平成12年12月20日
東京電力株式会社
当社は、12月21日から、福島第一原子力発電所1号機(沸騰水型、定格
出力46万キロワット)の第22回定期検査を開始いたします。
1.定期検査のための停止期間
平成12年12月21日から340日間の予定
2.定期検査を実施する主な設備
(1)原子炉本体
(2)原子炉冷却系統設備
(3)計測制御系統設備
(4)燃料設備
(5)放射線管理設備
(6)廃棄設備
(7)原子炉格納施設
(8)非常用予備発電装置
(9)蒸気タービン
3.定期検査中に実施する主な工事予定
(1)燃料集合体の取替え
燃料集合体400体中約80体を取り替えます。なお、取替燃料のうち
約70体については、燃料の効率的な使用および使用済燃料の発生量
の低減を目的とした9×9燃料を装荷します。
(2)出力領域計装検出器の取替え
出力領域計装検出器22本全数を取り替えます。
(3)シュラウド等の取替え(注1)
一層の信頼性向上を図るため、応力腐食割れに対する予防保全対
策として炉内構造物のうちシュラウド等を取り替えます。
(4)制御棒の取替え
制御棒97本のうち9本について、ハフニウムを中性子吸収材とす
る長寿命型制御棒を採用します。
(5)高経年化対策の長期保全計画に基づく点検(注2)
当社は、運転開始以来30年を経過するプラントに対して、高経年
化対策を策定し適切な保全処置を行うこととしておりますが、この
たび1号機(昭和46年3月運転開始)に対し、高経年化対策の長期
保全計画に基づき、原子炉格納容器鋼板の肉厚測定、高圧蒸気ター
ビン車軸の動翼固定部の超音波探傷検査などを行います。
以 上
<参考>当社原子力発電所の現況
福島第一・1号機( 46万キロワット) 12月21日から
定期検査開始予定
2号機( 78万4,000キロワット) 運転中
3号機( 78万4,000キロワット) 運転中
4号機( 78万4,000キロワット) 運転中
5号機( 78万4,000キロワット) 運転中
6号機(110万キロワット) 定期検査中
福島第二・1号機(110万キロワット) 運転中
2号機(110万キロワット) 定期検査中
3号機(110万キロワット) 運転中
4号機(110万キロワット) 運転中
柏崎刈羽・1号機(110万キロワット) 運転中
2号機(110万キロワット) 定期検査中
3号機(110万キロワット) 運転中
4号機(110万キロワット) 停止中
5号機(110万キロワット) 運転中
6号機(135万6,000キロワット) 運転中
7号機(135万6,000キロワット) 運転中
(注1)シュラウド等の取替えについて
定期検査中に実施する主な工事のうち(3)シュラウド等の取替え
については、炉内構造物の予防保全対策工事として、応力腐食割れの
感受性が比較的高いステンレス鋼(SUS304)を使用しているシュラウ
ド等を感受性が極めて低い材料(SUS316L)に取り替えるものです。
なお、福島第一原子力発電所のSUS304を使用しているシュラウド等
の取り替え工事は、既に3,2,5号機で実施済のものです。
※ シュラウド:燃料集合体全体を包んでいる円筒形の隔壁で炉心を下から上に
流れる水の流路を確保している。
(注2)高経年化対策の長期保全計画に基づく点検
原子力発電所の高経年化対応について、当社は福島第一原子力発電
所1号機が30年目を迎える段階で、安全に関わる機器等を対象として
長期間の運転を想定した技術評価を行いました。
この結果、高経年化に対応した適切な保全を追加的に行うことによ
り、プラントの健全性は確保されることを確認しました。
技術評価で抽出された高経年化対策は、今回の定期検査から計画的
に実施することとしており、主な点検項目は以下の通りです。
・原子炉格納容器スプレイ冷却系熱交換器、原子炉冷却材浄化系再生
熱交換器、グランド蒸気復水器の肉厚測定等
・原子炉格納容器鋼板の肉厚測定
・高圧蒸気タービン車軸の動翼固定部の超音波探傷検査
なお、高経年化対策については今後も計画的に実施し、定期的に再
評価を行っていくこととしております。
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