平成12年7月31日
東京電力株式会社
当社は、かねてより海外での新たな事業展開に積極的に取り組んでおりますが、
本日、台湾においてIPP事業を行うために新たに設立される「星能電力公司」
と「森覇電力公司」の2社に対して出資することを決め、台湾の台北市で契約書
に調印いたしました。
星能電力公司と森覇電力公司は、台湾政府が募集したIPP入札で落札した
「台湾コジェネレーション社」(台湾電力が38%出資する関係会社)が2つの火
力発電所を建設・運営するために、新たに設立するプロジェクト会社です。
星能電力公司(台湾中部の彰化県に出力49万kWの火力発電所を建設)と森覇電
力公司(台湾南部の台南県に出力49万kW×2基の火力発電所を建設)は、それぞ
れ天然ガスを燃料としたコンバインドサイクル発電所を2001年12月から建設し、
2004年4月までに運転を開始する計画です。なお、発電した電力は台湾電力へ25
年間にわたって全量を販売いたします。
当社は、星能電力公司に対して22億円を、森覇電力公司に対して44億円を出資
するとともに、両社に対して取締役1名ならびに技術者数名をそれぞれ派遣し、
発電所の設計・建設・運営などの管理業務を行います。出資にあたっては、昨年
7月に当社がオランダに設立した海外投資用子会社「TEPCO International」を通
じて行う計画です。
今回の出資においては、台湾の電力需要が高い伸び(1998年の販売電力量は前
年比8.3%増)を示していることから、電力事業への投資先として有望な市場と判
断できるとともに、当社が保有するコンバインドサイクルに関する技術やノウハ
ウを本プロジェクトに活用することで、安定した収益の確保が見込めると考えて
おります。
当社はこれまでも、電気事業者として培ってきた経験と技術をいかして、ベト
ナムのフーミー第2火力発電所第2期プロジェクトや米国オライオン社へ参画し
ておりますが、引き続き、当社独自のノウハウを活用して、海外事業を積極的に
展開してまいりたいと考えております。
以 上
<参考>
1.IPPプロジェクト会社の概要
プロジェクト会社 星能電力公司 森覇電力公司
発電所名 彰濱 発電所 豊徳発電所
位置 台湾中部彰化県 台湾南部台南県
出力 49万kW×1基 98万kW(49万kW×2基)
燃料・型式 天然ガス・コンバインドサイクル
着工 2001年12月予定 2001年12月予定
運転開始 2004年4月までに運開 2004年4月までに運開
出資者 台湾コジェネレーション 台湾コジェネレーション
台湾糖業 台湾糖業
東京電力 東京電力
中華開発工業銀行 中華開発工業銀行
交通銀行 交通銀行
住友商事 住友商事
大亞電線電纜
2.台湾の電力事情
(1)台湾電力と当社の比較
台湾電力 東京電力
発電設備 2,668万kW 5,785万kW
水力 442万kW(17%) 810万kW(14%)
火力 1,711万kW(64%) 3,243万kW(56%)
原子力 514万kW(19%) 1,731万kW(30%)
発電電力量 1,387億kWh 2,948億kWh
最大電力 2,383万kW(98/7) 5,940万kW(96/7)
販売電力量 1,281億kWh 2,742億kWh
(台湾電力:1998年暦年、当社:1999年度)
(2)台湾電力について
(a)台湾電力の状況
台湾電力は台湾全土における発送電から配電までを一貫して受け持つ。政府
出資の株式会社として政府経済部(日本の通産省に相当)の監督下に置かれ、
株式は政府経済部が66.72%、台湾省、台北市が30.45%、民間企業が2.83%の
割合で保有。
(b)電力需給
・順調な台湾経済を反映して、1998年の販売電力量は、1,281億kWh(前年比
8.3%増)となり、最大電力は2,383万kW(前年比7.1%増)を記録した。
・販売電力量の用途別内訳は、住宅用25%、商業用9%、工業用66%。
3.台湾コジェネレーション社の概要
・設 立 1992年
・本 社 台北
・資本金 約50億円(15億台湾ドル)
・株 主 台湾電力 38%
交通銀行 9.79%
中華開発工業銀行 13.28% 他
・事業分野 1. プロジェクトの開発、出資
2. 設備計画、設計、機器調達、建設
3. 発電設備の運転・保守
4. 研究開発、コンサル事業
5. コジェネ機器輸入・輸出
以 上
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