平成17年10月12日
東京電力株式会社
当社・柏崎刈羽原子力発電所3号機(沸騰水型、定格出力110万キロワット)
は、定格熱出力一定運転中のところ、平成17年9月14日にタービン建屋低電導度
廃液系*1サンプ(A)ポンプ*2の起動回数の増加を確認しました。このため当
該サンプへの流入源を調査していたところ、9月15日、第2給水加熱器*3(A)
に取り付けられている逃がし弁*4から高温水(給水)が当該サンプに流入してい
ることを確認しました。
当該サンプの水温上昇を抑えるために、当該サンプに復水補給水*5を注水し、
当該サンプポンプの起動回数ならびに温度について継続的に監視していたところ、
10月2日頃より当該サンプの温度にゆるやかな上昇傾向が見られたことから、10
月7日に計画的に発電を停止し、当該逃がし弁の点検を行うことといたしました。
(平成17年9月16日、10月5日お知らせ済み)
当該逃がし弁を分解点検した結果、弁体と弁座のシート面に傷が確認されたこ
とから、弁体と弁座の間にゴミ等がかみ込んだことによりシート面に傷がつき、
これによりシートリークが発生したものと推定いたしました。
当該逃がし弁については、弁体と弁座のシート面を磨くことにより摺り合わせ
調整を行い、機能の健全性を確認いたしました。
今後、準備が整い次第、原子炉起動操作を開始いたします。
以 上
*1:低電導度廃液系
建屋内の機器からの排水、試料採取時の廃液を処理するための設備。
*2:サンプポンプ
低電導度廃液系サンプ(タンク)に溜まった廃液を排水するためのポンプ。
*3:給水加熱器
原子炉への給水を温めるための機器で、熱効率を上げるため徐々に昇温す
る設備。
*4:逃がし弁
給水加熱器を隔離した場合、給水加熱器内の水の膨張による圧力上昇を抑
制するために、これを逃がすための弁。
*5:復水補給水
プラント停止時の原子炉ウェルへの水張りや通常運転中における復水器へ
の補給など、さまざまな設備で使用されている水。
添付資料
・柏崎刈羽原子力発電所3号機 給水加熱器等系統概略図(PDF 16.3KB) |