目的

電力設備の予防保全、劣化診断技術の一つに部分放電測定があり、従来は部分放電から発生する超音波を測定し異常診断を行っていました。当社では、より高精度な漏洩電磁波検出手法を用いた面電流センサを開発し、自動診断アルゴリズムを実装した診断装置を開発しました。

概要と成果

面電流センサの開発

面電流センサは、電力機器からの部分放電に伴い発生する電磁波が、絶縁物を介して機器表面に漏れ出たもの(漏洩電磁波)を測定するセンサです。約20pC以上の部分放電の検出が可能であり非常に高感度です。さらに、従来のセンサと比較し小型・低価格化を実現しました。

図1 変圧器の部分放電測定状況

図2 部分放電波形の観測例

図3 モバイル形診断装置の外観と診断画面例

図4 監視機能付き診断装置の外観と診断画面例

成果の適用先・事例

面電流センサは、非常に高精度であり、構造がシンプルで安価、形状を自由に設計できるためフランジ部などの曲面部にも密着可能です。今後は、変電機器以外の架空線・地中ケーブル接続部・配電機器等にも適用を拡大し自動診断装置の実用化を進めていきます。

担当部署

経営技術戦略研究所 技術開発部 次世代電力インフラエリア