平成14年8月27日
東京電力株式会社
すでにお知らせしましたとおり、当社柏崎刈羽原子力発電所3号機(沸
騰水型、定格出力110万キロワット)は、平成14年8月10日からの第7回
定期検査において、原子炉圧力容器内のシュラウド(注1)を点検(注2)
していたところ、下部リングの溶接部近傍の表面の一部にひびがあること
を確認したため、引き続き下部リング全周にわたり調査を行ってまいりま
した。 (8月23日お知らせ済み)
本日までに、シュラウド下部リング外側の目視可能な範囲(目視可能範
囲は全長に対して約70%)において、小さなひびが部分的に点在してい
ることを確認しました(ひびの長さの合計は目視可能範囲の約8%に相
当)。今後、引き続き当該溶接線について超音波探傷検査による詳細調査、
ならびに当該溶接線以外のシュラウド溶接線の外観目視点検を行うことと
しております。
なお、現在までの調査の結果、今回の事象は昨年7月に福島第二原子力
発電所3号機で発生した事例と、ひびの発生部位、ひびの特徴、シュラウ
ド製造方法及びシュラウドの材質が同等であることから、その原因は応力
腐食割れ(SCC)であると推定しております。
本日、現在までの調査状況と、暫定的な評価結果(注3)を国に報告致
しました。
以 上
(注1)原子炉圧力容器内に取り付けられている燃料集合体(炉心)を囲
むように配置されている円筒状の機器で、原子炉内の冷却水の流
れを分離する仕切板の役割を持ったものです。
(注2)平成13年7月に福島第二原子力発電所3号機のシュラウドにひび
が確認されたことから、その水平展開として、類似の事象が発生
し得る可能性のあるプラントにおいて、原子力安全・保安院の求
めに基づき、定期検査にあわせ計画的にシュラウド点検を実施し
たものです。
(注3)ひびの原因がSCCであると推定されることから、その進展が一
定の深さで止まること、及び、ひびの発生しない残存部分で十分
な強度を有することを解析により確認しました。
|