高効率ヒートポンプチラー「スーパーフレックスモジュールチラー・V(バリュー)タイプ」の開発・販売について
〜大幅な省スペース化と優れた省エネ性・コストパフォーマンスの両立〜
平成20年7月10日
東芝キヤリア株式会社
東京電力株式会社
東芝キヤリア株式会社(取締役社長:不破久温、本社:東京都港区)と東京電
力株式会社(取締役社長:清水正孝、本社:東京都千代田区)は、このたび、大
幅な省スペース化を図りながら優れた省エネ性・コストパフォーマンスとの両立
を実現した「スーパーフレックスモジュールチラー・V(バリュー)タイプ」を
共同開発し、本年10月より東芝キヤリアが販売を開始いたします。
両社は、平成18年10月に、大型空冷ヒートポンプチラー※1としては業界で初
めて、高効率な新冷媒R410A※2を採用した「スーパーフレックスモジュー
ルチラー」※3を開発・商品化してまいりました。
このたびの「スーパーフレックスモジュールチラー・V(バリュー)タイプ」
は、近年の地球環境問題に対する関心の高まりを受け、省エネ性に優れた空冷式
および水冷式の熱源機を広くみなさまに活用いただくために、「スーパーフレッ
クスモジュールチラー」の特長を活かしつつ、さらなる省スペース化および価格
の低減を目指し開発してまいりました。
空冷式「スーパーフレックスモジュールチラー・V(バリュー)タイプ」の主
な特長は以下のとおりです。
1.冷却能力を向上したモジュールの連続設置でさらなる省スペースを実現!
「スーパーフレックスモジュールチラー」と共通寸法・外観の、通風性に優
れた「Xフレーム」形モジュールを連続設置する方式としております。大型ス
クロール圧縮機の搭載とそれに伴う熱交換器等構成部品の最適化、さらに空気
熱交換器に散水する機能を標準搭載したことにより、冷却能力が約1.6倍に向
上いたしました。
1000kWの冷却負荷の場合、「スーパーフレックスモジュールチラー」ではモ
ジュール12台で対応するところを、「スーパーフレックスモジュールチラー・
Vタイプ」は8台で対応可能、33%の設置面積削減※4となります。大型空冷
式ヒートポンプチラーとしては業界トップクラスの省スペース性※5を実現し
ています。
2.優れたエネルギー消費効率で低炭素化の推進に貢献!
高効率散水技術を採用し、冷却時の定格COP※6 4.11/3.86(50Hz/60Hz)
を達成、有限責任法人日本エレクトロヒートセンターによる「平成20年度高効
率空調機導入支援事業補助金制度」の対象となります。
また、期間成績係数IPLV※7 は4.89(50Hz)を達成、10年前のチラーと
比べて23.5%の省エネルギーとCO2排出量の削減※8を実現しています。熱源
機入替えにより、ランニングコストの削減につながるとともに、低炭素化の推
進に貢献できます。
3.お求めやすい価格を実現、優れたコストパフォーマンス!
[冷却負荷1000kWの場合の機種選定例および予定価格]
スーパーフレックスモジュールチラー・Vタイプ
8台連結で7,570万円 (形名 RUA-TBP3602SHNV-A 冷却能力 1104kW)
※ スーパーフレックスモジュールチラー
12台連結で8,510万円 (形名 RUA-TBP3602HV-A 冷却能力 1020kW)
同じ冷却負荷へ対応する場合に、製品本体がお求めやすい価格設定になって
いるほか、必要モジュール台数の削減により工事費の低減も図れます。
販売を開始する共同開発製品は、空冷式の「スーパーフレックスモジュールチ
ラー・Vタイプ」ヒートポンプ、冷却専用それぞれ10機種ずつ(冷却能力414kW
〜1656kW / 486kW〜1944kW (50Hz/60Hz))の他、同じく空冷式で熱源機のリプレ
イスに最適な定流量システム用の「スーパーフレックスモジュールチラーR・V
タイプ」ヒートポンプ、冷却専用それぞれ4機種ずつ(冷却能力138kW〜552kW /
162kW〜648kW (50Hz/60Hz))、および水冷式の「スーパーフレックスモジュール
チラーW・Vタイプ」冷却専用4機種(冷却能力150kW〜600kW / 170kW〜680kW (
50Hz/60Hz))の計32機種です。
● スーパーフレックスモジュールチラー(SFMC)全シリーズラインアップ概要
|
業界トップクラスの省エネ性で高い評価をいただき、多くのお客様からご採用
