平成20年7月10日
東京電力株式会社
定期検査中の当社・柏崎刈羽原子力発電所6号機(改良型沸騰水型、定格出力135
万6千キロワット)において、平成20年6月2日より制御棒駆動機構(全205体)の
地震後健全性確認作動試験*1を行っていたところ、6月27日に1体の制御棒駆動
機構が制御棒*2と結合していないことが確認されました。原子炉内の燃料はすべ
て取り出し済みであり、安全上の問題はありません。また、残りの204体の制御棒駆
動機構については制御棒と結合していることを確認しております。なお、水中カメ
ラにより当該結合部に損傷はないことを確認しており、新潟県中越沖地震との関連
性はないものと考えております。 (平成20年6月27日お知らせ済み)
○新潟県中越沖地震の影響について
制御棒駆動機構と制御棒が回転式結合機構により噛み合わせて結合しているた
め、制御棒駆動機構の分解点検時に制御棒駆動機構を45度回転させた場合、また
は制御棒取替え時に制御棒を45度回転させた場合に外れる仕組みになっているこ
とから、新潟県中越沖地震発生時のように制御棒の周囲に燃料が装荷されている
場合は、当該結合部が健全であれば、これらが回転して外れることはないため、
新潟県中越沖地震との関連性はないものと考えております。
○制御棒に関連する作業履歴等の調査結果
その後調査した結果、以下のことがわかりました。
・当該制御棒および制御棒駆動機構に係る作業履歴等について調査した結果、現
在実施中の第8回定期検査(平成19年5月24日から継続実施中)において、当
該制御棒駆動機構の分解点検は実施していないことを確認いたしました。また、
当該制御棒は、平成19年6月5日に交換し、それ以降、当該制御棒の取外し・
取付け作業は実施していないことを確認いたしました。このことから、平成19
年6月5日に実施した制御棒取付け時に結合が正常でなかったものと考えてお
ります。
・また、平成19年6月24日に制御棒駆動機構と制御棒との結合確認試験を実施し
ておりましたが、この際には結合が正常でないことを確認できなかったものと
考えております。このため、平成20年6月27日の地震後健全性確認作動試験ま
で結合不良の状態が継続したものと推定されます。
○制御棒と燃料等の確認結果について
平成19年6月5日以降、燃料が装荷された状態で、当該制御棒を動作(緊急挿
入)させる試験を2回実施しており、当該部が結合していない状態で当該試験を
実施した場合、当該制御棒側結合部が燃料に接触する可能性があることから、制
御棒や燃料等への影響について確認を行いました。
その結果、当該制御棒側結合部等と、そのまわりに位置する4体の燃料下部に
軽微な接触痕を確認いたしましたが、問題となるような異常は確認されませんで
した。
その他の炉内機器には異常はありません。
○今後の調査予定
今後、結合不良に至った原因および結合不良を確認できなかった原因等につい
て調査を継続いたします。
○今後の作業予定
現在、6号機については、新潟県中越沖地震後の設備点検を順次実施している
ところですが、これまでに実施した調査により、本事象に関して原子炉内で実施
するべき調査は完了しており、問題となる異常は確認されていないことから、今
後、原子炉圧力容器、原子炉格納容器の地震後の設備健全性確認を進めてまいり
ます。
以 上
*1 制御棒駆動機構(全205体)の地震後健全性確認作動試験
地震後の設備点検のうち、制御棒駆動機構の基本点検として挿入・引抜き
等の動作確認、結合確認等を実施して健全性を確認する試験。
*2 制御棒
当該制御棒は今回の第8回定期検査において交換したものであり、地震発
生時には定期検査を継続中で制御棒は全て挿入された状態であった。
添付資料
・制御棒駆動機構結合部の構造図および結合操作説明図(PDF 239KB)
・当該制御棒に係る作業等の経緯(PDF 8.3KB) |