プレスリリース 2000年

「日本ファシリティ・ソリューション株式会社」の設立について-建物の省エネルギーや設備改修などのニーズにワンストップで対応するファシリティ・ソリューション事業を開始

平成12年12月13日

東京電力株式会社
三菱商事株式会社
株式会社関電工
山武ビルシステム株式会社

 東京電力株式会社(東京都千代田区、社長:南 直哉)、三菱商事株式会社(東京都千代田区、社長:佐々木 幹夫)、株式会社関電工(東京都港区、社長:平井 貞雄)、山武ビルシステム株式会社(東京都港区、社長:井上 貞夫)の4社は、企業や自治体などが保有する建物のESCO事業(注1)を柱に、建物に関するさまざまな診断・コンサルティング、設備改修などを総合的に受託する新会社「日本ファシリティ・ソリューション株式会社」(社長:前川 哲也)を設立し、12月14日から事業を開始することといたしました。

 近年、企業や自治体においては、改正省エネルギー法(注2)への対応や経費削減などの必要性から、建物の省エネルギーに対するニーズが高まっております。こうしたことから新会社は、
 ・東京電力の省エネルギー技術、
 ・三菱商事の建設プロジェクト管理やリスク管理のノウハウ、
 ・関電工の施工管理技術、
 ・山武ビルシステムの設備制御技術や遠隔監視技術など、
各社の経営資源を活かし、建物の省エネルギーや設備改修などのニーズにワンストップで対応するファシリティ・ソリューション事業を展開いたします。

 具体的には、省エネルギー対策を効果保証付きで一括代行するほか、エコアイスなどの蓄熱機器を電気料金の割引額に応じた金額でレンタルし、お客さまの省エネルギー投資をバックアップするサービスなどをご提供します。なお、エネルギーコストを低減する最も有効な手法として、蓄熱システムなどの負荷率改善方策を積極的にご提案してまいりますが、お客さまの設備状況や使用条件によっては、お客さまメリットを最優先にガスや分散型電源を組み合わせたベストミックス方式もご提案してまいります。
 加えて、環境負荷低減やIT推進を目的とした設備改修や老朽設備のリニューアルなどの要望に対しても、コンサルティングやプロジェクトマネージメントなどのサービスをご提供する予定です。

 新会社では、建物のストック量が年々増大しているわが国において、既設建物の省エネルギーや長期有効活用を総合的にサポートすることにより、省エネルギー・省資源型社会の実現に貢献してまいりたいと考えております。

以 上

 (注1)ESCOとは、Energy Service Companyの頭文字をとったもので、わが国では一般的にファイナンスや効果保証を組み合わせた省エネルギー改修サービスのことをさす。

(注2)エネルギーを効率的に無駄なく使うことを徹底するために、「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」の抜本的強化を図るべく、平成10年6月に改正、平成11年4月から施行された。

<参 考>

1.会社概要

(1)会社名    :日本ファシリティ・ソリューション株式会社
(2)所在地    :東京都新宿区神楽坂1-15
(3)設立日    :平成12年12月14日
(4)事業内容  :建物の省エネルギー・設備改修に関連する調査、診断、コンサルティング、
                 計画、設計、工事、資機材販売、オペレーションなど
(5)資本金    :4.9億円
(6)出資構成  :東京電力株式会社(45%)
                 三菱商事株式会社(35%)
                 株式会社関電工(10%) 
                 山武ビルシステム株式会社(10%) 
(7)役員・社員:代表取締役社長 前川 哲也(東京電力株式会社)
  (36名程度)  代表取締役副社長 奥田 高士(三菱商事株式会社)
                  常務取締役 小峰 孝仁 (東京電力株式会社)
                  取締役 関 耕一(三菱商事株式会社)
                  取締役 横山 邦樹(株式会社関電工)
                  取締役 下田 貫一郎(山武ビルシステム株式会社)
                  取締役 吉村 俊一 (株式会社関電工)
                  監査役 鯛 洋三 (三菱商事株式会社)
         社員28名程度

