平成13年7月10日
東京電力株式会社
東京ガス株式会社
東京電力株式会社(以下東京電力)および東京ガス株式会社(以下東京ガス)は、
本日、夏期の気温変動が両社の事業収支に与える影響を緩和するために、本年8~
9月の気温リスク交換契約を締結いたしました。
東京電力は、夏期の気温が高く推移した場合、冷房需要の増加により利益が増加
します。逆に、冷夏の場合は、冷房需要の減少により利益が減少します。一方、東
京ガスは、夏期において気温が高く推移した場合、家庭用の給湯需要の減少により
利益が減少します。逆に、冷夏の場合は、家庭用の給湯需要増により利益が増加し
ます。
東京電力と東京ガスは、このように夏期の気温と利益の相関が逆の関係にあり、
この逆の関係を利用して、両社の収支リスクのヘッジを行うものです。具体的には、
8月1日から9月30日の2ヶ月間の平均気温に関して、基準気温より実際の平均気
温が0.5℃を超えて上回る場合は、東京電力が東京ガスに対して実際の気温の高さに
応じて予め約束した金額を支払います。逆に、平均気温が0.5℃を超えて下回る場合
は、東京ガスが東京電力に対して、実際の気温の高さに応じて予め約束した金額を
支払います。基準気温から2℃乖離した場合を最大支払額としており、その場合の
金額は約7億円となります。
基準気温は、過去の気温データに基づいて、両社の取引きがイーブンになるよう
に設定いたしました。従って取引に関する期待値は理論上同じとなります。今回の
取引は、天候デリバティブの一種と考えられますが、両社の気温リスクを金融機関
を介さず交換しているため、手数料が発生しません。
東京電力および東京ガスは、今後、本契約の有効性を評価のうえ、継続的なリス
ク交換を実施する方向で検討を進める予定です。このようなコストのかからないヘ
ッジ方策を中心に様々な手法を活用し、さらなる収益の向上や安定をめざしてまい
ります。
なお、具体的な取引内容は別紙の通りです。
以 上
<別紙>
気温リスク交換契約の概要
1.対象期間: 平成13年8月1日から9月30日
2.指 標 値: 気象庁大手町地点で観測した対象期間の平均気温の合計値
3.基準気温: 両者合意による気温
4.金銭授受内容
・ 対象期間の平均気温が基準気温を0.5℃を超えて下回る場合、東京ガスが東京電力
に対価を支払う。
・ 対象期間の平均気温が基準気温を0.5℃を超えて上回る場合、東京電力が東京ガス
に対価を支払う。
・ 東京ガスは、対象期間の平均気温が基準気温を2℃下回る場合、支払額が約7億円
となり、これが最大支払額となる。
・ 東京電力は、対象期間の平均気温が基準気温を2℃上回る場合、支払額が約7億円
となり、これが最大支払額となる。
5.各社の概要
東京電力株式会社
1.所 在 地: 東京都千代田区内幸町1-1-3
2.社 長: 南 直哉
3.設 立 日: 昭和26年5月1日
4.事業内容: 電気事業、熱供給事業、その他付帯事業等
5.資 本 金: 6,764億円
6.売 上 高: 5兆2,251億円(平成13年3月期)
東京ガス株式会社
1.所 在 地: 東京都港区海岸1-5-20
2.社 長: 上原 英治
3.設 立 日: 明治18年10月1日
4.事業内容: ガス事業、熱供給事業、その他付帯事業等
5.資 本 金: 1,418億円
6.売 上 高: 9,656億円(平成13年3月期)
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