プレスリリース 2004年

「骨材置換法による再生粗骨材コンクリート」の活用に関する大臣認定について〜低コスト・低環境負荷の再生粗骨材コンクリートを横浜火力発電所内の廃棄物焼却炉建物に活用〜

                           平成16年9月17日
                           東京電力株式会社
                       住友大阪セメント株式会社
                       横浜エスオーシー株式会社

 東京電力株式会社、住友大阪セメント株式会社および横浜エスオーシー株式
会社は、東電設計株式会社の技術協力により、このたび、「骨材置換法 注1に
よる再生粗骨材 注2コンクリート」の活用に関する大臣認定 注3を取得いたし
ました。
 これにより、横浜火力発電所1〜3号機の廃止に伴う解体コンクリートを用
いて、再生粗骨材コンクリートを製造し、平成16年11月より建設を開始する横
浜火力発電所内の廃棄物焼却炉建物に活用することといたしました。

 従来の再生粗骨材コンクリートの製造方法では、再生粗骨材を普通粗骨材 注4
の代替品として使用するため、その品質を普通粗骨材と同等にする必要があり
ました。したがって、再生粗骨材の製造にあたっては、解体コンクリートに付
着したモルタルを除去する大がかりな処理を行わなければならず、その結果と
して解体コンクリートの3割程度しか再生することができませんでした。
 これに対して、骨材置換法では、普通粗骨材と再生粗骨材を混合した際の品
質を適切に評価する「相対品質値法 注5」を用いて、2つの粗骨材を混ぜ合わ
せた再生粗骨材コンクリートを製造いたします。これにより、高品質な再生粗
骨材は必要としないことから、製造が簡便で、6割から7割程度を再生でき、
従来に比べ約30%のコスト削減が可能です。また、汎用的なコンクリート破砕
機を使って建築現場内で再生粗骨材を製造することで、解体コンクリートの搬
送量が減ることによりCO2排出量の低減につながるなど、優れた経済性およ
び環境負荷の低減効果を有しております。

 「骨材置換法による再生粗骨材コンクリート」については、平成14年1月に
国内で初めて東京電力が大臣認定を受け、同社千葉火力発電所本館の解体コン
クリートを用いて製造し、同発電所内の建物の基礎に活用すると共に、長期耐
久試験で品質を評価してまいりました。
 こうした実績に基づくこのたびの大臣認定の取得により、今後は、住友大阪
セメントのグループ企業である横浜エスオーシーにおいて、東京電力施設の解
体コンクリートを用いて製造される再生粗骨材コンクリートについては、東京
電力の所有する全ての建物に活用できることとなり、本格的な利用が可能とな
りました。

 今後も、3社による協力のもと、さらなる活用範囲の拡大を目指し、技術開
発とその実用化に積極的に取り組んでまいります。

                                以 上

注1:骨材置換法
    再生粗骨材を普通粗骨材と混合してコンクリートに使用する方法で、
   混合比率(置換率)を調整することにより、再生粗骨材コンクリートの
   品質を確保することができる。

注2:再生粗骨材
    コンクリート構造物等の解体により発生するコンクリート塊を破砕・
   分別処理し、コンクリート用骨材として、普通粗骨材(砂利、砕石)の
   代替えに用いるものを再生粗骨材という。また、その一部または全部に
   再生粗骨材を用いたコンクリートを再生粗骨材コンクリートという。

注3:大臣認定
    建築基準法第37条では、「建築物の基礎、主要構造物その他の安全上、
   防火上または衛生上重要な部分に使用する木材、鋼材、コンクリートな
   どは、その品質が日本工業規格又は日本農林規格に適合するか(第一号)、
   または品質に関する技術的基準に適合するものであることについて国土
   交通大臣の認定を受けたものでなければならない(第二号)」とされて
   いる。
    これに基づき、再生骨材コンクリートを建築物に適用する場合は、建
   築基準法第37条第二項に規定される材料性能評価により、国土交通大臣
   の定めた「品質に関する技術的基準」に適合するとの認定(大臣認定)
   を受ける必要がある。

注4:普通粗骨材
    自然作用によって岩石からできた砂・砂利、砕砂・砕石などの骨材を
   普通骨材といい、このうち5mm網ふるいに質量で85%以上とどまる骨材
   を普通粗骨材という。

注5:相対品質値法
    粗骨材の品質は吸水率や強度等により評価される。普通粗骨材と再生
   粗骨材を混合した場合の品質を、各粗骨材の吸水率や強度等および混合
   比率から算出し評価する方法

【会社概要】

(1)東京電力株式会社
 代 表 者: 取締役社長 勝俣 恒久
 設  立: 昭和26年5月
 所 在 地: 東京都千代田区内幸町1−1−3
 資 本 金: 6,764億円
 事業内容: 電気事業

(2)住友大阪セメント株式会社
 代 表 者: 取締役社長 小田切 康幸
 設  立: 明治40年11月
 所 在 地: 東京都千代田区六番町6−28
 資 本 金: 416億円
 事業内容: セメント事業

(3)横浜エスオーシー株式会社 横浜工場
 代 表 者: 代表取締役 橋本 修
 設  立: 平成9年2月
 所 在 地: 神奈川県横浜市鶴見区大黒町7−81
 資 本 金: 3千万円
 事業内容: 生コンクリートの製造販売

(4)東電設計株式会社
 代 表 者: 代表取締役社長 今藤 健征
 設  立: 昭和35年12月
 所 在 地: 東京都台東区東上野3−3−3  
 資 本 金: 4千万円 
 事業内容: 一級建築士事務所、建設コンサルタント業


<参考>
・「骨材置換法による再生粗骨材コンクリート」の概要(PDF 299KB) 


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