超微量グリースの粘性・油分量評価
目的
開閉器操作機構部には歯車やバネ等が使用されており、これらの構成部品が円滑に動作できるようにグリースが塗布されています。
グリースは大気中の塵埃や水分等の設置環境、機械的なせん断や熱の影響により劣化し、長期間放置すると機構部が固渋し動作しなくなることがあります。グリースを評価する手法はJISで標準化されており、数十グラムが必要となりますが、操作機構部に塗布されているグリースはマイクログラム~ミリグラムオーダーと超微量であるためJISの評価手法では評価することができません。今回超微量グリースの劣化を評価する手法を開発しました。
概要と成果
実機グリースの劣化機構の一例
新品グリースは増ちょう剤により基油が保持されています。劣化グリースは油分が離油し、ほぼ増ちょう剤のみ残存する場合があります(固化)。
マイクロちょう度
マイクロちょう度は採取したグリースに重りを乗せたときの広がり面積比から算出します。
マイクロ油分
マイクロ油分測定は、油吸収シートの油の吸収量から算出します。
マイクロちょう度・油分の測定結果
成果の適用先・事例
実器駆動部より採取したマイクロオーダーの超微量グリースのちょう度と油分量を測定する手法とグリースの劣化度合いを定量的に評価する手法を開発しました。
担当部署
経営技術戦略研究所 技術開発部 材料・化学エリア