ベトナムのタタン水力発電CDMプロジェクトへの参加について
〜グループの技術力を活かしてCDMプロジェクトを支援し、創出される炭素クレジットを購入〜
平成20年5月16日
東京電力株式会社
当社は、本日、ベトナムの水力発電事業会社「ビエトラシメックス・ラオカイ・
エレクトリック社」(Vietracimex Lao Cai Electric Joint Stock Company、
以下 VLCE社)[注1]が同国北西部ラオカイ省で実施し、当社が技術支援を行
ってきた水力発電CDM[注2]プロジェクトより創出される炭素クレジットを購入
する契約を締結いたしました。
本プロジェクトは、当社が2005年より実現の可能性について事前調査[注3]を行
い、さらに当社のグループ企業である東電設計株式会社が2007年より設備に関する
詳細設計を実施するなど、計画段階から当社グループの技術力を活用し、プロジェ
クトの実現に直接貢献してまいりました。引き続き、発電所建設や運転開始後の保
守管理業務についても、支援してまいりたいと考えております。
具体的には、総出力6万kW(3.0万kW×2基)の自流式水力発電所の建設により
発電される電力は、ベトナム電力公社[注4]へ売電され、ベトナム北部電力系統へ
供給される予定です。これにより、この系統の電力の一部が水力発電により代替さ
れることから、2011年(予定)から2012年までに合計約30万トンのCO2排出量の
削減が見込まれ、このうち制度上の一部控除手続き[注5]を経たあとの全量(約29
万トン)を当社が炭素クレジットとして購入する予定です。
プロジェクトの概要は別紙のとおりです。
今後、VLCE社と当社が協力し、ベトナム、日本両政府によるCDMプロジェ
クト承認手続きや国連審査等、炭素クレジットの創出に必要な手続きを進めてまい
ります。
当社は、地球温暖化防止への取り組みを経営の最重要課題の一つとして位置づけ
ており、当社グループ全体でこれまでに培ってきた技術力を最大限に活用する形で、
国内外における地球温暖化対策を積極的に推進してまいります。
以 上
添付資料
別紙:ベトナム・タタン水力発電CDMプロジェクトの概要(PDF 16.7KB)
[注1]ビエトラシメックス・ラオカイ・エレクトリック社
正式名称:Vietracimex Lao Cai Electric Joint Stock Company
本社所在地:ベトナム社会主義共和国ラオカイ省ラオカイ市
代表者:ヴ・ドゥック・トアン(Vu Duc Toan)
設立:2006年11月22日
資本金:2,400億ベトナムドン(約15億円、1円=156ベトナムドン換算)
事業内容:水力発電事業の実施など
[注2]CDM(クリーン開発メカニズム:Clean Development Mechanism)
先進国あるいは市場経済移行国が、発展途上国で温室効果ガス削減事業を
実施し、それにより生じた削減分(排出権)を先進国あるいは市場経済移
行国が自国の目標達成に利用できる制度。共同実施(JI:Joint
Implementation)、排出量取引(ET:Emission Trading)と並ぶ京都メカ
ニズムの一つ。
「京都メカニズム」とは、1997年に「京都議定書」において定められた、
温室効果ガス削減をより柔軟に行うための経済的メカニズムのこと。
[注3]独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「平成
17年度CDM/JI推進基礎調査事業」に応募した結果、本プロジェクト
が採択され、2005年から2006年まで調査を実施。
[注4]ベトナム電力公社
ベトナム全体の発送電を管理する国営電力会社。
[注5]京都議定書第一回締約国会合(2005年)で決定されたCDMにおける炭素
クレジットの発行ルールでは、プロジェクト全体に対して創出される炭素
クレジットのうち、2%は、気候変動に対して脆弱な発展途上国の適応費
用支援に充てる負担分として差し引かれ、国連の所有になると定められて
いる。
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