平成12年6月8日
東京電力株式会社
当社はこのたび、資材の調達価格低減や、資材調達業務の効率化・合理化など
をねらいとして、電力設備から汎用的な事務用品に至るまであらゆる資材・物品
の調達や工事の契約について、12年度下期以降約5,000社のすべての取引先との
間でEC(注1)(電子商取引)を実施していくこととしました。
すでに当社は3年度以降、取引先42社との間で専用線等を使ったデータ連携に
よる取引を実施しており、また9年度以降は、インターネットを使った資材調達
情報の公開をすすめております。今回のEC拡大は、こうした当社のこれまでの
取り組みをベースに、IT(情報技術)を活用して、業務の一層の効率化とスピ
ードアップを目指すものであり、ネットワーク化する今後の社会に適応するため
に必要な「電気事業のe-ビジネス化」の取り組みの一環として考えています。
具体的には12年10月から、インターネットによる資材調達情報の公開範囲を拡
大するとともに、これまで訪問・郵送などによって書類でやりとりをしていた取
引や登録申込みの受付にインターネットを活用いたします。
また、引き続き、取引に伴う見積依頼から検収までのデータ連携の方法として、
これまでの専用線利用等に加えてインターネットを活用することによって、EC
を用いた取引先の企業数を42社から約5,000社へと拡大する予定です。
さらに、13年度からは個別仕様書や設計図書などを電子化して活用するCAL
S(注2)と連携したECを開始するとともに、発電設備等の保守部品・材料等
の電子調達市場(プラントMRO(注3))の構築を目指してまいります。
今後は、ITの活用によるメリットをさらに大きくするために、公募見積など
新しい資材調達方式の導入の検討や、資機材についての一層の汎用化・標準化、
厳正なセキュリティシステムの構築などをすすめてまいります。
以 上
(注1)E C :Electronic Commerce、電子商取引:ネットワーク上で行う電子
的な商取引の総称。
(注2)CALS :Continuous Acquisition and Life-cycle Support、生産・調
達・運用支援統合情報システム。調達から設計、開発、生産、
運用管理、保守に至る製品のライフサイクルに関する情報をコ
ンピュータ・ネットワークを利用して一元管理し、各工程をサ
ポートしようとする概念。(Commerce At Light Speed)
(注3)プラントMRO :Plant Maintenance,Repair and Operations、発電設備等の
点検・修繕・取替において必要となる保守部品・材料などの電
子市場。
<参 考>
当社資材調達状況(平成11年度実績)
<電力設備品の購買、請負工事、委託業務>
内 容 うち電子調達によるもの(再掲)
○調達規模 約1兆5,000億円 約1,900億円
○取引会社 約5,000社 42社
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