平成19年1月23日
松下電工株式会社
東京電力株式会社
松下電工株式会社(本社:大阪府門真市 社長:畑中浩一)と東京電力株式会
社(本社:東京都千代田区 社長:勝俣恒久)は、集合住宅全体の電気の使用量
を制御し、使い過ぎを防ぐ『幹線パワナビシステム』を共同開発いたしました。
これにより、既築集合住宅において、共用電気幹線の改修をせずに、低コストか
つ短期間で、全戸にIHクッキングヒーターやエアコンなどを追加導入する電化
リフォームが可能となります。4月から両社で提案活動を開始し、10月から松下
電工が販売を開始する予定です。
『幹線パワナビシステム』は、集合住宅全体の共用電気幹線の使用量と各住戸
の電気使用量を同時に監視し、各住戸の電気使用量の合計が共用電気幹線の容量
を超えそうな場合には、電気の使用量が多い住戸から順番に、あらかじめ指定さ
れた家電製品を自動的に停止させて、集合住宅全体の使用量を制御します。また、
各住戸において、電気の使用量が契約容量を超えそうな場合にも、同様に家電製
品を自動的に停止させ、ブレーカの動作を未然に防止します。
本システムの導入により、共用電気幹線の改修が不要となることに加え、制御
するデータのやりとりに低速電力線搬送通信(低速PLC)(注1)を活用し、
各住戸への通信線の敷設を不要とすることにより、施工コストの低減と工期の短
縮を図っています。
両社は、このたび開発した『幹線パワナビシステム』を、既築の集合住宅で電
化リフォームをご希望のお客さまに積極的にお勧めするとともに、今後、エアコ
ンなどの電化機器を無線で制御したり、電気の使用状況等を表示するなど、より
利便性の高い機能を充実させていく予定です。
なお、本システムは、1月31日から開催される「ENEX2007」(注2)
で紹介いたします。
■主な特長
(1)既築集合住宅で共用電気幹線を改修せずに、全住戸の電化リフォームが
低コスト・短期間で可能
(2)共用電気幹線の電気使用量の制御に低速PLCを活用
(3)各住戸では、電気の使い過ぎを音声でお知らせし(オプション)、自動
的にエアコン等の電源を制御
■開発の背景
現在、既築の戸建住宅における電化リフォームが進む中、既築の集合住宅にお
いても、利便性や資産価値の向上などの面から電化リフォームが注目されつつあ
ります。その一方で、共用電気幹線の容量の増強が必要となる事例が多く、特に
分譲集合住宅の場合には、当該のコスト負担に対する入居者全体の合意が得られ
にくいなどの課題があります。
こうした中、松下電工と東京電力は、お客さまが既築集合住宅における電化リ
フォームを推進しやすいよう、集合住宅全体の電気の使用量を制御して使い過ぎ
を防ぎ、共用電気幹線を改修せずに低コストかつ短期間での電化リフォームを可
能とする『幹線パワナビシステム』を新たに共同開発いたしました。
[注1]電力線搬送通信(PLC Power Line Communication):
電力線搬送通信(PLC)とは、家庭の電力線を通信回線として使用す
る通信方式。
通信機器を電力線につなぐだけで簡単に通信ができ、新たな通信線の
施設工事を行う必要がなく、安価な費用で導入できるメリットがある。
PLCには低周波帯(10kHz〜450kHz)を利用する低速PLCと、高周波帯(2
MHz〜30MHz)を利用する高速PLCとの2種類がある。
[注2]ENEX2007:
名 称 第31回地球環境とエネルギーの調和展 ENEX2007
目 的 ・省エネルギー・新エネルギーの最新技術の紹介と、導
入促進・機器普及のための最新情報や導入事例情報の
提供
・生活者に対する省エネルギー意識の醸成と実践行動の
動機付け
主 催 財団法人 省エネルギーセンター
期 間 平成19年1月31日(水)〜2月2日(金)
東京会場 東京ビッグサイト 西展示場
【一般のお客さまからのお問い合わせ先】
松下電工株式会社 情報機器事業本部
