平成12年12月4日
東京電力株式会社
当社・柏崎刈羽原子力発電所4号機(沸騰水型、定格出力110万キロワ
ット)は定格出力にて運転中のところ、10月28日から発電機内を冷却する
ために使用している水素ガスの消費量が通常より増加傾向にありました。
状況を確認したところ、本年7月に同号機で発生したものと同様、水素
ガスが発電機内の冷却水の系統(固定子を冷却するための系統)へ漏れ込
んでいることがわかりました。
その後、発電機内の水素ガスの圧力および消費量等について監視強化し、
運転を継続してまいりました。
現在の水素ガスの消費量は通常の5倍程度で、水素ガス補給用ボンベの
交換頻度を上げることによって、発電機内の水素ガスの圧力は通常状態に
維持されており、発電機の冷却機能に問題は生じておりません。
したがって、運転に支障を及ぼすものではなく、直ちにプラントを停止
する必要はありませんが、依然として水素ガスの消費量が多く、また微増
傾向にあると考えられることから、予防保全としてプラントを停止して発
電機内部の点検を行うこととし、12月6日午後4時から出力降下を開始す
ることといたしました。
なお、本事象による外部への放射能の影響はありません。
また、資源エネルギー庁による国際原子力事象評価尺度(INES)暫定評価
では、対象外とされております。
以 上
<参考>
発電機は、発電するための磁界を発生する回転子巻線(蒸気タービン
の力で回転)と発電した電気が流れる固定子巻線から構成されており、
回転子巻線からの発熱を水素ガスにより、また固定子巻線からの発熱を
水により冷却する方式としております。
この方式は、火力発電所も含めて大容量発電機の冷却方式として一般
的に採用されているものです。
|