平成12年11月29日
東京電力株式会社
当社はこのたび、LNG船の保有ならびに運航事業を行う新会社2社を設立す
ることといたしました。
当社グループがLNG船を保有し、運航事業に進出する主たる目的は、当社の
LNG調達における取引形態の多様化をはかることにあります。
当社は現在、アブダビやブルネイなど7つのLNGプロジェクトから年間約
1,600万トンのLNGを46隻のLNG船で輸送しており、このうち6つのプロジ
ェクトで、売主がLNGの海上輸送に伴うリスクを負担し、受入基地まで責任を
持つEx-ship取引(注1)を行っています。
しかしながら、近年、当社のLNG導入以来30年間の輸送実績からリスク評価
が容易になったことや、船体価格が低下傾向で推移してきたこと、さらには運航
技術の信頼性が向上したことなどから、買主である当社自らがLNG輸送の責任
を担うFOB取引(注2)を拡大することといたしました。これにより、LNG
調達コストの低減と、より弾力的なLNG調達が可能となる見込みです。
今回設立する新会社のうち1社は、LNG船の保有のみを目的とした会社(以
下「LNG船保有会社」)で、バハマ国に設立します。LNG船保有会社は、L
NG船建造を三菱重工業株式会社に発注し、竣工後の船員手配や保守管理を日本
郵船株式会社に委託する予定です。
もう1社は、LNG運航事業を行う会社(以下「運航事業会社」)で、日本国
内に設立します。運航事業会社はLNG船保有会社とLNG船の用船契約を結び、
当社が購入するLNGの一部引取量の輸送を行います。
新会社2社は、いずれも平成15年に事業開始となる見込みです。
なお、これらの会社設立にあたっては、三菱商事株式会社および日本郵船株式
会社の出資参加を得る予定です。
以 上
(注1)Ex-ship取引:
LNGが買主の受入基地に到着した時点で、所有権ならびに危険負担
が売主から買主に移転する取引。海上保険、海上輸送の手配は売主が行
い、海上保険や運賃の費用負担は売主が負う。
(注2)FOB(free on board)取引:
積地で船にLNGの積み込みが完了した時点で、所有権ならびに危険
負担が売主から買主に移転する取引。海上保険、海上輸送の手配は買主
が行い、海上保険料や運賃の費用負担は買主が負う。
<資 料>
1.新会社の概要(予定)
1.LNG船保有会社
(1) 会 社 名:未定
(2) 所 在 地:バハマ国
(3) 事業内容:LNG船の保有、用船および船舶関連の事業等
(4) 資 本 金:40億円
(5) 出資比率:東京電力(株)70%、三菱商事(株)20%、日本郵船(株)10%
(6) 会社設立:平成12年12月
(7) 事業開始:平成15年
2.運航事業会社
(1) 会 社 名:未定
(2) 所 在 地:東京都
(3) 事業内容:LNG輸送事業等
(4) 資 本 金:1億円
(5) 出資比率:東京電力(株)70%、三菱商事(株)20%、日本郵船(株)10%
(6) 会社設立:平成13年2月
(7) 事業開始:平成15年
2.出資会社の概要
東京電力株式会社
1.所在地:東京都千代田区内幸町1-1-3
2.社 長:南 直哉
3.設立日:昭和26年5月1日
4.事業内容:電気事業、熱供給事業、その他付帯業務等
5.資本金:6,764億円
三菱商事株式会社
1.所在地:東京都千代田区丸の内2-3-2
2.社 長:佐々木 幹夫
3.設立日:昭和25年4月1日
4.事業内容:燃料、金属、機械、化学品、生活物資等の国内・輸出・輸入
及び外国取引、情報・通信、金融、物流その他各種サービス
の提供、国内外における事業投資等
5.資本金:1,266億円
日本郵船株式会社
1.所在地:東京都千代田区丸の内2-3-2
2.社 長:草刈 隆郎
3.設立日:明治18年9月29日
4.事業内容:海運業、客船事業、物流事業等
5.資本金:884億円
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