平成20年7月29日
東京電力株式会社
当社は、本日、富津火力発電所4号系列第1軸(50.7万kW)の営業運転を開始
いたしました。
発電方式は、横浜・千葉・富津・品川の各火力発電所で実績のある改良型コンバ
インドサイクル発電(ACC:Advanced Combined Cycle=1,300℃級)(注1)にさら
なる技術改良を加えた1,500℃級コンバインドサイクル発電(MACC: More Advanced
Combined Cycle)で、川崎火力発電所1号系列で採用されているものと同方式とな
ります。
今後、第2軸、第3軸の運転を順次開始し、平成22年7月には合計出力が152万
kW(50.7万kW×3軸)の4号系列の全てが営業運転を開始する予定です。
富津火力発電所4号系列の特長は次のとおりです。
(1)世界最高水準の熱効率59%(注2)を実現
ガスタービンに最新の耐熱材料と冷却技術を導入し、燃焼温度をこれまでの
改良型コンバインドサイクル発電の1,300℃から1,500℃へ上昇させたことなど
により、世界最高水準の59%という高い熱効率を実現しました。これにより、
従来型のLNG火力と比較して約4割熱効率が向上し、燃料の使用量および、
CO2排出量を約25%抑制します。
(2)最新技術の採用で環境にやさしい発電所を実現(大気汚染を抑制)
燃料には硫黄酸化物(SOx)や、ばいじんを排出しないクリーンな液化天
然ガス(LNG)を使用するとともに、最新型の低NOx(窒素酸化物)燃焼
器および高性能脱硝装置を採用しました。
当社は、今後も、安全な発電所運営と、地域の皆さまの安心のために万全を尽く
すとともに、周辺の環境を守り、自然と調和したまちづくりに貢献してまいります。
以 上
(注1)改良型コンバインドサイクル発電(ACC:Advanced Combined Cycle
=1,300℃級)
コンバインドサイクル発電とは、ガスタービンと蒸気タービンとを組み合わせ
たもので、ガスタービンから排出された高温の排ガスを再利用して蒸気を作り、
蒸気タービンとガスタービンで発電する。蒸気タービンだけの火力発電に比べ、
熱効率を上昇させ、出力の増加を図ることが可能。
改良型コンバインドサイクル発電とは、従来のコンバインドサイクル発電の燃
焼温度を1,100℃から1,300℃へ上昇させることなどにより、効率を向上させたも
の。
また、1,500℃級コンバインドサイクル発電は、改良型コンバインドサイクル
発電の燃焼温度を1,300℃から1,500℃へ上昇させることなどにより、効率をさら
に向上させたもの。
(注2)熱効率59%
燃料中の水分および燃焼によって生成された水分の凝縮熱を差し引いた低位発
熱量基準に基づき算出した熱効率で、凝縮熱を含めた発熱量を基にした高位発熱
量基準では53%。
添付資料
・別紙:富津火力発電所4号系列の概要(PDF 167KB)
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