平成18年4月10日
東京電力株式会社
当社・福島第二原子力発電所4号機(沸騰水型、定格出力110万キロワット)
は、定格熱出力一定運転中のところ、平成18年2月14日頃より原子炉再循環ポン
プ(A)の第2段軸封部(メカニカルシール)*1の圧力に緩やかな下降傾向が
見られ、その後も圧力の下降傾向が継続していたことから、2月22日より関連パ
ラメータの確認頻度*2を増やし、監視を強化しておりました。
その後、引き続き、関連パラメータの監視を継続しておりましたが、当該ポン
プのシール機能は維持されているものの、第2段軸封部の圧力の緩やかな下降傾
向は継続していることから、計画的にプラントを停止し、当該軸封部の点検・取
り替えを行うことといたしました。
なお、今回のプラント停止において、現在、原子炉内に装荷されているハフニ
ウム板型制御棒17本の取り替えを実施いたします。
(平成18年2月22日、3月17日お知らせ済み)
点検の結果、第2段軸封部の静止リングと回転リングのシール摺動面において、
静止リング側と回転リング側の表面に傷および面荒れを確認いたしました。この
傷および面荒れは、静止リングと回転リングの接触状態が安定していないこと、
および第2段軸封部に微細な異物が混入し当該シール摺動面にかみ込んだことに
より発生したものと考えております。これらが原因で、第2段軸封部のシール機
能が低下し、より多くのシール水が流れ出して、第2段軸封部の圧力が下降した
ものと推定いたしました。
当該軸封部については新品に取り替え、健全性を確認いたしました。また、再
発防止対策として、従来から実施している異物混入防止管理の徹底を継続すると
ともに、シール摺動面の更なる安定性向上に向けて、構造・材料などの検討およ
び開発を実施することといたします。
なお、今回のプラント停止において、原子炉内に装荷されていたハフニウム板
型制御棒17本の取り替えおよび点検を実施し、健全性に問題のないことを確認い
たしました。
準備が整い次第、原子炉起動操作を開始いたします。
以 上
*1:軸封部(メカニカルシール)
ポンプ内部の水(冷却材)が主軸を通してポンプ外部に出ないようにする
ために設けられている部分。軸封部は2段構成となっている。
*2:関連パラメータの確認頻度
原子炉再循環ポンプ軸封部の圧力、温度および格納容器内低電導度廃液系
ドレン流量の確認頻度を1日1回から1時間に1回に増やす。
添付資料
・4号機原子炉再循環ポンプ軸封部概略図(PDF 15.5KB) |