いただいてまいりました「スーパーフレックスモジュールチラー」シリーズに、
このたび共同開発いたしました「V(バリュー)タイプ」が加わることで、さら
に充実した商品ラインアップとなり、ビルや工場などの様々な空調や冷却のニー
ズに、今まで以上にお応えすることが可能となりました。
今後は、「スーパーフレックスモジュールチラー」全シリーズで年間3500台(
モジュール数)以上、内、「V(バリュー)タイプ」は年間500台(モジュール
数)以上の販売を目指してまいります。
「21世紀環境創造企業」を目指す東芝キヤリアは、空調機器の分野で地球環境
に配慮した製品作りを進め、お客様のエネルギーコスト低減のニーズにお応えし、
未来に笑顔を残せる持続可能社会の実現に努めてまいります。
東京電力は、今後とも高効率・低コストの機器の開発に積極的に取り組み、環
境負荷低減に貢献するとともに、お客さまのエネルギーコスト低減のニーズにお
応えするように努めてまいります。
なお、本製品は7月23日から開催される「エネルギーソリューション&蓄熱フェ
ア’08」※9において、実機を展示してご紹介いたします。
以 上
※1 空冷ヒートポンプチラー
ビルや工場などの空調に使用する冷水および温水をつくる機器。熱交換
器を備え、冷媒を使用して熱を汲み上げる方式の、効率の良い電気式の熱
源機。
※2 新冷媒R410A
オゾン層破壊係数がゼロであると共に、安全性(無毒・不燃性など)が
高いため、ルームエアコンをはじめとする空調機器に幅広く使用されてい
る冷媒。冷凍能力が高く、圧力損失が小さいなど冷媒として優れた特性を
有しているが、作動圧力が高いため、これまで大形空調機への採用が困難
であった。
※3 スーパーフレックスモジュールチラー(SFMC)
公称冷凍トン30USRTモジュールの連続設置により大規模空調・産業用プ
ロセス冷却に対応する高効率空冷ヒートポンプチラー。平成18年度省エネ
大賞経済産業大臣賞を受賞。
※4 33%の設置面積削減
製品本体の占有面積で比較。周囲通気用・サービス用スペースを含めた
比較では29%の削減。
※5 業界トップクラスの省スペース性
平成20年7月9日現在、東芝キヤリア調べ。冷却能力180USRTクラス以上
では、周囲通気用・サービス用スペースを含めた比較で業界トップとなる。
※6 COP(Coefficient of Performance)=(冷房能力または暖房能力/消
費電力)
値が大きいほど省エネルギー性が高いことを示す。「Vタイプ」を含む
「SFMC」全シリーズでは、モジュールを何台連結した場合でも変わら
ぬ性能を確保できる。
※7 IPLV (Integrated Part Load Value)
IPLVはARI(米国冷凍空調工業会)550/590 2003年版で規程さ
れている期間成績係数。冷却負荷が100%の場合だけでなく、中・低負荷の
場合でのCOPを反映しており、年間を通じた冷凍機の運転効率を表わす
指標となる。
※8 10年前のチラーと比べて23.5%の省エネルギーとCO2排出量の削減
<試算条件>
10年前 :東芝キヤリア製スクリューチラー
RUA-SA35501H-A×3台
本製品 :東芝キヤリア製スーパーフレックスモジュールチラー・Vタイプ
RUA-TBP3602SHNV-A
試算方法:実機運転試験結果に基づき試算、
CO2排出原単位:0.425kg-CO2/kWh(東京電力2007年度実績)
<試算結果>
(10年前)年間消費電力量:464,140(kWh)
年間CO2排出量:197.3(t-CO2)
(本製品)年間消費電力量:355,160(kWh)
年間CO2排出量:150.9(t-CO2)
※9 エネルギーソリューション&蓄熱フェア’08
日時:平成20年7月23日(水)〜25日(金) 10:00〜17:00
場所:東京ビッグサイト西展示ホール1・2 <入場無料>
主催:エネルギーソリューション&蓄熱フェア’08実行委員会
(東京電力株式会社、財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター、電気事
業連合会)
添付資料
・添付資料1:開発体制(PDF 13.0KB)
・添付資料2:「スーパーフレックスモジュールチラー・Vタイプ」の概要(PDF 58.3KB)
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