「平成19年度経営計画」について
平成19年3月28日
東京電力株式会社
当社はこのたび、東京電力グループのさらなる成長・発展と持続的な企業価値の
向上をめざし、今後3年間に重点的に取り組む課題と主要な経営目標をまとめた
「平成19年度経営計画」を策定いたしました。
これは、2010(平成22)年度を目標年度とした東京電力グループの中期経営方針
「経営ビジョン2010」で掲げた目標を達成するための具体的なアクションプラ
ンを、「社会の信頼を得る」「競争を勝ち抜く」「人と技術を育てる」という3つ
のグループ経営指針に沿ってとりまとめたものです。
主な内容は、以下のとおりです。
[信頼回復に向けた取り組みの強化]
発電設備に関するデータ改ざんや法令手続きの不備など、不適切な取り扱い事例
が明らかになったことに対する強い反省に立ち、立地地域をはじめ広く社会の皆さ
まからの信頼回復を最重要かつ喫緊の課題として位置づけ、東京電力グループを挙
げて取り組んでまいります。
〇再発防止対策の拡充
(1)意識面(しない風土)の対策
1.「企業倫理遵守に関する行動基準」の規定内容の充実
2.部門・職場の特性等を念頭においた企業倫理研修の充実
3.企業倫理遵守に関する宣誓書への署名
4.部門間、事業所間のより一層の人材交流の推進
(2)仕組み面(させない仕組み)の対策
1.第一線職場の設備や業務に適合した規程・マニュアルへの見直し
2.内部監査機能の強化・充実
(3)仕組み面(言い出す仕組み)の対策
1.立地地域・社会の声を業務運営に活かす仕組みの強化
2.業務の点検月間の設置等による業務の集中的見直しの実施
3.設備のトラブルや不具合を管理する仕組みの充実
4.業務プレッシャー等から第一線職場が抱える悩みを軽減するためのサポー
トの強化
5.第一線職場支援のための法務・コンプライアンス機能の強化
6.原子力部門の業務運営の見直し 1.社会の信頼を得る
企業倫理・法令順守の取り組みを充実・徹底し、信頼回復をめざすとともに、安
定供給、エネルギーセキュリティの確保などに努めてまいります。
1)電力需要見通し
a)販売電力量
・平成17~28年度までの年平均増加率は、1.1%(気温うるう補正後)
・平成19年度は、前年度比2.0%増
b)最大電力
・平成17~28年度までの年平均増加率は、0.9%(気温補正後)
・平成19年度は、6,110万kW(発電端1日最大) 2)電源設備計画
安定供給、エネルギーセキュリティの確保を基本に、経済性、運用性および
環境への適合などを総合的に勘案し、原子力を中心とした電源のベストミック
スを着実に推進してまいります。 3)地球環境問題への的確な対応
「CO2排出原単位を2008(平成20)~2012(平成24)年度の5年間平均で
1990(平成2)年度比20%削減」という目標※の達成に向け、
・CO2削減に資する原子力発電所の安全・安定運転
・火力発電の熱効率向上
・RPS法に基づく義務の履行を通じた再生可能エネルギーの利用拡大
・海外の温暖化ガス削減プロジェクトからの炭素クレジットの取得
などを推進します。
※京都議定書の第一約束期間(2008~2012年)にあわせ、今回計画より5年間平
均での評価に変更。 2.競争を勝ち抜く
競争が激化する中、今後ともお客さまから選ばれ続けるため、多様化・高度化す
るお客さまのニーズにお応えするサービスをグループ一体となって提供してまいり
ます。また、あらゆる分野でコストダウンを推進し、価格競争力の一層の強化に取
り組んでまいります。
1)販売拡大戦略の展開
平成19~21年度の3年間合計で60億kWh程度の販売電力量を開拓し、「経営ビ
ジョン2010」における開拓目標(平成16~22年度の累計で「100億kWh以上
を開拓」)の前倒し達成をめざします。 <法人・大口のお客さま>
・業務用分野
蓄熱システム、高効率熱源機、ヒートポンプ給湯機、電化厨房などを活用
し、空調・給湯・厨房分野におけるさらなる電化を推進。
・産業用分野
電気加熱、ヒートポンプ等により生産工程の電化を推進していくとともに、
当社ガス、NAS電池、ボイラーなどの活用により、お客さまの最適なエネ
ルギー使用に向けたトータルエネルギーソリューションサービスを、グルー
プ会社※とともにご提供。
※ 東京都市サービス(株)、東電工業(株)、
