プレスリリース 2007年

簡易型放射線計測器の設定誤りについて

                             平成19年4月3日
                             東京電力株式会社

 当社社員および協力企業作業員が、平成19年3月31日、当社・福島第一原子力発
電所の構内において、放射線管理区域*1に設定された5号機圧力抑制プール水貯蔵
タンク*2のポンプ室内で放射線計測器の点検*3を行っていたところ、同日午後6
時頃、当該計測器に設定されていたβ線放出率*4に誤りがあることがわかりました。
 その後の調査において、β線放出率が本来設定すべき値よりも小さく(100分の1)、
管理区域から退出する者の身体および衣服の汚染測定が正しく行われていないこと
がわかり、本日、保安規定に抵触していると判断いたしました。

 当該計測器は平成15年6月に設置されたものですが、過小評価となった時期等、
本件の詳細な原因については現在調査をしております。
 なお、過去の定期測定の記録を調査した結果、当該計測器付近の床面に汚染は検
出されていないこと、および汚染レベルに応じた保護衣を着用し、退出時には着替
えを行っていることから、当該エリアからの退出時において、汚染はなかったもの
と考えております。

 今後、原因について詳細な調査を行います。

                                  以 上

*1 放射線管理区域
    放射線による無用な被ばくを防止するため、また、放射性物質による放射
   能汚染の拡大防止をはかるため管理を必要とする区域。
*2 圧力抑制プール水貯蔵タンク
    圧力抑制プール(注)点検のために水を一時的に貯蔵するタンク。
    (注)原子炉格納容器の下部にあり、原子炉圧力容器の圧力が上昇した場
       合にその蒸気を圧力抑制室内に導いて冷却することで原子炉格納容
       器内の圧力を低下させる設備。また、原子炉冷却材喪失事故時の非
       常用炉心冷却系の水源として水を貯蔵する役割もある。
*3 放射線計測器の点検
    校正用線源を天然ウランからコバルトに変更したことにともなう点検。
*4 β線放出率
    校正用線源から単位時間に放出されるβ線の数。

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