2.新会社の主な事業・サービス

 新会社は、さまざまなサービスをお客さまメリットを第一に、ワンストップで提供します。
事業開始当初は以下のサービスを予定していますが、お客さまのニーズに合わせて新しい魅
力あるファシリティサービスを順次展開します。

(1)診断・コンサルティング事業
【エネルギー・設備関係】
 ◇室内環境診断(温湿度測定、照度測定等)
 ◇エネルギー診断(電力/ガス/水道使用量調査、空調負荷調査等)
 ◇設備劣化診断(各種目視調査、配管内視鏡調査、蓄熱槽潜函ロボット調査等)
 ◇各種設備診断(機器特性調査、高調波測定等)
【建物全般】
 ◇建物構造健全性診断(コンクリート強度/中性化進行状況調査、耐震診断等)
 ◇建物劣化診断(外壁剥離状況調査等)
 ◇ライフサイクルアセスメント(コスト、CO2等)
 ◇建物資産評価
 ◇ファシリティマネージメント導入コンサルティング

(2)ESCO事業
 ◇エコチューニングサービス
   建物の省エネルギーに必要な調整・改造をお客さまに代わって一括受託し、エネルギー
   コスト削減額を保証
 ◇エコレンタルサービス
   需給調整契約適用可能な機器を電気料金の割引額に比例した金額で賃貸
 ◇エコオペレーションサービス
   建物設備の遠隔監視により運転人件費を削減するとともに、エネルギーコストの上限額
   を保証

(3)設備改修プロジェクト受託事業
 ◇環境負荷低減のための設備改修
 ◇IT対応のための設備改修
 ◇老朽設備のリニューアル

3.新会社が保有する主要な省エネルギー技術・リニューアル技術

 新会社は、出資各社がこれまで培ってきた省エネルギー技術・リニューアル技術を最大限に
活用し、お客さまのエネルギーコスト削減や環境負荷低減などのニーズに積極的にお応えして
まいります。

(1)氷蓄熱システム
 水←→氷の相変化熱を利用することで、水蓄熱の3~10倍の熱を蓄えることができ、電力料金
(基本料金・従量料金双方)の削減が可能となります。
 リニューアル工事では、蓄熱槽がコンパクトにできる利点を活かし、既存の水蓄熱槽を氷蓄熱
槽に改造して蓄熱量を増やしたり、地下ピットの遊休部分に蓄熱槽を新設することができます。

(2)低温冷風空調システム
 氷蓄熱によって得られる低温度(0~4度)の冷水を用いて、送風温度を10~12度まで下げて
冷房する方式。16度程度で送風する一般の冷房に比べ少風量で冷房可能なため、ファン動力の
削減、空調機やダクトの小型化などが図れます。
 この技術をリニューアル工事に適用することで、既存のダクトを使いながら冷房能力を4割程
度向上できるため、IT化などに伴う冷房負荷増への対応時に、省エネルギーに加えて工期の短
縮や工事費の大幅な削減が可能となります。

(3)機器の省エネルギー最適制御
 空調設備は盛夏期の大きな冷房需要に見合うよう設計・施工されているため、大部分の時間は
軽負荷の状態で運転しています。この場合に、国内シェア7割の山武ビルシステムの計装システ
ムを活用し、機器の運転台数や水量・風量・温度等を最適に制御することで、エネルギー効率を
飛躍的に高めることが可能となります。

(4)ベースライン補正・省エネルギー効果予測
 エコチューニングサービスでは、適用する技術やお客さまのご要望に応じ、エネルギー削減
量の比較基準値となる「ベースライン」を公平かつ正確に補正評価するシステムを採用します。
 このシステム開発には、東京電力所有建物での10年間以上にわたる天候変動や建物運用条件
と建物消費エネルギー量の実測データ、人工環境室において評価した各種設備機器のデータを
活用しています。
以 上 


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