戦略企画推進室(松下電工電路システム株式会社)
TEL 06-6908-1131(大代表)
東京電力株式会社 営業部
生活エネルギーデザインセンター
TEL 03-4216-1111(代表)
<参考> 開発者
松下電工株式会社
所在地:大阪府門真市大字門真1048番地
代表者:代表取締役社長 畑中浩一
設 立:昭和10年12月
資本金:1,485億円
東京電力株式会社
所在地:東京都千代田区内幸町1丁目1番3号
代表者:取締役社長 勝俣恒久
設 立:昭和26年5月
資本金:6,764億円
■特長
(1)既築集合住宅で共用電気幹線を改修せずに、全住戸の電化リフォームが低
コスト・短期間で可能
1)集合住宅全体の電気の使用量を制御し、使い過ぎを防ぐことにより、
既存の共用電気幹線の活用が可能
2)全住戸にIHクッキングヒーター等の追加導入が可能
3)費用負担が少ない
大規模な幹線改修の場合、全住戸が多大な費用を按分して負担しな
ければなりませんが、このシステムは簡単な設置工事だけで済むた
め低コストです。また、住宅分電盤の設置工事は電化リフォームを
要望される住戸だけで済みます。
4)幹線改修が不要のため、短期間での施工が可能
(幹線改修の場合)2〜3ヶ月 ⇒ (本システムの場合)1〜2週間
5)各住戸の費用負担が少なく工期も短期間のため、管理組合の合意を得やすい
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(2)共用電気幹線の電気使用量の制御に低速PLCを活用
幹線の電流を監視する親機ユニットから各住戸内に設置される子機ユニットへ
の通信には低速PLCを使用することで、信号伝送のための新たな通信線が不要
となり、施工コストの低減と工期の短縮が可能となります。
本システムは幹線制御に必要なデータ伝送量が少ないため低速PLCを採用し
ています。
(3)各住戸では、電気の使い過ぎを音声でお知らせし(オプション)、自動的に
エアコン等の電源を制御
共用電気幹線の電気の使用量が容量を超えそうな場合、あるいは各住戸の
電気使用量が契約容量を超えそうな場合、あらかじめ設定したエアコン等の
電源を自動的に切断します。やがて幹線電流および住戸電流が一定の値を下
回ると、切断していた電源を通電状態に戻します。(ただし、家電機器を改
めて使用する場合は、機器の操作スイッチを「入」にする必要があります。)
さらにオプション採用のおしらせユニットを台所や廊下などに設置するこ
とにより、電気の使用量をLEDでわかりやすく表示し、電気の使い過ぎを音声
でお知らせします。
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動作説明:
1.幹線分岐盤内に設置された親機ユニットは共用電気幹線の電流値を監視し、
幹線状態信号として各住戸分電盤内に設置された子機ユニットへ伝えます。
2.親機ユニットと子機ユニット間は低速PLCで通信を行います。
3.各住戸の電流計測ユニットは子機ユニットから幹線状態信号を受信し、住戸
内の電流値と合わせて監視します。
4.幹線電流・住戸電流どちらかの電流が容量を超えますと電流計測ユニットは、
制御信号を発信します。
5.制御信号を受けたリレーユニットは接続されたエアコン等の家電機器の電源
を切ります。
6.幹線電流・住戸電流が一定の値を下回ると電流計測ユニットは、復帰信号を
発信します。
7.復帰信号を受けたリレーユニットは接続されたエアコン等の家電機器の電源
を通電状態に戻します。(ただし、家電機器を改めてご使用になる場合は、
機器の操作スイッチを「入」にする必要があります。)
8.おしらせユニットは電流計測ユニットからの信号を受けて、LED表示と音声で
電気の使用状態をお知らせします。(オプション)
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