プレスリリース 2001年

定期検査中の福島第二原子力発電所3号機シュラウド下部リング表面のひびの原因と対策について



                           平成13年8月24日
                           東京電力株式会社

  すでにお知らせしましたとおり,当社は,定期検査中の福島第二原子力発電
所3号機(沸騰水型,定格出力110万キロワット)の,シュラウド(円筒形の
水流仕切り板)下部リングの溶接部近傍の表面に発見されたひびについて,詳
細調査を行ってまいりました。
(7月6日お知らせ済み)

 シュラウドの他の溶接部近傍について目視検査を行った結果,当該箇所以外
にはひびは発見されませんでした。また,ひびが確認された部分の金属調査を
実施した結果,応力腐食割れ(SCC)の特徴的な破面が確認されました。
 ひびの原因は,製作時における機械加工(切削)により下部リングの外表面
が硬化したため,溶接による引張り方向の残留応力と運転中の溶存酸素を含ん
だ環境のもとで表面から約0.3mmの深さの粒内型応力腐食割れが発生し,
これが初期のき裂となって,その後,粒界型応力腐食割れが進展したものと推
定されます。
 残留応力は,リング表面では引張り方向ですが,内部では圧縮方向となるた
めひびの進展は自然と止まるものであり,また,当該リングのひびを除いた残
存部分の強度は十分確保されており,運転上支障となるものではありません。

なお,今後の運転に万全を期すため,タイロッド工法による補修を行います。
 
 また,原子力安全・保安院による国際原子力評価尺度(INES)暫定評価
では0-とされています。

                                以 上

<参考>
  タイロッド工法:シュラウド全体を固定するため,原子炉圧力容器とシュ
          ラウドの間に長尺の支柱を90度間隔で4箇所に取り付
          けて補修する方法です。
  粒内型応力腐食割れ:結晶粒を横切って発生する応力腐食割れのことです。
  粒界型応力腐食割れ:結晶粒の境界面に沿って発生する応力腐食割れのこ
            とです。






ページの先頭へ戻ります

公式アカウント:
  • 東京電力 公式Xアカウントのご案内ページへリンクします
  • facebook公式アカウントサイトへリンクします
  • Instagram公式アカウントサイトへリンクします
  • youtube公式アカウントサイトへリンクします
  • 東京電力 公式LINEアカウントのご案内ページへリンクします