プレスリリース 2007年

定期検査中の福島第一原子力発電所2号機における自動減圧系制御回路の地絡にともなう原子炉手動停止に関する原因と対策について

                             平成19年1月23日
                             東京電力株式会社

 当社・福島第一原子力発電所2号機(沸騰水型、定格出力78万4千キロワット)
は、平成19年1月16日午前0時より原子炉の起動操作を開始しましたが、同日午後
8時58分、直流電源の地絡警報*1が発生しました。
 このため、原子炉の起動操作を中断し調査したところ、自動減圧系*2の回路の
地絡であることが判明したことから点検しておりました。
 点検の結果、地絡箇所は、原子炉格納容器内である可能性が高いことから、1月
17日午前9時12分、原子炉を手動にて停止し原因調査することを判断しました。こ
れによる外部への放射能の影響はありません。
                     (平成19年1月17日お知らせ済み)
 
 調査の結果、以下のことがわかりました。
 ・原子炉格納容器内において、自動減圧系の逃がし安全弁*3用の電磁弁*4に
  直流電源を供給するために布設していたケーブル1本が、主蒸気系配管サポー
  トと隣接する計装用圧縮空気系配管サポートとの間に挟まってつぶれ、ケーブ
  ルの被覆が損傷していたこと。
 ・当該ケーブルの絶縁抵抗が低下していたこと。
 ・自動減圧系制御盤および当該電磁弁に異常は認められないこと。

 警報発生の原因は、当該ケーブルを主蒸気系配管サポート上に固定せずに布設し
ていたため、今回の定期検査において逃がし安全弁の点検作業を行った際に主蒸気
系配管サポートから当該ケーブルがずれ落ち、その後、原子炉の起動による温度上
昇の影響で主蒸気系配管サポートが隣接するサポート側に移動したことにより、挟
まって押しつぶされ、被覆が損傷し、地絡に至ったものと推定いたしました。

 対策として、当該ケーブルを新品と交換するとともに、同様の事象が発生しない
ようケーブルを固定する処置を行いました。
 なお、原子炉格納容器内の他のケーブルについては、サポート間に挟まれ損傷す
る可能性はないことを確認いたしました。

                                  以 上

*1 地絡警報
    電源ケーブル等から漏電し、大地に電流が流れたことを示す警報。
*2 自動減圧系
    非常用炉心冷却系の1つで、原子炉水位が異常に低下した場合において、
   万一、高圧注水系が起動に失敗した際に、原子炉の圧力を下げ、低圧の非常
   用炉心冷却系による原子炉への注水を促進するための設備。
*3 逃がし安全弁
    原子炉の圧力を低下させる際に動作する弁。
*4 逃がし安全弁用の電磁弁
    磁力により弁を開閉駆動させる弁のことで、電磁石の働きを利用して、電
   磁コイルへの電気を「入」「切」することにより逃がし安全弁を開閉する。

添付図
・別紙:自動減圧系 系統概略図、事象発生状況(PDF 27.7KB) 


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