日本ファシリティ・ソリューション(株)など
・工場などの企業誘致を促進するため、自治体の誘致活動および企業の立地検
討を支援。
<家庭用のお客さま>
・エコキュートやIHクッキングヒーターなどの高効率で利便性の高い機器を
活用したオール電化住宅の普及拡大を図り、平成21年度に20万戸以上の獲得
(年間増分)をめざします。 2)コストダウンへの取り組み
「経営ビジョン2010」における業務効率改善目標(平成22年度までに
「2003(平成15)年度比で20%以上改善」)の達成に向け、設備安全・品質確保
を大前提に、グループの総力をあげて、設備形成や運用・保守の合理化、業務
プロセスの見直しなどあらゆる分野で一層のコストダウンに取り組んでまいり
ます。
<設備投資の水準>
平成19~21年度の3年間平均の設備投資額を6,400億円程度とします。 3)成長性確保に向けた収益力のある新事業の推進
「情報通信」「エネルギー・環境」「住環境・生活関連」「海外」の4分野
で、当社の経営資源やグループ全体の総合力を活かし、持続的な成長・発展に
向けて新事業を推進してまいります。
今後は、電気事業の周辺を中心とした戦略的な事業展開を図り、とりわけ、
売上・利益拡大の核となりうる、「エネルギー・環境」(燃料事業など)、「海
外」(発電事業など)両分野での取り組みを強化してまいります。 <電気事業以外の売上高・営業利益目標>
「経営ビジョン2010」における目標(平成22年度までに「電気事業以外の
売上高3,000億円以上、電気事業以外の営業利益500億円以上を確保」)を1年前
倒し、21年度に以下の目標の達成をめざします。 <参 考>
《 燃料事業 》
エネルギー市場をとりまく環境が大きく変化するなか、これまで培った燃料関
連事業のノウハウを活かし、燃料上流事業、LNG船事業、LNG販売事業の拡
大などに積極的に取り組んでまいります。 《 ガス事業 》
引き続き、お客さまの幅広いニーズに対応した「エネルギーのトータルソリュー
ション」を実現するため、ガス販売を推進してまいります。 《 海外事業 》
海外における既存プロジェクトを適切に運営・管理しつつ、グループの技術力・
人的資源を活用し、発電分野を中心とした投資事業やコンサルティング事業をさ
らに推進してまいります。 3.人と技術を育てる
コミュニケーションの活性化を通じてオープンな企業風土を構築していくととも
に、技術・技能の強化・向上、将来の成長を支える技術戦略の推進にグループ一体
となって取り組んでまいります。
1)将来の成長を支える技術戦略の推進 4.主要目標
1)利益・フリーキャッシュフロー目標
グループ一体となった業務全般にわたる徹底した効率化を進めるとともに、
お客さま満足の獲得をめざした営業活動を積極的に展開することで売上を拡大
し、利益水準の維持・向上を図ります。さらに、設備投資などの現金支出を抑
制することで、フリーキャッシュフローの確保に努めてまいります。また、設
備の運用合理化や資産のスリム化を進めることで、資産効率の向上に取り組ん
でまいります。
こうした取り組みにより、平成19~21年度の3年間平均で、以下の目標の達
成をめざします。
<具体的な目標>
■経常利益 [連結] 4,000億円以上
[単体] 3,500億円以上
■ROA (総資産利益率) [連結・単体] 4%以上
■FCF (フリーキャッシュフロー) [連結・単体] 3,500億円以上 2)財務体質改善目標
「経営ビジョン2010」における目標(平成22年度までに「株主資本比率
25%以上」)の着実な達成に向け、平成21年度末時点で以下の目標の達成をめ
ざします。
<具体的な目標>
■株主資本比率 (平成21年度末 単体) 24%以上
(平成19~21年度の3年間で有利子負債を5,000億円程度削減) 以 上
<参 考> <参 考>
[経営ビジョン2010(東京電力グループ中期経営方針)]
「経営ビジョン2010」では、「エネルギーの最適サービスを通じて豊かな生
活と快適な環境の実現に貢献する」というグループ経営理念のもと、「社会の信頼
を得る」「競争を勝ち抜く」「人と技術を育てる」という3つのグループ経営指針
を掲げた上で、5つの数値目標を設定しております。
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