平成20年8月18日
東京電力株式会社
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<概要>
(事象の発生状況)
・運転中の福島第二原子力発電所3号機は、平成20年7月18日頃より、原子炉
内の水を循環させるポンプの軸封部の圧力が、ゆるやかな上昇傾向にあった
ことから、念のため、8月9日にプラントを一旦停止し、軸封部の点検およ
び取り替えを行うことといたしました。
(平成20年8月6日お知らせ済み)
(今回の対応)
・第1段目の軸封部静止リングの接触面に微細な異物をかみ込んだことにより
発生した傷が原因で第1段目の軸封部のシール機能が低下し、当該圧力が上
昇したものと推定いたしました。
・軸封部を点検して新品に取り替え健全性を確認したことから、8月16日午前
3時30分に発電を開始いたしました。
・異物混入防止管理の徹底を継続することといたします。
詳細は以下のとおりです。
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1.事象の発生状況
定格熱出力一定運転中の当社・福島第二原子力発電所3号機(沸騰水型、定
格出力110万キロワット)において、平成20年7月18日頃より、原子炉再循環
ポンプ*1(A)(以下、当該ポンプ)の2つある軸封部*2のうち、第2段
目の軸封部圧力(以下、当該圧力)にゆるやかな上昇傾向が見られました。
本事象は、第1段目の軸封部の静止リングと回転リングの接触面に面荒れ等
の不具合が生じたことにより、第2段目の軸封部の圧力が上昇したものと推定
しておりますが、軸封部の機能に関する警報*3は発生しておらず、軸封部の
機能は維持されていることから、ただちに当該ポンプの運転に影響を与える状
態ではありません。
当該圧力の上昇傾向が続いた場合、軸封部の機能が低下する可能性も考えら
れることから、念のため、計画的にプラントを一旦停止し、軸封部の点検およ
び取り替えを行うことといたしました。
なお、本事象による外部への放射能の影響はありません。
(平成20年8月6日お知らせ済み)
2.今回の対応
点検の結果、第1段目の軸封部静止リングの接触面に微細な異物をかみ込ん
だことにより発生したと考えられる傷を確認いたしました。この傷が原因で第
1段目の軸封部のシール機能が低下し、当該圧力が上昇したものと推定いたし
ました。
当該ポンプの軸封部については新品に取り替え、健全性を確認した後、8月
14日午後2時17分にプラントを再起動し、8月16日午前3時30分に発電を開始
いたしました。
今後とも、作業時における機器等の開口部の養生など従来から実施している
異物混入防止管理の徹底を図るとともに、軸封部のシール機能の更なる安定性
向上に向けて、構造・材料などの検討および開発を継続することといたします。
以 上
*1 原子炉再循環ポンプ
原子炉圧力容器内の水(冷却材)を循環させるポンプ(2台設置)で、
運転中はポンプの回転数(スピード)を機械的な可変周波数電源装置で制
御することにより、原子炉の出力を制御している。
*2 軸封部
ポンプ内部の水(冷却材)が主軸を通してポンプ外部に出ないようにす
るために設けられている部分。軸封部は2段構成となっている。
*3 軸封部の機能に関する警報
シール水の漏えい量が大きくなった場合などに発生する警報。
添付資料
・3号機原子炉再循環ポンプ軸封部概略図(PDF 15.4KB)
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