世界初の家庭用「CO2冷媒給湯器」の開発について
~明日からモニターによる実証試験を開始~
平成12年1月26日
東京電力株式会社
当社は平成10年9月から、(株)デンソーと(財)電力中央研究所と共同で、家庭用
「CO2冷媒給湯器」の開発をすすめてまいりましたが、技術的な開発に目処がつき
ましたので、年内の商品化をめざして、明日からモニターによる実証試験を開始いた
します。
当社は、かねてより環境保全を経営の最重要課題のひとつと位置づけており、原子
力を中心としたエネルギーのベストミックスの推進、火力発電所の熱効率の向上など
に取り組むとともに、エコ・アイス(氷蓄熱式空調システム)やエコベンダー(省エ
ネ型清涼飲料用自動販売機)など高効率・省エネ型機器の開発・普及を積極的にすす
めるなど、電力の需給両面から地球温暖化の抑制に努めています。
今回開発した給湯器は、家庭分野のエネルギー消費で35%程度を占める「給湯」分
野を対象としたものであり、エネルギー消費効率(COP<注>)が非常に高く(3.0以上)、
ランニングコストも極めて安価になる見込みです。しかも、冷媒には安全性が高く、
工業製品の製造過程で発生する副生ガスであるCO2を再利用するため、温暖化ガス
排出の抑制やオゾン層破壊の抑制につながる環境にやさしい機器です。
さらに、従来のフロン冷媒によるヒートポンプ給湯器では、給湯温度の限界が
約60度でしたが、CO2冷媒給湯器ではCO2冷媒が加熱能力に優れているため、外気
温が零下20度の極寒冷地においても、約90度での給湯が可能となります。
また、CO2冷媒は伝熱性能が高いことから、ヒートポンプユニットのコンパクト
化を実現でき、設置場所の選択が拡がるというのも特長です。
当社は今後とも、環境保全につながる研究開発をすすめるとともに、総合エネルギ
ー・サービス企業として、お客さまのエネルギーコスト低減に積極的に取り組んでま
いりたいと考えています。
以 上
<注>COP(Coefficient of Performance)とは、消費電力あたりの加熱・冷却能力
を表したもので、冷凍容量又は加熱量と、それを得るために冷凍機またはヒート
ポンプに与えたエネルギー量の熱量との比のこと。この値が大きいほど効率が良
くなる。
<参考>
家庭用「CO2冷媒給湯器」開発の取り組みについて
1.開発の概要
(1)開発体制
・東京電力株式会社
住 所:東京都千代田区内幸町1-1-3 tel 03-3501-8111
社 長:南 直哉
・株式会社デンソー
住 所:愛知県刈谷市昭和町1-1 tel 0566-25-5511
社 長:岡部 弘
・財団法人電力中央研究所
住 所:東京都千代田区大手町1-6-1(大手町ビル) tel 03-3201-6601
理事長:佐藤 太英
(2)研究期間
・平成10年9月~平成12年12月
(3)研究費用
・約1億円
(4)機器の特長
・エネルギー消費効率(COP)が非常に高い(3.0以上)ことに加え、冷媒には安全性が
高く、工業製品の製造過程で発生する副生ガスであるCO2を再利用するため、温
暖化ガス排出やオゾン層破壊を抑制できる
・ランニングコストが極めて安価
・CO2冷媒が加熱能力に優れているため、外気温が零下20度の極寒冷地におい
ても、約90度での給湯が可能
・CO2冷媒は伝熱性能が高いことから、ヒートポンプユニットのコンパクト化
を実現できる
2.実証試験の概要
(1)モニター:一般家庭5軒
(2)試験期間:平成12年1月~平成12年12月
(3)試験内容:実機を使用した給湯能力・効率の確認
(4)モニター機の大きさ:
oヒートポンプユニットの大きさ(mm)
810(幅)× 310(奥行き)× 638(高さ)
o貯湯タンクの大きさ(mm)・・・次の2タイプ
・[300L]1,300(幅)× 400(奥行き)× 1,300(高さ)
・[200L] 950(幅)× 400(奥行き)× 1,300(高さ)
以 上
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