プレスリリース 2001年

NAS(ナトリウム-硫黄)電池の直接販売の開始について

~高品質の電気をお求めのお客さまへ、来年度からワンストップでサービス開始~



                                                      平成13年10月19日
                                                      東京電力株式会社


 当社は、昭和59年から日本ガイシ株式会社と共同でNAS電池の研究開発に
取り組んでおりましたが、このたび、当社自らがNAS電池の設置から監視・
保守までをワンストップサービスで対応する体制を確立し、平成14年度から直
接販売することといたしました。これにより、高品質の電気をお求めのお客さ
まに対しては、系統電力と一体的な極めて信頼度の高い電力供給サービスを行
うことが可能となります。

 NAS電池は、鉛蓄電池に比べて電力貯蔵能力が約3倍と高く、コンパクト
で長寿命であるという優れた性能を有しており、当社の施設には研究用として
約1.9万kWを設置してまいりました。これまでは、負荷平準化に寄与するシス
テムとして実用化をめざしておりましたが、最近ではインテリジェントビルや
半導体工場のように、品質や信頼度の高い電気を求めるお客さまを中心に、無
停電電源や非常用電源としての活用にも評価が高まってまいりました。
 当社はこのようなお客さまニーズに加えて、営業活動の本格化によるコスト
ダウンにメドがついたことから、お客さまにNAS電池を販売することといた
しました。

 お客さまに設置していただいた場合は、電力使用量の少ない夜間に充電し、
昼間のピーク時に使用することになるため、これまでより安い料金メニューを
ご活用いただけることになります。加えて、契約電力を低減できることから、
エネルギーコストの削減が可能になります。
 また、品質や信頼度の高い電気を求めるお客さまがNAS電池を設置した場
合、瞬時電圧低下対策や非常用電源などバックアップ電源としての機能を兼ね
ることができ、これまで以上に高品質・高信頼度の電気をお使いいただくこと
が可能となります。
 さらに、NAS電池は燃焼を伴わないため、二酸化炭素(CO2)や大気汚
染物質をまったく排出せず、環境面で大変に優れたシステムであります。

 当社はエネルギー・サービスのトップランナーをめざして、「高収益・付加
価値」「環境」「変革」という3つの創造を掲げ、今後ともお客さまニーズを
満たすと同時に、安定供給や環境保全に資する事業に積極的に取り組んでまい
ります。
                                以 上


NAS電池システムの特長
 ITの進展により電源の高信頼化ニーズは益々高まっています。
 NAS電池は、鉛蓄電池の約3倍という高いエネルギー密度が特長で狭隘な
都市部でもコンパクトに大容量システムを設置することができ、1台で「ピー
クシフト」と「電源の高信頼化」をこなす多機能で経済的な電力貯蔵システム
として注目されています。

○電気代がお得
  「季節別時間帯別電力」にご加入の場合、割安な夜間電力の利用や契約電
 力の低減等により電気料金を低減できます。

○電源の高信頼化
  NAS電池を設置することにより、瞬時電圧低下対策、非常用電源兼用、
 電源品質向上などさまざまな付加価値を生むことができます。

 1、瞬時電圧低下(瞬低)を防ぎます
   重要負荷に対し、常時給電または高速切替スイッチによる切替給電を行
  うことにより、通信機能の維持やデータ、半製品の損失を防止することが
  できます。

 2、非常用電源として機能します 
  ・素早く確実な立上りです。
    (非常用発電機:40秒以内 → NAS電池:1秒以内)
  ・非常用発電機のような液体燃料のストックや煩わしい点検・メンテナン
   スが不要です。

 3、電源の品質向上が図れます
  ・さまざまな装置から発生する高調波成分や蛍光灯のチラツキなどのフリ
   ッカー成分を除去することができます。
  ・力率を改善することができます。

○長寿命・メンテナンスフリー
  ・長期間、高サイクル使用に耐えうる長寿命設計。
  (定格能力維持:2500サイクル以上、長期間耐久性:15年以上)
  ・煩わしいメンテナンスが不要です。(定期点検、消耗部品交換等は適時
   実施)

○コンパクト
  ・設置面積は鉛蓄電池の約1/3で、非常用ディーゼル発電機室とほぼ同
   等です。
  ・非常用/常用発電機のような給排気ダクトや冷却水設備が不要となり、
   建築設備工事の軽減が図れ、建物の容積率を有効に活用できます。

○環境にやさしい
  ・燃焼を伴わないため、大気汚染物質(NOx、SOx、煤じん、PM
   (粒子状物質)等)を一切発生しません。
  ・化石燃料比率の低い夜間電力を活用するため、地球温暖化防止(CO2
   排出抑制)にも貢献します。


お客さまへのNAS電池システム設置事例

【国 内】

  お客さま[設置目的]    設置容量 設置時期       備 考

日立エンジニアリング(株)
 大沼工場             300kW   H13.3        東京電力との共同検証
       [実証試験]
アサヒビール(株) 神奈川工場 1,000kW  H13.9        東京電力との共同検証
       [実証試験]
東京都下水道局 葛西処理場  1,000kW   H13.10(予定) 下水道事業用設備とし
      [非常用電源]                                  て設置(下水道局がメ
                                                    ーカより購入)

東京都立羽田地区総合学科高校   200kW   H14.2(予定) 東京電力との共同検証
       [実証試験]

パシフィコ横浜
2002FIFAワールドカップTM   2,000kW   H14.4(予定) ワールドカップ大会開
国際放送センターの                                 催期間のみ使用(終了後、
無停電電源装置                                     当社変電所に移設)

【国 外】

お客さま[設置目的]          設置容量    設置時期           備 考

AEP※技術センター         100kW     14夏(予定)   ・負荷平準化・瞬低対策
[PRを兼ねた瞬低対策用電源]                           兼用瞬低対策時は定格
                                                     ×5倍(500kW)出力を可
                                                     能
                                                    ・AEPがメーカより直
                                                     接購入

※AEP:アメリカン・エレクトリック・パワー社(本社:オハイオ州)





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