平成18年12月8日
東京電力株式会社
当社は、本日、経済産業省原子力安全・保安院より、水素脆化*1が進展しやす
い鉄筋を用いた電柱について、可能な限り早急に点検を実施するとともに必要な
建て替えを行うこと、また、点検および建て替えの実施計画を平成18年12月15日
までに報告するよう指示を受けましたので、お知らせいたします。
当社は、日本工業規格*2に基づいて製造された鉄筋コンクリート製の電柱を、
必要な強度について定めた電気設備に関する技術基準*3に則り設置しております。
しかしながら、一部の電柱(日本コンクリート工業(株)、昭和50-52年製造)は、
内部の鉄筋に水素に反応しやすいものを使用していることから、電線の張力など
の影響で電柱に生じたひびに雨水が浸入することにより腐食した鉄筋で水素脆化
が進展し、強度が低下することで折損に至る可能性があり、当社ではこれまでに
6例確認されております。(別紙)
当社では、これらの電柱の折損を防止するため、点検を実施し、ひびのあるも
のについて建て替えを行ってまいりました。また、その後も定期的な点検により
電柱の健全性を確認しておりましたが、電柱上部の折損事例が確認されてきたた
め、より一層の点検の精度を高めるべく平成17年度より電柱に昇っての詳細点検
を開始しております。
当社は、平成18年12月現在、約32万本の電柱を個別に管理しており、うち24万
本については、すでに電柱に昇っての上部の点検を終了しております。残りの8
万本の電柱については、平成19年度末までに点検を終了し、ひびのあるものにつ
いては順次建て替えなどの対策を実施することとしておりますが、このたびの原
子力安全・保安院からの指示を受けて、従来の点検および建替計画を改めて再検
討し、提出することといたします。
以 上
*1:水素脆化
鉄筋の腐食反応により発生した水素が鉄筋内部に侵入・拡散し脆化させ
る現象
*2:日本工業規格
コンクリート製品に要求される強度、性能、材料、製造方法、試験方法、
検査方法などが規定されている。
*3:電気設備に関する技術基準
電柱は、電線による引張荷重、風圧荷重(風速40m/秒または条件により
約28m/秒の風圧)及び、気象の変化、振動、衝撃等の環境変化を考慮し、
倒壊の恐れがないよう、安全なものでなければならない。(要約)
添付資料
・別紙:折損事例(PDF 48.8KB) |