プレスリリース 2006年

福島第一原子力発電所4号機の復水器の真空度低下による出力降下の調査結果について


                            平成18年3月10日
                            東京電力株式会社

 当社・福島第一原子力発電所4号機(沸騰水型、定格出力78万4千キロワット)
は、平成17年12月3日より発電を開始しましたが、12月10日、復水器の真空度低
下傾向*1の調査中に高圧復水ポンプ*2入口側の配管に取り付けられたサンプリ
ング配管*3の溶接部から水のにじみが確認されたことから、原因調査を行い必
要な対策を講じるため、12月13日にプラントを停止いたしました。
 停止中に復水器を真空にした状態で復水器側への空気流入の有無を確認する調
査などを実施しましたが、機器の故障などの異常は確認されなかったことから、
念のため、復水器につながる主要な配管や弁の接続部に空気の流入を防止する処
置を施しました。
 その後、プラントを起動し出力を上昇させて、復水器の真空度に係るデータの
幅広い採取や現場において機器の状態確認などに関する原因調査を実施し、調査
結果を踏まえて必要な対策を行うことといたしました。
                    (平成18年2月28日お知らせ済み)

 同号機は、3月3日午前10時7分より発電を開始し、タービン軸封部*4のシ
ール蒸気*5圧力など復水器の真空度に係るデータを確認しながら、発電機出力
を復水器の真空度低下傾向が確認された約59万キロワットまで徐々に上昇させま
したが、異常は認められませんでした。その後、発電機出力を上昇させ、3月6
日午後6時30分、定格出力に到達いたしましたが、復水器の真空度は通常値に維
持されており、同様の事象は再現しませんでした。
 今回の停止中に復水器につながる主要な配管や弁の接続部に空気の流入を防止
するための処置を施していることから、今回のプラント起動において、その処置
の効果があった可能性も考えられますが、復水器の真空度低下の原因特定には至
らなかったことから、当プラントについては今後の起動時においても、復水器の
真空度に係るデータを確認し調査を行うことといたします。

 今後、準備が整い次第、発電機出力を約36万キロワットまで降下させ、現場調
査に使用した機材の片づけ作業を行った後に、定格出力に復帰いたしますが、そ
の際にも復水器の真空度に係るデータについては継続して確認し調査を行いなが
ら運転してまいります。

                                 以 上

*1 復水器の真空度低下傾向
    平成17年12月3日、発電開始後に発電機出力を約59万キロワットまで上
   昇させた際、復水器の真空度が低下したことから、発電機出力を約32万キ
   ロワットまで手動にて低下させ、調査を実施した。その後、12月6日より
   発電機出力を約55万キロワットまで上昇させたところ、12月7日、再度、
   復水器の真空度に低下傾向が見られたため、発電機出力を約32万キロワッ
   トまで手動にて低下させ、真空度の低下傾向は見られなくなった。
*2 高圧復水ポンプ
    タービンで仕事をした蒸気は復水器で冷却され、水(復水)に戻される。
   その復水を原子炉に戻すためのポンプの一つ。
*3 サンプリング配管
    配管内を流れる水(復水)を分析・測定するために設けられた配管。
*4 タービン軸封部
    タービン車軸とケーシングの隙間。
*5 シール蒸気
    タービン軸封部から復水器への空気の流入を防ぐとともに、タービン駆
   動蒸気が外部へ流出しないよう軸封部を気密化するための蒸気。

添付資料
・4号機系統概略図(PDF 18.6KB)
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