2を検出いたしました。

 今回検出されたコバルト60の放射能濃度は約1.3ベクレル*3/kgです。仮にこの
残渣1kgに相当するコバルト60を経口摂取した場合の放射線量は0.000004ミリシー
ベルトであり、法令に定める一般人の1年間の線量限度(1ミリシーベルト)に比
べて極めて低く、周辺環境等への影響はありません。

 主排気筒放射線モニタ*4および発電所敷地周辺の空間線量率を測定するモニタ
リングポスト、海水モニタ等のリアルタイムデータは通常の変動範囲内です。また、
過去に環境モニタリング試料から微量のコバルト60が検出された事例はありますが、
評価の結果、周辺環境への影響はありませんでした。

 なお、セシウム137*5も検出されましたが、過去の核実験などの放射性降下物の
放射能濃度と同じレベルです。

 今後、当該試料の採取場所の確認や測定結果の妥当性確認などの追加調査を行う
ことといたします。
 この調査の結果については、とりまとめ次第お知らせいたします。

                                  以 上



*1:データ蓄積のために定期的に放射能測定
    年1回定期的に放射能を測定している。
*2:コバルト60
    人工放射性物質(核種)の1つで、安定なコバルト59が中性子を吸収した
   もの。半減期は約5.3年。
*3:ベクレル
    放射能の大きさを表す単位。
*4:主排気筒放射線モニタ 
    建物内の空気はフィルタなどを経由し排気筒から放出しており、主排気筒
   放射線モニタは環境への放出にあたり排気中の放射線を測定する装置。
*5:セシウム137
    人工放射性物質(核種)の1つで、ウランの核分裂等により生成するも
   の。半減期は約30年であり過去の核実験の影響により他の環境試料(土壌
   等)から検出されることがある。

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