プレスリリース 2001年

福島第二原子力発電所1号機の手動停止の原因と対策について



                                                  平成13年2月9日
                                                  東京電力株式会社


 すでにお知らせいたしましたとおり、当社福島第二原子力発電所1号機
(沸騰水型、定格出力 110万キロワット)は、定格出力で運転中のところ、
1月13日、原子炉内に20台設置されているジェットポンプのうち1台の流
量指示値に変動が認められました。出力等他の計測値に異常は見られませ
んでしたが、原因を特定するため、1月15日、原子炉を停止いたしました。
(1月15日お知らせ済)
  その後、原子炉を開放し、水中カメラで点検を行った結果、20台のジェ
ットポンプ本体には異常は認められませんでしたが、流量指示値に変動が
認められた当該ジェットポンプの流量を計測する細管(外径約14mm)の1
カ所が切れていることを確認したため、さらに詳細な調査を進めてまいり
ました。(1月22日お知らせ済)

 調査の結果、当該計測細管は、ジェットポンプに水を送る原子炉再循環
ポンプがある一定の回転数になった際に、その回転に伴う水圧の変動によ
る振動数が当該計測細管の固有振動数とほぼ一致したことから、共振して
いたことがわかりました。これにより、計測細管の外側表面に疲労による
き裂が生じて切れたものと推定いたしました。  
  このため、当該計測細管に対して、切れた部分を同材質の配管で接続す
るとともに、振動による疲労き裂が発生しないよう、固定具により固定す
ることとしました。
 さらに、他の19台のうち計測細管が同様な固有振動数となっている3台
(隣接1台、対称位置2台)のジェットポンプの計測細管についても、念
のため固定具により固定することとしました。

 なお、今回の事象については、原子力安全・保安院による国際原子力事
象評価尺度(INES)の暫定評価では、0-とされております。

                             以  上

<参 考>
  ジェットポンプとは、原子炉再循環ポンプにより加圧された水を利用
 し、原子炉内の冷却水を循環させる回転部を持たない静止型のポンプで
 あり、原子炉内に20台設置されています。



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