平成13年5月21日
東京電力株式会社
[当期の概況]
平成12年度のわが国経済は、民間設備投資が増加するなど緩やかな回復傾向を示し
ましたが、年度後半には米国経済の減速等の影響を受け、景気の改善に足踏みがみら
れました。
このような経済情勢の中で、当社の販売電力量は、産業用需要が年度前半の堅調な
生産活動を反映して前年度実績を上回ったことに加え、生活関連需要も冷暖房需要が
増加したことから、全体では見通しを上回る伸びを示しました。内訳としては、電灯
は前年度に比べ2.4%増の860億kWh、電力は2.3%増の1,947億kWhとなり、電灯と電力
をあわせた総販売電力量は2.3%増の2,807億kWhとなりました。
収入面では、電気事業において、昨年10月に実施した電気料金引下げによる影響が
あったものの、販売電力量の伸びに加え、燃料費調整制度による収入増があったこと
から、電気料収入が前年度に比べ2.9%増の5兆861億円となりました。これらにより、
連結の売上高(営業収益)は前年度比3.3%増の5兆2,580億円、経常収益では前年度
比3.2%増の5兆2,758億円となりました。
一方、支出面では、電気事業において、原油価格の上昇による燃料費の大幅な負担
増や「退職給付に係る会計基準」が当年度から適用されたことに伴う人件費の増加な
どがあったものの、金利の低下や有利子負債の削減による支払利息の負担減、設備投
資抑制などによる減価償却費の減少などに加え、当社および連結各社において業務運
営全般にわたる徹底したコストダウンに努めた結果、連結の経常費用は前年度比3.8
%増の4兆9,449億円にとどまりました。
以上のことから、連結の経常利益は、前年度比5.5%減の3,309億円となりました。
また、連結の当期純利益につきましては、退職給与引当金に係る特別損失を計上した
前年度に比べ137.7%増の2,078億円となりました。
[配当政策]
利益配分にあたっては、安定配当の継続を基本に、業績等を総合的に勘案して、株
主のみなさまのご期待にお応えしていきたいと考えております。
当年度につきましては、期末配当金として、1株につき30円を株主総会にお諮りし、
中間配当金と合わせて1株につき年間60円を予定いたしており、これによる当年度の
配当性向は39.9%となります。なお、内部留保につきましては、設備投資、財務体質
の強化など、今後の事業展開に活用していく予定です。
[次期の見通し-通期]
平成13年度の販売電力量は、前年度の猛暑の反動などから、中間期では前年同期比
1.8%減の1,398億kWh、通期では前年度比0.5%減の2,793億kWhになるものと見込んで
います。
売上高につきましては、販売電力量が前年度を若干下回ることや、昨年10月から実
施した電気料金引下げが13年度においては年度を通じて影響することなどから、連結
で5兆2,500億円、単独で5兆1,600億円になるものと見込んでいます。
経常利益につきましては、為替レートの円安化などの悪化要因はありますが、退職
給付に係る会計基準変更時差異を前年度において全額償却したことによる人件費の減
少や、金利の低下などに伴う支払利息の負担減に加えて、修繕費の削減などコストダ
ウン・効率化を一層推進することにより、連結で3,150億円、単独で3,000億円を確保
できる見通しです。
<連結>
売上高 5兆2,500億円
経常利益 3,150億円
当期純利益 1,990億円
<単独>
売上高 5兆1,600億円
経常利益 3,000億円
当期純利益 1,920億円
(注)平成13年度からは、全子会社を対象とした連結決算の実施を予定しているため、
連結見通しは、それを前提としたものとなっています。
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