平成17年3月11日
東京電力株式会社
当社・福島第一原子力発電所4号機(沸騰水型、定格出力78万4千キロワット)
は、定格出力にて運転中のところ、平成16年12月8日、タービン建屋地下1階給水
加熱器室上部から水が滴下していることを、パトロール中の当社社員が発見いたし
ました。
床面への漏えい量がごくわずかなため、放射能量の測定ができなかったものの、
滴下した水から復水系に含まれる放射性物質が検出されたことから、再度現場状況
を確認したところ、上部配管付近から霧状の漏えいを確認いたしました。
本事象は直ちに運転に影響を及ぼすものではありませんが、点検および原因調査
のため、プラントを停止することといたしました。
(平成16年12月8日お知らせ済み)
漏えい箇所を調査した結果、タービン駆動原子炉給水ポンプ*1の駆動用蒸気の
流量を調整する弁から凝縮水を復水器へ排出するための配管の曲り部(2箇所)に、
大きさ(最大)約7mmと約11mmの貫通孔を確認いたしました。また、当該漏えい箇
所の上流側に設置された水位調整弁*2に漏えいの跡が確認されました。
そのため、当該配管および類似配管*3(11ライン)について、放射線透過検査*4
による確認を行ったところ、当該配管および類似配管(2ライン)の曲り部の一部
に顕著な減肉が確認されました。なお、当該配管および類似配管の水位調整弁より
上流側に減肉は確認されませんでした。
当該配管の漏えいの原因は、水位調整弁の漏えいにより当該配管内に連続的な凝
縮水を含む蒸気の流れが発生したため、曲り部が浸食され当該配管が貫通したこと
から、漏えいしたものと推定いたしました。
対策として、当該配管及び類似配管の水位調整弁等の点検を行いました。今後、
当該配管及び顕著な減肉が確認された類似配管の取り替えを行います。また、類似
配管に設置された水位調整弁等の点検を定期検査ごとに実施いたします。なお、今
回の事象を踏まえ、肉厚測定を実施する代表部位の選定位置や測定方法を見直し、
当社配管減肉管理指針へ反映し、適切に配管減肉管理を実施いたします。
また、他プラントについても当該号機と同様の対策を実施するとともに、プラン
ト運転中の漏えい事象に対する監視強化のため給水加熱器室へのテレビカメラの設
置および照明の強化を行います。
以 上
*1 タービン駆動原子炉給水ポンプ
プラントの通常運転状態において原子炉へ給水するために蒸気タービンに
よって駆動するポンプ。
*2 水位調整弁
並列に設置された排水器(蒸気配管からの凝縮水を一定量集めて間欠的に
復水器へ排水させる水抜き装置)が作動しない場合や凝縮水が多い場合に排
水させるための弁。
*3 類似配管
復水器に接続されている排水配管で、途中に設置されている水位調整弁の
漏えいにより配管減肉に有意な影響を与えると考えられる曲り部を持つ小口
径配管。
*4 放射線透過検査
放射線を利用した金属材料などの内部の傷の有無などを調べる検査。
添付資料
・4号機タービン建屋における水漏れの概要図(PDF 36.4KB) |