平成13年9月26日
東京電力株式会社
日本コム株式会社
日本コム株式会社(日本コム)は昭和56年以来20年間に亘って福島県いわき市
小名浜においてCOM燃料(注1)の製造、その後COM燃料に代わりCWM燃料
(注2)の製造を行ってまいりましたが、このたび1年半後の平成15年3月末日を
もってCWM製造事業を中止するとともに同社を解散することといたしました。
(注1) COM:Coal Oil Mixture 石炭石油混合燃料
(注2) CWM:Coal Water Mixture 高濃度石炭・水スラリー燃料
日本コムは、当初COM燃料を製造し東京電力横須賀火力発電所に供給してきま
したが、同発電所が使用を中止したため、平成5年度からは、年間50万トンのCWM
燃料を常磐共同火力勿来発電所向けに供給してまいりました。
これまで日本コムでは諸経費の削減、事業のスリム化等を行いCWM燃料単価の
削減に努めてまいりました。
しかしながら、CWM設備の劣化が予想以上に進んで、想定していなかった修繕
工事が増加しており、電力コストをできるだけ引き下げることが益々要求される中
にあって、CWM燃料の製造コストの削減努力がもはや限界となってきております。
更に、CWM燃料は、現在海外炭と比べると発熱量当たり単価でおよそ2.5倍であり、
この差は将来的にも縮小する見込みがないと見通されることから、CWM製造事業
を中止するのが適当であるとの判断に至ったものであります。
なお、常磐共同火力勿来発電所はCWMの代替燃料として海外炭の利用を基本と
することを考えており、引き続き小名浜港からの揚炭を計画しております。一方、
東京電力では平成16年7月運転開始予定の広野火力発電所5号機で石炭の使用を計画
しており、このため、現在の日本コムの敷地を一部利用して、新たにコールセンター
を建設、小名浜港で揚炭することを計画しております。
このようにCWM事業を中止し、日本コムは解散いたしますが、小名浜での石炭
関連業務はひき続き行われることになります。今後とも地元関係の方々への影響を
出来るだけ少なくするよう最善の努力を傾注していく所存です。
長年に亘り日本コムの事業を支えていただきました福島県およびいわき市の地元
の皆様方、関係官庁・関係各企業の皆様方には、これまでのご支援、ご協力に対し
まして厚く御礼申し上げますとともに、今後のコールセンター関連業務につきまし
てもひき続きご理解、ご支援いただきますようお願い申し上げます。
日本コムをとりまく以上のようなCWM事業の状況につきまして、重ねて関係各
位のご理解をよろしくお願い申し上げます。
記
1.日本コム株式会社の概要
設立年月日 昭和56年4月1日
主な事業概要 CWMの製造、販売および輸送ならびに石炭に関連する研究調査
所在地 〒971-8101 福島県いわき市小名浜字渚9番地3
(電話0246-52-1061)
資本金 168億円
売上高 59億円(平成12年度)
CWM販売数量 50万トン(契約ベース)
株主 東京電力株式会社 108億4千7百万円(64.6%)
電源開発株式会社 24億7千万円(14.7%)
東北電力株式会社 19億2千3百万円(11.4%)
三菱商事株式会社 15億6千万円( 9.3%)
代表取締役社長 水野源二郎
従業員 88名
2.主な経緯
昭和56年4月 会社設立
昭和60年1月より 東京電力株式会社横須賀火力発電所向けCOM販売
平成9年3月まで (70万トン/年 契約ベース)
昭和63年1月より 常磐共同火力株式会社勿来発電所向けCWM販売
(当初7万トン/年、平成5年度より50万トン/年 契約ベース)
以 上
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