プレスリリース 2001年

福島第二原子力発電所2号機の手動停止の原因と対策について



                                                 平成13年5月11日 
                                                 東京電力株式会社 


 すでにお知らせいたしましたとおり、当社福島第二原子力発電所2号機 
(沸騰水型、定格出力110万キロワット)は、定格出力で運転中のところ、残 
留熱除去系(B)(注1)の逆止弁(注2)の開閉試験中に、最終的には全閉 
になるべきところ全開の状態のままで作動しなくなったことから、5月7日、 
原子炉を停止して詳細点検を行ってまいりました。(5月7日お知ら済) 

 点検の結果、残留熱除去系の逆止弁自体に異常はありませんでしたが、逆止 
弁の開閉試験の際に駆動力となる空気(窒素)(注3)を制御する電磁弁(注4) 
の動作不良により、逆止弁を開にした空気(窒素)が抜けなくなり、逆止弁が 
開状態のままとなったことが推定されます。 
 このため、当該電磁弁を新品のものに取り替えることといたします。 

 なお、今回の事象による外部への放射能の影響はありません。 
 また、原子力安全・保安院による国際原子力評価尺度(INES)暫定評価 
では、0- とされております。 

                                                            以 上 


(注1)残留熱除去系とは、原子炉を停止した後の冷却(燃料の崩壊熱の 
     除去)や、非常時に原子炉水を維持する系統(ECCS系)です。 
(注2)逆止弁とは、一方向にだけ流体の流れを許し、反対方向には流れ 
    を阻止する働きを持つ弁です。 
(注3)当該逆止弁の開閉試験は空気または窒素の駆動力で行われ、プラ 
    ント運転中の開閉試験では窒素を使用し、プラント停止中の開閉 
    試験では空気を使用します。 
(注4)電磁弁とは、電気巻線に電流を流すことにより、電磁石の磁力で 
    開閉する構造になっている弁です。当該電磁弁の動作により、空 
    気を送り込んで逆止弁を開き、空気を抜いて逆止弁を閉じます。 





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