プレスリリース 2000年

柏崎刈羽原子力発電所4号機の手動停止の原因と対策について



                                                  平成12年12月26日
                                                  東京電力株式会社


 すでにお知らせいたしましたとおり、当社・柏崎刈羽原子力発電所4号
機(沸騰水型、定格出力110万キロワット)は定格出力にて運転中のとこ
ろ、10月28日から発電機内を冷却するために使用している水素ガスの消費
量が通常より増加傾向にあることを確認、その後の調査の結果、水素ガス
が発電機内の冷却水の系統(固定子を冷却するための系統)内へ漏れ込ん
でいる可能性が高いと推定いたしました。
 漏れ込み量は直ちに運転に支障を及ぼすものではありませんでしたが、
12月7日に原子炉を停止し調査を行っておりました。
(12月4日お知らせ済み)

 調査の結果、固定子の巻線に冷却水を供給している絶縁ホース144本の 
内の1本に割れがあり、この部分から水素ガスが冷却系統側に漏れ込んで
いることがわかりました。また、割れが発生した絶縁ホースは、前回(本
年7月)取り替えたものであることを確認いたしました。

 この割れの原因を詳細に調べたところ、固定子巻線の端部を絶縁したシ
ートが均一に巻かれておらず、固定子巻線とこれを支持する箇所の絶縁シ
ートとの間にすき間が生じ、発電機の運転により固定子巻線が振動しやす
い状態であったことがわかりました。このため、その後の発電機の運転継
続により、固定子巻線につながっている絶縁ホースに繰り返し応力がかか
り、当該部分にき裂が発生・進展し、割れに至ったものと推定いたしまし
た。
 さらに、絶縁シートの巻き方が均一でなかったのは、前回の絶縁ホース
の取り替え作業の際、固定子巻線端部の再施工を狭隘で作業性の悪い状態
で行っていたためとわかりました。

 以上のことから、今後は固定子巻線端部の絶縁施工方法を、すき間が生
じる可能性のある絶縁シートを使用せず、絶縁テープのみで行うとともに、
当該絶縁ホースを取り替えることといたしました。

 なお、資源エネルギー庁による国際原子力事象評価尺度(INES)暫
定評価では、対象外となっております。

                                                            以 上

<参考1>
 発電機は、蒸気タービンにより回転される回転子巻線(磁界を発生させ
るもの)と起電力(電気)を発生する固定子巻線から構成されており、回
転子巻線からの発熱を水素ガスにより、また固定子巻線からの発熱を水に
より冷却する方式としております。
 この方式は、火力発電所も含めて大容量発電機の冷却方式として一般的
に採用されているものです。

<参考2>
 絶縁ホースは固定子巻線とつながっていますが、その部分を固定子巻線
端部と呼びます。絶縁ホースの取り替えに際しては、固定子巻線端部の絶
縁層を一旦はがし、再施工する必要があります。

<参考3>
 作業性が悪いとは、絶縁シートを巻くのに当該箇所が狭隘で手が入りに
くいことを意味します。



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