平成12年1月19日
東京電力株式会社
世界銀行(総裁:ジェームズ・D.ウォルフェンソン、本部:ワシントン)は
かねてより地球規模での温室効果ガス削減のための資金の収集と効果的なプロジ
ェクトへの投資の実施をねらいとして炭素基金の構想を提唱しておりましたが、
このたび(ワシントン時間1月18日)4カ国の政府、9つの民間企業が参加して、
同基金が正式に発足いたしました。
当社はこのたびの発足を心より歓迎するとともに、今後、本基金の正式メンバ
ーの一員として今年4月から出資を開始し、プロジェクトの進捗状況及び炭素ク
レジットの取得状況に応じて2012年までに合計500万ドルを出資いたします。
当社は、かねてより環境保全を経営の最重要課題と位置づけ、温室効果ガス削
減などの地球環境問題について、原子力を中心としたベストミックスの推進、火
力発電所の熱効率向上、省エネルギーの推進などの国内対策に積極的に取り組む
と同時に、京都議定書で定められた京都メカニズム(柔軟性措置)を活用した国
際協力による取り組みについても先駆的に取り組んでおります。
このたび発足した世界銀行の炭素基金について、当社は当初から高く評価し、
構想の段階から設立準備会合に積極的に参画するとともに、運営方法や投資対象
プロジェクトの選定基準の検討などにたずさわってまいりました。その上で、平
成10年6月1日にわが国の企業・団体として初めて、加入に向けた趣旨合意書
(MOU)を世界銀行との間で締結した次第です。
当社は、本基金へ出資・参加することによって2012年までにおよそ17~25万
t-Cの炭素クレジット獲得を期待しており、また、プロジェクトの実施を通して、
温室効果ガス排出削減の優良な実施事例や炭素クレジットの認証方法などについ
ての知識が得られるとともに、具体的な事例を通じて京都メカニズムのルールの
具体化にも貢献できると考えております。
なお、具体的な投資プロジェクト数としては20件程度が想定されていますが、
ラトビアでの都市ゴミ処分場からのメタン回収プロジェクトや、コスタリカでの
自然エネルギー援助プロジェクトなど一部は既にプロジェクト受け入れ国との交
渉が行われており、なによりもこれらが地球全体での効果的な温室効果ガス削減
につながることを期待しています。
以 上
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