プレスリリース 2006年

点検停止中の福島第一原子力発電所3号機気水分離器等貯蔵プール内で発見・回収された金属片らしきものの調査状況について


                            平成18年3月20日
                            東京電力株式会社

 当社・福島第一原子力発電所3号機(沸騰水型、定格出力78万4千キロワット)
は、平成18年2月22日より点検停止*1中ですが、3月10日、気水分離器等貯蔵
プール*2内において、当該プールと原子炉との仕切りゲートの受け架台上に、
金属片らしきもの1個(約1cm×約4cm)を発見・回収したことから、調査を行
うことといたしました。
                    (平成18年3月11日お知らせ済み)

 調査の結果、3月10日に回収した金属片らしきものについては、回収物の色、
厚さおよび放射線量が3月4日に回収したハフニウム板型制御棒*3のシース部*4
(以下、「当該シース部」)の欠損部分と同等であること、さらに、一部の形状
がシース部に設けられた冷却孔の形状と類似していることから、原子炉内の制御
棒案内管*5内より全量を回収したとお知らせした当該制御棒*6の欠損部分の一
部であると判断いたしました。
 また、これまでの回収物(2個)について当該シース部の欠損部分と比較した
ところ、2個の未回収部分(約4mm×約10mm[約0.26g]、約2mm×約10mm
[約0.13g])があると判断いたしました。

 当該制御棒の欠損部が気水分離器等貯蔵プール内で発見された原因は、制御棒
案内管内に落下していた当該シース部の欠損部分の回収作業で使用した装置*7
をプール内で解体した際に、吸引によりホース内に留まっていた回収物が残留水
とともに落下したものと推定いたしました。
 また、今回、当該制御棒の欠損部が、気水分離器等貯蔵プールと原子炉との仕
切りゲートの受け架台上で発見されたことから、未回収部分については、落下し
た可能性があるエリアについて調査を行っております。

 なお、今回の調査にともない、原子炉シュラウド外周部において、3月19日、
棒状の金属(直径約13mm、長さ約80mm)を回収いたしました。今後、回収した棒
状の金属についても調査いたします。

                                 以 上

*1 点検停止
    原子炉再循環ポンプ(B)軸封部(メカニカルシール)のシール性が低
   下したことから、当該軸封部を取り替えるため、2月22日午前8時3分、
   原子炉停止。
                    (平成18年2月20日お知らせ済み)
*2 気水分離器等貯蔵プール
    定期検査時において燃料を取り替える際等に、原子炉圧力容器内燃料の
   上部に設置される蒸気乾燥器、気水分離器を取り出し、保管するためのプ
   ール。
*3 ハフニウム板型制御棒
    高い中性子吸収能力を有するハフニウムを使用した制御棒で、ボロンカ
   ーバイド型制御棒よりも寿命が長い。
*4 シース部
    ハフニウムを包んでいる金属板。
*5 制御棒案内管
    制御棒を引き抜いた際に制御棒を収納する管。
*6 全量を回収したとお知らせした当該制御棒
    3月3日より、原子炉内から取り出したハフニウム板型制御棒(18本)
   について外観確認を実施した結果、合計5本の制御棒のシース部にひび、
   また、そのうち1本の制御棒にはタイロッド部のひびとシース部の一部に
   欠損部(約3cm×約7cm)が認められた。当該制御棒の欠損部分について
   は、3月4日に原子炉内を確認したところ、当該制御棒が運転中に使用さ
   れていた位置の制御棒案内管内より欠損部らしき金属片を回収し、翌5日
   に全量を回収したと判断していた。
                 (平成18年3月3日、7日お知らせ済み)
*7 回収作業で使用した装置
    今回の異物を吸引・回収するために設置した仮設装置で、水中ポンプ・
   フィルタ・ホースで構成される。

添付資料
・3号機制御棒のシース欠損部 回収部品確認状況(PDF 36.2KB)3号機ハフニウム板型制御棒欠損部の探索範囲(PDF 56.2KB)
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